マクロミルは10月9日、副業に関する調査の結果を発表した。調査は全国の20~59歳の正社員1000人を対象に実施した。
勤務先が副業を認めているかどうか聞いたところ、「申請し許可が下りれば副業を認めている」が10.3%、「副業の届出さえ出せば認めている」が6.4%だった。合わせて2割弱の会社は副業を認めている一方、46%と半数近い会社は副業を認めていない。政府は「働き方改革実行計画」の中で、副業・兼業の普及を図るとしているが、未だに副業を禁止している企業が多いようだ。
副業禁止かどうか就職・転職時に「気にしない」6割
企業規模別に見ると、大規模な企業ほど副業を認めない傾向にある。2000~5000人未満では65.4%、5000人以上では61%が副業を認めていない。
副業を認めない企業についてどう感じるかを聞くと、「まったく魅力がない」という人は23.1%、「あまり魅力がない」という人は59.8%で、合わせて82.9%の人が「魅力がない」と答えている。
しかし就職・転職をするに当たって、「副業禁止かどうかは気にしない」という人が64.5%に上る。副業を認めない企業は魅力に欠けるものの、就職・転職の際の重要なポイントではないという人が多いようだ。
副業が本業の仕事に与えるメリットを聞いたところ、「新しい視点、考え方ができるようになる」が44%で最も多く、2番目は「副業で得たスキルを本業で活かせる」(38.7%)だった。「副業の人脈が、本業でも活かせる」も29.8%いた。
今後、副業をしたい人は約4割 課題は「睡眠時間や健康面の管理」
実際に行っている副業としては、「アンケートモニター」が31.8%で最も多く、次いで「株式運用・FX・不動産投資」が13.8%だった。副業をしたことがない人は51.7%だった。
副業をしたことがない人に今後の希望を聞くと、「副業をしたい」が44.1%、「したくない」が29.5%、残りの26.4%は「わからない」だった。副業をしたい理由を複数回答で聞いたところ、多い順に「生活費の足しにする」(62.7%)、「本業の給与が安い」(56.3%)、「お小遣い稼ぎ」(53.6%)。「スキルアップ」(19.8%)や「人脈を広げる」(17.9%)は2割以下に留まっており、副収入のために副業をしたがっている人が多いことがわかる。
副業を行うに当たっては、時間管理が課題になりそうだ。副業の障害になりそうなことを聞くと、「睡眠時間や健康面の管理」(54.7%)、「本業の長時間勤務」(51.5%)がいずれも半数を超えた。3番目に多かったのは「プライベートとの両立」(46.7%)で、多くの人は仕事やプライベート、睡眠との兼ね合いを心配しているようだった。
副業をやめた理由としては、「時間がなくなった」が30.9%で最多。やはり本業やプライベートとは別に副業の時間を捻出するのが難しいということだろう。