3月までは「チケットを販売しても無反応でした」というが、緊急事態宣言発令以降、閲覧数と問い合わせが増えたという。
「2年前にNewsPicksの番組でオンラインキャバクラのビジネスプランをプレゼンした際は、大きな番組に出演したにも関わらず相手にされませんでした。でもコロナ感染拡大がきっかけで、世の中で受け入れられてきているように感じます」
ゴールデンウイークから緊急事態宣言が解除された5月下旬まではほぼ毎日”来店者”がおり、1日平均2人、最大4人接客したという。来店者の多くは30~40代男性だ。実際の店舗とオンラインキャバクラ、接客や話す内容に変化はあるのだろうか。
「特にないですね。まずは私を信頼してもらい、安心感を抱いてもらうために、最初はたわいもないことから話します。そこから相手の話したいことや申し込んだ目的を探り、相手のツボを見つけます」
エミももさんは、コロナ以前からライブ配信やZoom飲み会などを行っていたため、「オンラインでの会話に慣れていたのもあると思います」と話す。
スマキャバなら「安心・安全で、もっと良いサービスを提供できるのでは」
エミももさんは「かつてキャバクラで働きながら、この古い体質にずっと疑問を感じていました」とも語る。客がお気に入りのキャストを応援するためにシャンパンを入れ、キャストはボトルを空けるために潰れるまで飲んで体を壊す、というのを目の当たりにしてきたからだ。
「この謎のシステムだけでなく、ボッタクリや枕営業の強要など、今の時代にそぐわないことが多いと感じていました。もしキャバクラがオンラインでできれば、キャストもお客様も安心・安全で、もっと良いサービスを提供できるのではないかと考えました」
キャバクラに訪れる人が求める欲求はさまざまだ。中にはシャンパンを入れて大勢の人から注目されたい人もいるが、「私のお客様は、キャバクラは心の拠り所という人が多かったので、この承認欲求を満たすのはオンラインでも可能なのではと感じました」という。
シングルマザーとして子育てをしているエミももさん。保育園も休園していたため、スマキャバは「在宅で自分のスケジュールで管理できるので子育てと両立しやすいですね」と話す。ほかにも、
「感染リスク0、身の危険もなし、身バレもしません。お酒を飲む必要がなく体調が非常に良いですし、フリーにつく必要がなくお客様を選べるので気が楽です」
とメリットが多いと語る。
一方で「スマキャバは客単価を上げづらい」ともこぼす。店舗で働いていた時と比べ、「時給は半分以下、総収入は5分の1になりました。緊急事態宣言の解除以降、申し込みはほぼないので収入ゼロです」と明かした。
「それでも全国民がコロナの抗体検査かワクチン接種を受けられるまで店舗には戻らないと伝えています。今後はオンラインキャバクラの在り方も考えつつ、医療職という強みを生かして心と体の健康に寄り添うオンラインサービス提供に注力するつもりです」