この3月から会社説明会やエントリーシートの提出が始まり就職活動が本格化した。とはいえ、気持ちが乗り切れない就活生もいるようだ。お悩み解決掲示板に3月中旬、「就活がくだらなすぎて嫌になります」というスレッドが立った。投稿者は女子大学生で、就活の違和感を次のように綴る。
「生活するためのお金を稼ぐために就職するのに、志望動機を捏造して思ってもいないキャリアビジョンを一生懸命考え、社会に出てから何の役にも立たないSPI(適性検査)を勉強して……全てが下らなく思えて仕方ありません。イライラします」
管理職にはなりたくないし、チャレンジ精神もないという投稿者。それなのに、求める人物像が「様々な新しいことに挑戦していける人」とする企業が多すぎて、それを聞くだけで嫌になるという。さらに、「会社で働いていく上では、昇進はどうしてもしなくてはならないものでしょうか」と問いかけた。(文:okei)
「大前提がすでに間違っている。東大出の平もいますから」
投稿者は就職支援会社の説明で、「大卒は幹部候補生として採用する」と聞き、「大卒は嫌でも昇進する」と思い込んでしまったようだ。だが、まだ50社ほどエントリーしただけで1社も内定を取っていない。出世の心配は早すぎるだろう。
スレッドの回答は、「ずーっと平社員の会社たくさんあります」など、投稿者の考えをたしなめる声が相次いだ。
「まだ就職もしていないのに就職出来て昇進も出来る事前提で悩んでいるの?石橋叩き過ぎて割れちゃうよ」
「大卒は幹部候補として採用される、という大前提がすでに間違ってるよー。東大出の平もいますから」
また「志望動機を捏造で作るのが無駄と感じるなら、嘘じゃなくて本気で志望すればいいだけなんじゃないの?大手は嘘ついてるような奴取らないよ?」という指摘も。
そもそもそんな態度では内定すら取れない、「(やる気のある学生に埋もれて)どんなにあがいても就活はうまくいかない」など、厳しい声が次々にあがった。平社員のままだと後輩から使われ、金銭的にもいつか不満が出てくると教える人も少なくない。
他方、会社員に向いていないと派遣や起業を薦める人や、工場での繰り返し作業、タクシー運転手はどうかとの声もあった。だが投稿者はそのどれも考えていないそうだ。起業する勇気はないし、大学を出て派遣ではイメージが悪いとしていた。
ワークライフバランスを重視した働き方は、間違いではないが……
厳しい声が多い一方で、励ましの声も見られた。
「ワークライフバランス重視の主さん(今時の若い人の多くと同じ)は、『心身の健康を整えて、効率よくパフォーマンスすること』が得意かも知れません。その辺りで押してはどうでしょう?」
というアドバイスもある。確かにそれも企業にとっては大事な要素だ。また、「理屈ばっかこねてないで、働いてみたら?仕事って、楽しいよ」など、とりあえず働いてから適職を見つけるという手もある、という叱咤激励も散見された。
スレ主は特にやりたいこともなく、ずっと平社員でいたい、ワークライフバランスを重視した働き方がしたいとのことで、その考えは間違いではないし、筆者も共感する。しかし、就職するには自分にはないもの、嘘のやる気をアピールしなくてはならず、それが苦しいのだろう。
近年ワークライフバランスを重視する企業は増えつつある。一方で川崎重工は先月、年功制を廃止し、役割や成果に応じて賃金やポストを決めると発表していた。大卒が珍しくない現在、今後の労働市場は多かれ少なかれ実力成果主義になっていくだろう。投稿者が昇進したくないなら心配無用だが、それで長年安泰とも限らないのが辛いところだ。【参照元:お悩み解決掲示板 https://onayamifree.com/】