コロナ禍で「自己PR難民」の就活生激増 “成果”とは何なのか、改めて考えてみよう | キャリコネニュース - Page 2
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コロナ禍で「自己PR難民」の就活生激増 “成果”とは何なのか、改めて考えてみよう

2022年卒で既に本選考が始まっている学生については、まずは選考でアピールする必要がある「成果」の意味を考えてみましょう。筆者は「成果=変化感(BeforeとAfterの差分)」であると考えています。

というのも、新卒の選考は中途採用とは異なり即戦力である必要はなく、「入社後、成長していくかどうか」を見極めているからです。そのため「最初から出来た」というエピソードではなく、「最初は1だったが◯か月後に10になった」という”成長物語”を話すべきです。

そう考えると「コロナの影響で成果が出なかった」という人はほぼいないのではないかでしょうか。例えば、「コロナがなければ10だったのに7に留まった」というのは不服かもしれませんが、「コロナの影響で5だったものが0になり、工夫をして7にした」とも解釈できます。そうすると成果=変化感7の成長物語として話せます。

飲食店でアルバイトをしているAさんは、座席数の減少や営業時間の短縮から今まで取り組んでいた団体客向けのキャンペーンやイベントなどが出来なくなりました。しかし、「座席数の減少→ターゲットを少人数のお客さんに変更」「営業時間の短縮→顧客単価を上げることに注力」と考え、「顧客単価の高い常連さんを増やす」と考えました。

それをベースとした施策を行った結果、コロナ前に想定していた売上目標を大きく下回ってはいるものの、周囲が閉店していく中でバイト先は営業を継続できているといいます。このように現状を「コロナが発生していなかった場合」ではなく、「コロナ発生直後」と比べてみてください。

繰り返しになりますが「最初から出来た話」よりも「成長物語」が好まれる傾向にあります。なので「どのようにその成果を生み出したのか」を整理し、問題にどう取り組んだのかを伝えることが非常に重要になります。

上記のAさんであれば「どのように常連さんを作ったのか」「どのように顧客単価を上げたのか」「なぜそのような打ち手を実行しようと思ったのか」について考えると整理できます。

まだ時間のある2023年卒は”成果”を作る行動を

では、2023年卒の学生は、今からどのような対策を行えばいいのでしょうか。まずは上記の「成果」について整理してください。そして、もし「何か変化を生み出したと言えることがない」という人は、今から成果を作りましょう。

重要なことはサマーインターンや早期選考といった就活に直結する活動より、”成果を生み出すこと”です。理由は2つあります。

サマーインターンや早期選考といった企業と接点が発生するイベントは全て本選考に影響を与えます。成果が不十分な状態で面接を受けてしまうと、もちろん高い評価にはなりません。また、その評価は本選考に影響を与えるため、「早く就活した方が得」にはならないからです。

ただ、サマーインターン経由でしか採用をしていない企業もあるので、自分の興味のある企業はどうなのか調べるようにしてください。

また、就活に時間を割くと、どうしても就活に意識が引っ張られ、成果を生み出すための活動が中途半端になってしまいます。特に焦りを感じている就活生は「今何に取り組むべきなのか」といった取捨選択が出来なくなりがちです。

OBOG訪問、面接対策、説明会への参加、ESの作成といった”やっておいた方が良さそうなこと”に無闇に取り組んでしまい、就活以外のことに意識も時間も割くことが出来なくなる……この沼にハマってしまうと、悪循環でしかありません。

まだまだ本選考までは時間があります。成果がないと感じているなら、一度就活はストップして、成果を生み出すための活動に集中してみてください。結果的に就活も上手くいく可能性が高くなるかと思います。

著者近影

著者近影

【プロフィール】関西学院大学商学部卒。在学中に創業期のキャリア教育系スタートアップ(株)STORYに参画。採用責任者として、約400人の面接・約50人の採用に携わる。その後、ベンチャー複数社にて新卒採用、EdTech・人材サービスの立ち上げを経験。2020年9月より(株)STORY CAREERにてキャリアアドバイザーとして活動。

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