「地方公務員」は5回連続の1位。昨年順位を下げていた「国家公務員」も、今年は2位に返り咲き、根強い公務員人気を象徴するかのようなランキングになった。
トップ20の民間企業を業種別にみると、3社ランクインした飲食品製造業(明治、味の素、日清食品)と電気機器製造業(ソニー、アップル、パナソニック)が最多だった。次いで、航空運輸業の2社(全日本空輸、日本航空)が入ってくるなど、学生の日常生活に身近な商品・サービスを扱う企業が多くランクインしていた。
前回調査との比較では、「グーグル」(4位→3位)、「アマゾン」(5位→4位)、「LINE」(30位→5位)など、順位を上げたIT関連企業が多かった。また、「日本赤十字社」(89位→9位)や日本郵便(89位→15位)の上昇も目立った。
男女別でも両者ともに「地方公務員」「国家公務員」が1、2位を独占。男子学生では、上位の民間企業に「グーグル」「アマゾン」「アップル」といった米大手IT関連企業が多かった一方、女子学生では「明治」「味の素」「森永乳業」などの食品メーカーが人気を集める傾向がわかった。
就職先の選定において気になる点1位「給与額」
就職先を選ぶにあたり、学生側の基準を聞いたところ、「出世して高収入を得たい」(25.2%)や「優良企業で安定的に働きたい」(23%)と答えた人が多かった。一方、前回調査で最多だった「プライベートを優先させたい」は、今回20.5%と3位に下落。今時の学生は、プライベートよりも、仕事における報酬や企業の安定性を重視する傾向があるようだ。
就職先の選定においての気になる点でも、過半数が「給与額」(50.3%)と答えた。2位以降は「勤務地」(36.5%)、「福利厚生」(27.8%)という結果になった。
最低限実現したい生涯最高年収については、「400万円以上500万円未満」(16.7%)が最多。2、3位に「1000万円以上1500万円未満」(13.0%)、「500万円以上600万円未満」(12.3%)が続いた。
400万円以上600万円未満に回答が集中していることから、給与額は平均年収441万円(平成30年民間給与実態統計調査)以上であれば良いと考えている学生が多いよう。ちなみに昨年は「500万円以上600万円未満」が1位だった。
また今回、「1年生」の回答者に1000万円以上の年収を求める割合が高い中、「2年生」ではその割合が減少していることから、就職活動が近付き、より現実的な就職先をイメージしていると言えそうだ。