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富士通、コンサルティング領域の人材を「1万人規模」に拡充目指す 2000人超のキャリア採用で「Fujitsu Uvance」推進

中期経営計画で「事業ポートフォリオの変革」を掲げ、グローバルにサービスビジネスを強化している富士通。その中で、事業と連動した人材ポートフォリオの実現に向け、事業における成長領域のリソース拡充を推進しています。

2024年度は2,000人を超えるキャリア採用を行う計画を発表した富士通が、いま求めているのはどのような人材で、会社の受け入れ体制はどのようになっているのか。同社 Employee Success本部 人材採用センターのマネージャー稲富一成(いなどみ・かずしげ)さんに聞きました。(聞き手・文:水野香央里)

社会課題の解決をリードするケイパビリティ強化図る

富士通 Employee Success本部 人材採用センターのマネージャー稲富一成(いなどみ・かずしげ)さん

富士通 Employee Success本部 人材採用センターのマネージャー 稲富一成(いなどみ・かずしげ)さん

――現在どのような人材のキャリア採用に注力していますか。

現在募集を行なっているのは、クロスインダストリーで社会課題の解決を目指す事業モデル「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」を支える幅広い職種です。「Uvance」は「あらゆる(Universal)ものをサステナブルな方向に前進(Advance)させる」という2つの言葉を合わせた造語で、富士通の中核を担っています。

募集職種は広く、お客様へものを売ったり提供したりするだけではなく企画提案も行う「ビジネスプロデューサー(BP)職」や、ビジネスプロデューサーと共にお客様の課題へのアプローチをICTにおける知識や知恵、技術を駆使して検討して具体的なシステムを形にする「ソリューションエンジニア職」で募集を行っています。

このほか、情報の分析結果を協議して製品開発で協力し合うなどお客様のデータを具体的な事業価値に変換する作業を支援する「データサイエンティスト職」や、ソフトウェア開発やハードウェア開発・研究を行う「研究開発職」、法務や知的財産、財務・経理、総務・人事などの「コーポレート職」のキャリア採用も行っています。

特に強化しているのはDX推進を支援するシステムエンジニア職の採用で、現在当社がビジネスを拡大している「SAP」「Salesforce」「ServiceNow」領域の知見を持つ人材のほか、基幹システムのモダナイゼーション(刷新)分野の人材獲得に注力しています。

加えて、今年2月に発表した新たな事業ブランド「Uvance Wayfinders(ウェイファインダーズ)」では、この事業に従事するスキルを持つ「コンサルティング職」の専門人材の募集も行い、お客様とともに社会課題の解決を目指すケイパビリティ強化を図り、2025年度までに1万人規模まで拡充することを目標としています。

2024年度のキャリア採用における計画数2,000人以上のうち、コンサルティング領域を牽引できる人材については1,000人程度の採用を予定しています。

必要人材を浮き上がらせた「ジョブ型人材マネジメント」

――キャリア採用の急増には何か理由があるのでしょうか。

当社は2020年以降、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスに基づき、富士通自身の変革を推進するプロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」や、サステナブルな世界の実現を支援する事業モデル「Fujitsu Uvance」の立ち上げなど、さまざまな取組を行ってきました。

これにあわせて人事制度を見直し、グローバル共通の「ジョブ型人材マネジメント」へと移行したことで、事業戦略に沿った組織やポジションがデザインされるようになりました。これにより必要人材と現有人材とのギャップが明らかになり、これを埋める人材を社外からも確保していこうと、キャリア採用も大きな方針転換を行っています。

「Fujitsu Uvance」のビジネス加速に向けた人材獲得の強化

2021年10月に富士通が発表した「Fujitsu Uvance」は、従来のプロダクトや請負型のシステムインテグレーション(SI)を中心とする事業形態から、テクノロジーをベースに新たなイノベーションを生み出し、次の成長につながる価値をお客様に提供する事業モデルへの変革を目指している。

これまで富士通が培ってきたテクノロジーと業種ナレッジを組み合わせ、業種や業界を越えたクロスインダストリーなアプローチによって社会課題を解決していく。また、クラウド型のアプリケーションを用いることで、1対複数のお客様へのサービス提供や機能拡張、グローバル標準でオファリングが行えるようになることも、この事業の特徴といえるだろう。

「Fujitsu Uvance」関連の売上高は、2023年度に対前年度比で84%増の3,679億円と大きく成長しており、2025年度には7,000億円を目標としている。

この目標を達成するための重要な要素のひとつが前述の「Uvance Wayfinders」で、2025年度までに1万人規模へ拡充するコンサルティング人材の内訳として、事業変革を実現するビジネスコンサルティングを3,000人、富士通の持つデータとテクノロジーを活用したテクノロジーコンサルティングを7,000人としている。

このうち6,000人は既存社員のリスキリング、1,000人はM&A、残る3,000人をキャリア採用で確保する考えだ。

(2024年2月22日発表のプレスリリースより)

Uvance Wayfinders(2024年2月22日)より

Uvance Wayfinders(2024年2月22日)より

「報酬制度の見直し」で月額賃金を最大29%引き上げ

――現在労働市場におけるDX人材の獲得競争に向けて取り組んでいることはありますか。

当社では、2023年4月にグローバル企業のベンチマーク結果に基づき、国内における全ての職層の社員を対象に「報酬制度」を見直しました。月額賃金は平均10%、最大29%の引き上げとなっています。

リーダークラスの年収は約1,000万円、事業部長クラスの年収が約2,000万円から3,000万円になることも可能な水準としました。今後も国内の賃上げに向けた機運の高まりに伴う人材マーケットの変動を踏まえ、競争力を維持する観点から人的資本へさらなる投資をするべく、賃金の引き上げを図っていきます。

柔軟な働き方を推進し、社員のWell-beingを実現

富士通は、2020年7月に「仕事」と「生活」をトータルにシフトしWell-beingの実現を目指す「Work Life Shift」を発表。「Smart Working(最適な働き方の実現)」「Borderless Office(オフィスのあり方の見直し)」「Culture Change(社内カルチャーの変革)」を3本柱とし、従業員が主体的に業務の目的に応じて最適な場所や時間を選択して働くことを可能としている。

2021年10月には、Afterコロナを見据えた「Work Life Shift 2.0」を発表。「Hybrid Workの実践とエクスペリエンス・プレイスへの進化」「DX企業としての働き方の進化」「WorkとLifeのシナジー追求」の3つを掲げている。

現在の「テレワーク率」は約8割程度で推移。首都圏で利用できる外部シェアードオフィスを約2,400拠点まで拡大するなど環境整備を強化した。「単身赴任」の解消や、配偶者の転勤や家族の看護・介護などを理由に所属事業所の通勤圏外(国内のみ)へ生活の拠点を移してテレワーク勤務可能な「遠隔勤務制度」など、時間も場所も柔軟な働き方が大きく前進している。

さらに、「ワーケーション/副業」の推進や、出産育児サポート休暇を拡大して「男性社員の育児参加率100%」を目指すなど、仕事と生活のシナジー追求に向けて大胆な施策を次々と打ち出している。

(2024年2月22日発表のプレスリリースより)

ニューノーマルにおける働き方"Work Life Shift"(2022年6月28日)より

ニューノーマルにおける働き方”Work Life Shift”(2022年6月28日)より

「人材の流動化」は企業価値向上に寄与する可能性が高い

――社内公募などの制度はあるのでしょうか。

ジョブ型人材マネジメントの導入に合わせて「ポスティング(公募)」制度を拡充しました。それまでは、会社が業務遂行のためのフォーメーションや本人の成長を考えて配置転換やローテーション、昇格などを計画し、実行することが中心でしたが、本制度では、本人が実現したいキャリアプランを自律的に考え、異動や幹部社員昇格に挑戦することができます。

この制度への応募者は2020年度から2022年度の3年間で約2万人にのぼり、実際に約7,500人が希望のポジションに異動しています。

キャリア形成を支援するリスキリングの環境も整えており、学びのプラットフォーム「Fujitsu Learning Experience」では、社内外の有識者による8,000以上の研修が提供され、社員は自らのキャリア実現に向けて自分に合った教材で学ぶことができます。

自律的な人材が自らの意思で行う「人材の流動化」は、組織の業務遂行能力だけでなく、企業価値向上にも寄与する可能性が高いことが、社内の人材データの分析からも分かってきています。今後もこのような取り組みを引き続き強化していきます。

――実際にキャリア採用で入社してきた人からはどんな反応がありますか。

「もともと特定テーマでマッチングしての入社だったが、いざ入社してみると幅広い領域において会社としてのポテンシャルを感じる」という声を聞いています。また「やりたいことができる会社、変革ができる会社だと聞いていたが、入ってみて本当にそれが実現できる会社だと実感している」といった声も聞きます。

当社としても、変革にチャレンジしていく土壌があると自負しており、「こういうことがやりたい」という自分自身の想い(パーパス)をしっかり持っている方にとっては、活躍できるフィールドは多いと考えています。

他社での経験を活かして「いい風」を吹かせてほしい

富士通社内のコミュニケーションスペースの様子

富士通社内のコミュニケーションスペースの様子

――キャリア採用者に求める人物像はありますか。

実際に職場の担当者と話をする中で、採用の現場には「新規のビジネスを作るための変革にリーチできるような人が欲しい」という要望がよくあがってきます。「変革」に向けて取り組みたいという方にとって挑戦や成長を実感でき、ご自身の想いを活かすことができる会社だと思います。

当社が求めているのは、実現したい「パーパス」を持った多様な人材です。社会やお客様の課題の解決に向けて、グローバルに貢献していきたいという想いを持った方に来ていただきたいと思っています。

人事制度も含め、会社として今まさに様々な変革が行われているところです。キャリア採用で入社される方には、ビジネス側だけでなく社内の変革についても、他社で多様な経験をされているからこその新たな気づきがあると思います。他社でドライブしてきたことを活かして、当社の中でいい風を吹かせていただきたいですね。

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