外資に負けない強い日本企業への道筋。富士通の未来を担うデジタルセールスの挑戦 | キャリコネニュース
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外資に負けない強い日本企業への道筋。富士通の未来を担うデジタルセールスの挑戦

▲守りから攻めへ。その想いを胸に富士通に転職した小池

2021年に新設されたデジタルセールス統括部で、テクニカルプリセールスとして新規商談開拓を支援しながら、富士通流・営業プロセスのモデル化にも取り組む小池 雄平。小池が従来感じてきた課題を解決できるというデジタルセールスの役割、そのやりがいについて語ります。【talentbookで読む】

プリセールスの領域でビジネスの開拓をサポート。幅広い経験を求めて富士通へ

2001年、大手ITベンダーに新卒入社してから10年ほどは、ソフトウェアやミドルウェアのプリセールスを担当したという小池。

小池 「営業と一緒にお客様先を訪問し、商品の紹介やデモを行ったり、お客様の課題を聞いて提案につなげたりと、一連の提案活動をサポートする役割を担っていました。

その後、3年ほどSEを経験しています。ある大手企業2社が合併するタイミングで、全社基幹システムのクラウド移行と全社員が使用しているPCのシンクライアント化という、かなり大きなプロジェクトに参画。また、プロジェクトリーダーやPMOとして複数のプロジェクトにも携わりました」

大規模なプロジェクトが終了するタイミングで転職活動を始め、富士通に入社を決めた小池。その背景には、再びビジネスの前線に立ちたいという思いがありました。

小池 「いろんな見方はありますが、SEという仕事はシステムを通じてお客様へ価値を提供するという面がある一方で、いかにコスト削減して利益を出すかという側面もあります。そこにもちろんやりがいがあるのですが、新しいビジネスをどんどん開拓していきたい、今とは違う領域の仕事も経験したいという想いが、私にはありました」

2015年に富士通へ入社すると、ビッグデータビジネスの商談開拓やマーケティング部門で経験を積んだ小池。その後、2022年11月現在所属するデジタルセールス統括部に異動し、テクニカルプリセールスとして新規商談開拓を支援しています。

小池 「日々の仕事で大切にしているのは、人と人のコミュニケーション。デジタルの世界でも、最終的には人が重要になると思っているので、そこは忘れないようにしています。また、どんな些細ことでもいいので日々学び、常に貪欲に成長していきたいとも思っています」

マーケティングで感じた課題をデジタルセールスで解決。分科会を通じ、組織構築にも貢献

▲「新しい組織だからこそのおもしろさ、そして挑戦がある」という小池

2021年に立ち上がったデジタルセールス統括部は、現在約50人の組織へと拡大しました。当部署が担う役割の1つが、マーケティング部門が獲得したリードを架電などを通じて案件化し、ビジネスプロデューサー(BP)へとつなぐことです。

異動は小池が自ら希望したものでしたが、その経緯についてこう話します。

小池 「マーケティングに取り組む中で、リードをたくさん獲得しても、実際の商談や受注にはなかなかつながらないという課題が見えてきました。というのも、リードの中には、『すでに予算や導入計画があるから提案してほしい』という非常に前向きなものもあれば、『なんとなく興味を持った』というとても軽いものもあり、商談が成立する可能性はまちまち。

さらにBPにも優先順位があるので、確度が高い案件を渡すようにしなければ、そもそも商談につなげようと思ってもらうことさえできないんです」

そうした課題を解決するのが、まさにデジタルセールス。富士通のデジタルセールスチームは、このようにマーケティングと連携して獲得したリードを案件化し、BPに渡すSDR(Sales Development Representative)に加え、将来顧客にしたいと考える企業にアプローチして新規開拓を行い、商談化につなげるBDR(Business Development Representative)、BPが担い切れない業務のサポートとして顧客フォローを行うCS(Customer Success)という3つから構成されています。

小池が担うテクニカルプリセールスの役割は、コーラー(お客様に架電する人)を支援してBPに渡す案件の質を高めていくこと。BDRに属していますが、SDRやCSに対しても同様に支援するといいます。

小池 「富士通には膨大なソリューションがあります。その一つひとつを理解した上で、お客様の課題に合うものを提案していかなくてはなりません。テクニカルプリセールスは、コーラーがお客様へアプローチする際のシナリオ検討の支援やヒアリングした課題に対して、どんなソリューションが合うのか、この課題をもっと深掘りした方がいいのではないか、といったアドバイスを行ったり、時にはお客様とのミーティングに一緒に参加したりもしています」

まさに課題視していた「リードの商談化」にピンポイントで取り組めることにやりがいを感じているという小池。さらに、新しい組織だからこそのおもしろさもあるといいます。

小池 「デジタルセールス統括部という組織をより洗練させていくために、メンバーほぼ全員参加の分科会活動も行っており、私は活動全体のまとめ役も務めています。分科会は全部で7つあり、新入社員の育成を目的にした会や、顧客のナーチャリング(見込み顧客を顧客へと育てる)の仕組みを考える会などさまざま。それらを通じて組織を自分たちで構築していくことにも、おもしろさややりがいを感じますね」

組織構築のための分科会活動で、富士通版『The Model』を検討

▲小池を中心に富士通としての「モデル(型)」を構築中

7つの分科会活動のうちの1つでは、デジタルセールスの取り組みを型として「モデル化」することを目指し、小池はその活動のリーダーも務めています。

小池 「目指すのは、富士通版の『The Model(ザ・モデル)』。『The Model』とは、営業プロセスモデルの1つで、1人の営業が新規開拓から案件の醸成、受注、保守のすべてを行うのではなく、プロセスごとに分業しているところが特徴です。各役割の専門性を高めることで効率や各プロセスの習熟度を向上させ、全体パフォーマンスを最大化させることを目的としています。

もともとは米国のSaaSベンダーが提唱したものなので、非常に幅広い商品を扱っている富士通のBPにそのまま当てはめてもなかなかうまくいきません。そこで、富士通のビジネスモデルに合わせた分業プロセスを構築しようというのが、富士通版の『The Model』の狙いです」

モデル化を行うメリットはいくつかありますが、中でも小池が最も大きいと感じるのは、属人性を排除できることと、案件化プロセスが可視化できることだと言います。

小池 「モデル化(型化)することで属人性を排除することができ、プロジェクトや組織も拡大しやすくなります。さらにプロセスが可視化できると、どこに課題があるのかが見えてきます。たとえば、『いまひとつ商談化率が上がらない』とこれまでぼんやりと感じていた課題が、『リードの獲得につまずいているな』『獲得しても受注につながっていないな』という具合に、より具体的に見えるようになるんです。それによって、組織は改善の手を打ちやすくなります」

デジタルセールス統括部では、自分たちの意見や検討内容がきちんと組織に反映されていることが実感できるため、それが組織構築のモチベーションにもつながると言う小池。

小池 「古い体質の組織だと、経営幹部や上司に意見を聞かれても、『言っても反映されないから』と冷ややかな目で見てしまうことが多いもの。今は自分たちの意見やアイデアが本当に実行され、かたちになっていくのがわかり、それは同時に責任も生じますが、すごくやりがいのある良い組織になっていると感じています」

外資に負けない日本企業。富士通がその見本となるような存在に

▲「私自身はもちろん、組織としても成長していきたい」と意気込む小池

今後小池たちは、富士通の取り組みが日本企業を代表するセールスモデルになることを目指します。

小池 「デジタルセールスの組織は、まだまだ発展途上。これを日本企業の中では富士通が一番に確立させ、社外に向けてどんどんアピールしていきたいと思っています。

また競合も含め、あらゆる日本企業がこのモデルを真似したくなる。そして、取り入れた日本企業が外資に負けないくらい強くなっていく未来が訪れたらいいなと思っています。そのためにもまず、富士通をその見本となるような企業にしていきたいですね」

この大きな展望を実現すべく、組織としてもさらなる強化を目指していきたいと語る小池。そのためにもデジタルセールスの型を洗練させ、同時に個々の専門性を高めていくことが重要だと続けます。

小池 「今は組織の立ち上がり時期ということもあり、メンバーの士気が高まっていますが、これから人が増えていけば、考え方も多様化していくはずです。今後は、いかに同じ方向に進んでいけるか、いかに皆がやりがいを持って仕事ができるかという課題にも取り組んでいければと思っています」

マーケティングやBPが抱える従来の課題を解決しながら会社の売上に貢献し、新たな組織の運営・構築にも参画できるデジタルセールス統括部。富士通ならでは、日本企業ならではのモデルを確立し、その存在感を今後さらに高めていくでしょう。

富士通株式会社

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