ギークスからxR事業を移管したG2 Studios ゲーム会社の視点でエンターテインメントを加速させる | キャリコネニュース
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ギークスからxR事業を移管したG2 Studios ゲーム会社の視点でエンターテインメントを加速させる

G2 Studios 株式会社代表取締役社長の桜井敦さん

「21世紀で最も感動を与えた会社になる」をグランドビジョンに掲げるギークス株式会社のグループ会社として、ゲームエンジン「Unity」をベースとしたスマートフォン向けアプリゲームの企画・開発・運営を展開してきたG2 Studios株式会社。

2022年4月にギークスからxR事業(「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」といった先端技術の総称)の移管を行い、今後ゲーム開発とのシナジーを活かした事業を推し進める。

今や世間一般にも浸透しつつある「メタバース」や「xR」という新たな時代のキーワード。ゲーム開発会社として、先進技術をどのように活用していくのか。また、事業推進に必要となる人材の資質とは。代表取締役社長の桜井 敦さんに話を伺った。(文:千葉郁美)

xRもゲームも同じ「エンターテインメント」。強みを活かして研究開発を進める

――昨今「メタバース」というキーワードが大きく取り上げられ、一般生活者の中には近未来化への期待感が生まれていると思います。御社にとってこのムーブメントをどのように捉えていますか。

今は可能性を模索しているところです。Facebook社が「Meta」に社名変更したことをきっかけとして一気に「メタバース」という言葉が浸透してきました。このムーブメントにIT関連企業が便乗するような形で、盛り上がってきている感覚があります。我々も以前から、VRやARなど取り組んできたこともありますし、それを活かせるタイミングが来たと思っています。表現方法としては可能性を感じますが、実際「どのようにビジネスとしてマネタイズしていくのか」という課題感が業界内に共通している印象がありますね。

――メタバースを構成する技術として注目を浴びるxRですが、御社では親会社であるギークスからx-Tech事業のうち、xRに関する事業が移管されました。経緯や目的をお聞かせください。

組織改編への動きが始まったのは、2021年度下期でした。具体的には、動画の受託制作やxRなどの先進技術を活用した企画・開発を行う事業をG2 Studiosに移管するというものでした。

昨今ではメタバースやxRに加えて、ブロックチェーン、NFTと、さまざまなキーワードが出てきていますよね。社会全体の先進技術開発への取り組みが急速に進み始めた中で、ギークスがもともと持っているxR事業をよりスケールさせていきたいという背景があり、今回のような組織の動きが起こりました。

xR事業は、ユーザーに感動体験を与え、楽しんでもらうという、エンターテインメント性の高いものです。当社は、そもそもデベロッパーとしてユーザーに寄り添うゲームを作り、一番を目指していこうと取り組んできました。それはxR事業においても同じで、「ユーザーへのアプローチを最重要としながら、ものづくりの技術発展を支えていく」という姿勢でサービス開発に取り組み、一緒に事業を推進することで生まれるシナジーに期待しています。

同社のMR(AR+VR)イメージ

――xRのうち特に力を入れて取り組まれようとしているものはどれでしょうか。

現在、一番注力しようと考えているのはMRの分野です。MRに関連するデバイスやガジェットの開発は各社進んでおり、この分野への可能性を感じています。

これまでに見たことのないような映像、仮想空間の中での楽しみ方など、大きな可能性を感じますし、世に出ていないようなサービスも各社研究開発していると思います。我々も積極的にやっていこうと、研究開発を進めています。

――こうした研究開発とサービス展開は業界各社でしのぎを削る状態だと思いますが、御社としてはどう立ち向かっていこうとされているのでしょうか。

もちろん、いち早く発表出来たら良いなとは思っていますが、他社をいかに追い越していくかという視点ではなく、業界全体での発展を目指そうとする想いが強く、私たちもその一員として研究開発に力を入れて、共に業界を成長させていきたいと思っています。

VRやVTuberがいい例ですが、面白いですし一気に大きな波がきたものの、「それをどう浸透させるのか」、「どう活かすのか」というタイミングで壁に当たってしまう事が多いんですよね。もちろん我々もそうでした。

次世代の先進技術についても、各社が非常に悩んでいると思います。どのように活用するかはもとより、前述の通りマネタイズすることも重要ですから、業界内で協力し合い、技術やアイデアを出し合っていいものを作っていきたいと考えています。

――そのなかでどういったポジションをとっていこうとされているのでしょうか。

まずは世の中に「こんな技術でこんな面白いことができるんだ」というのを打ち出していく。xRの技術を活用したコンテンツを開発し、例えばショーや展示会、技術イベントなどで表現していくことが直近の目標です。ユーザーに実際に体感してもらえるプリセールスを実施するなどして、「G2 Studiosに頼みたい」と言っていただけるようなものを作っていきたいと考えています。

――そうした御社の取り組みを進めるにあたっては、人の力が非常に重要となってくるかと思います。xR事業を推進していく上で、どのような人材が求めていらっしゃいますか。

xR部門には大きく分けて、映像制作に携わる人材とxR領域の開発を行う人材がいるのですが、少し奇抜なアイデアを持つような冒険ができるプランナーやデザイナーを求めています。資質としては、やはり世の中を変えたいというような熱い気持ちや、この技術を使ってなにができるだろうか、こんなものがあったら便利じゃないか、というような好奇心を持っていることですね。

また、ゲームとxRは前述のとおりとても親和性が高いんですね。操作感に優れた洗練されたUIだとか、解像度が高く緻密な表現がされていて思わず操作したくなる様なグラフィックとか、ユーザーが見たり触ったりして感動する、そういった「総合エンターテインメント」であるという観点では、ゲームもxRも一致していると考えています。

言語においても、ゲーム開発は主にC#によるUnityを導入しており、そういった面でも割とシームレスに動けるんです。ゲーム開発に携わっていた人がxR事業で新しいサービス開発に携わることも難しいことではありません。

他業種経験者歓迎 違った視点で業界を見て欲しい

――これからの人材採用に関してお尋ねします。これまでの採用についてどのようにされてきたのでしょうか。

これまでは新卒採用をメインとしてきましたが、キャリア採用についてもさらに積極的に実施していきます。特に他の業界からのキャリアチェンジをされる方も大歓迎です。この業界に長くいると偏った見方をしてしまうことも多いので、他の業界から新しい視点やアイデアを持ってきてもらえるのは良い流れだと捉えています。実際に、アニメ制作をしていたとか、遊技機業界出身とか、他業界から転職してこられた方も活躍しています。全くの未経験という方は難しいかもしれませんが、エンジニア界隈でキャリアチェンジすることは珍しいことではありません。

新しいものを生み出そうというマインドは当社にとってとても大切ですので、何か変わったものを作ろう、世の中に面白いものを届けようという気持ちをもっていて、恥ずかしがらずにそれを表現してくれる人には期待しますね。

――業界未経験者となると、フォローアップが必要になってくると思うのですが、研修制度や支援制度などはあるのでしょうか。

キャリア支援に関しては特徴的な取り組みが2つあります。

1つは「Gʼtry(ジートライ)」という制度で、社員の研究開発を支援する制度です。月の業務時間の15%までを研究開発に当てることができて、承認を得られれば費用をかけて行うこともできます。新しい技術や知識を習得する機会として活用してもらっています。

もう1つは「Gʼzone(ジーゾーン)」という制度で、キャリアチェンジを応援する制度です。別のスキルを身につけてキャリアチェンジしたいと希望する社員が、一定期間先輩社員のもとで修行しスキルを身につけ、段階的に新たな職種に異動することができます。

どちらも熱意を持ち、社内プレゼンし、承認を得るといったプロセスはありますが、それでも多くの社員が活用してくれています。

ARのイメージ 写真にスマートフォンをかざすとキャラクターが浮かび上がる

また、ライトな社内研修や勉強会は盛んに行っています。コロナ禍で情報連携や他プロジェクトの情報のキャッチアップが難しい状況があったため、オンライン形式で情報共有の機会を作ったり、勉強会を開催したりと、頻繁に行っています。

この2年ほどは、会社からの発信にも力を入れています。リモートワークによって周りのメンバーの様子や動きが見えづらくなることで、質問しにくい状況や孤独感が生まれることがあると思います。気軽に相談しやすい、コミュニケーションを取りやすい環境を作っていくことにも心がけています。

――働きやすい環境づくりにも非常に注力されているんですね。そうした取り組みに魅力を感じて、御社を志望する方も少なくないのではないでしょうか。御社への就職や転職を検討されている方にメッセージをいただけますか。

冒頭でお話しした通り、我々が研究開発を進めるxRの領域はまだまだ手探りの状況で、どのようなことが実現できるのか、模索しているのが現状です。言い換えれば、この分野はまだまだチャンスがあって勝負できるということ。世の中に新たな技術を発信し、豊かにしていくことに魅力を感じている方に是非トライしてもらいたいと思います。

それから手前味噌ですが、当社に集まっているメンバーは非常に素直で前向き、会話していても気持ちいいです。仕事という限られた時間の中で「気持ちよく働こうぜ」というマインドの方が多く、風通しもいいのが特徴だと思っています。「今いる会社の中で何か居心地の悪さを感じている」とか、「新しい場所でチャレンジをしてみたい」という想いを持って転職を検討している方で、当社に可能性を感じてもらえたら、ぜひトライしていただきたいですし、軽い気持ちで、当社を知ってもらえると嬉しいですね。

【プロフィール】 桜井敦 (さくらいあつし) G2 Studios株式会社代表取締役社長。2012年にギークス株式会社に中途入社し、IT人材事業本部に所属。IT人材事業本部長として4年ほど従事した後、2016年にゲーム事業推進室長に任命される。ゲーム事業の拡大に伴い、2018年にゲーム事業推進室を「G2 Studios」として子会社化し、代表取締役社長に就任。「アソビ創造集団。」をミッションに掲げ、ユーザーの喜びにこだわったゲーム創りを進めている。

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