トラディショナルな会社で新しいチャレンジを。人々の幸せと自由に貢献していきたい。 | キャリコネニュース
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トラディショナルな会社で新しいチャレンジを。人々の幸せと自由に貢献していきたい。

▲トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー 山田 薫

▲トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー 山田 薫

学生時代には言語学を専攻、そのスキルを活かしベンチャー企業や大手IT企業でデータ分析や自然言語処理などに取り組んできた山田 薫。ユーザーニーズを追求し、ITソリューションを提供してきました。そんな山田がトヨタでどのようなチャレンジを行なっているのか。これまでのキャリアを振り返りながら紐解きます。【talentbookで読む】

お客様のニーズへ徹底的に寄り添うUX/UI

私たちの組織では、クルマの開発ではなくクルマの中でのインターネットやITに関する使い勝手の良さ、いわゆるUX/UIを徹底的に考え抜き、コックピットエリアと呼ばれる運転席周りの企画開発を進めています。

これまでコックピットエリアではナビやオーディオの開発がメインでしたが、最近は“車室内“の考え方が変わってきていて、車外との連動が増えてきているんです。

現在は2020年台前半のリリースを目指して、次世代のコックピットエリアの開発に注力しています。そのために、ユーザーニーズをリサーチしたり、社会情勢を分析したりしてユーザーの望みの本質を追求し、その上でトヨタとしてどのようなプロダクトを生み出すのか、企画とデザインの両面から考えています。

UXは基本的に独立したものではありません。クルマの企画段階からユーザー視点でプロジェクトと並走し、その後も出来あがった製品が受け入れられているのかを調査するなど、クルマでの移動体験全体に寄り添っていくものです。

そのため、高い視座で幅広く業務を担当し、クルマの企画と開発の双方をつなぐ、ブリッジ的な役割を担っています。

広い意味で、クルマはハードウェアの世界です。これまでは、メーカー側にとっては購入していただいたら終わり、お客様にとっては買ったときが気持ちの最高潮の、いわゆる売り切りビジネスでしたが、現在は商品の価値やお客様の気持ちを右肩上がりにし続けなければいけません。

これらを“どう変えるか“が私たちの抱えている課題です。

クルマをお渡ししたときがスタートで、生活が豊かになったり、クルマが自分好みに進化・アップデートされていったりといった体験をどう実現させていくのか?という観点を重視して、企画・開発へ取り組んでいます。

文系出身の私がIT企業での経験を通じて感じたこと

▲IT企業のイベントでの写真(左)

▲IT企業のイベントでの写真(左)

トヨタへ入社した当初はビッグデータを担当していました。

これまでのキャリアではデータ分析や、機械が人間の言葉を理解できるようにする自然言語処理などに取り組んできた経験があったことが関係しています。

実は、学生時代は言語学を専攻していて、私が研究していたのは、言語学といっても人間が周囲の事象をどう捉えて、どう言葉にしているのか?といった心理学や哲学に近いところです。

卒業後はベンチャー企業へ入社し、その後、大手IT企業2社を経験しました。

転職先として選んだ基準のひとつは、どれだけのユーザーがいて、どれだけのデータが集まるのか?ということです。自分たちの打つ施策が、どれほどの規模の方々に影響を及ぼすのかをひとつの目安にしていました。

前職、前々職のIT企業では、“情報検索“の領域を担当させていただきました。検索エンジンで検索するときにキーワードを入れると思うのですが、そのキーワードを元に、ユーザーがどういう情報をほしいのかを考えたり、検索の基礎となっている自然言語処理技術でうまくキーワードを処理したりして、検索結果を向上する仕事に取り組んでいました。

ユーザーニーズに対して、どうやったら要望通りの適切な検索結果を返せるのか、ユーザーが欲しいと思う商品にたどり着いていただけるのかを考え、日々改善していました。

とにかく、前職までのIT企業はユーザーのことを真剣に考えているのです。大量のログからユーザーの求めているものとそうでないものがわかるんです。行動からユーザーが求めているものを理解し、その精度をよりよくすることは、IT企業で学ばせてもらいましたし、今も自分の中に根強くあるものです。

トヨタへの就職を選んだのは、第一に地元企業だからです。

私は愛知県出身なので、そろそろ地場産業に貢献したいなという想いがありました。また、これから先、ITスキルを持った人材が必要になるけれど、まだまだそういった人材が足りていないのでは?という部分もポイントとして考えていました。正直、転職は時の運が大きく、そのときの巡り合わせがあるかなとも思っています。

ハード×ソフトの組み合わせで便利・幸せをもたらす

▲e-TOYOTA部を離れる際の送別会にて(中央)

▲e-TOYOTA部を離れる際の送別会にて(中央)

トヨタへの入社後はe-TOYOTA部にて車両ビッグデータ分析・サービス開発を担当しました。

ちょうどDCMという通信モジュールを搭載した“コネクティッド車両“が普及しだしたころで、クルマに関連するデータを本格的に収集し始めたタイミングでした。これまでに取得したことのないデータの量が一気に集まり始めましたから、社内でもいろいろ混乱がありましたし、私自身もこのデータ量は怖いなと思いましたね。

それらのデータを活用して、次世代のクルマやアフターサービスの企画・開発へ活かすことを考えたり、お客様向けサービスを開発したりしていました。

昨今、スマートフォンをはじめ、多くのサービスがインターネットを通じて提供されるようになっています。そのようなサービス提供のスピード感に慣れているお客様が増える中で、クルマがそうでなくて良いということはありません。

一方でIT企業はソフトウェアが中心ですが、トヨタはハードウェアとソフトウェア、この両方を持ち合わせています。

これは実におもしろいことで、可能性も倍になるのではないかと思っています。モノをつくることができるというのは大きな力ですよね。

それに加え、代表の豊田もよく言っていますが、トヨタだけでやることに固執しない方がいいのかなと思います。

私自身、前職のメンバーと、一緒に何かできないかという話をしています。それは他業種から入ってきた人間だからこそできることですし、新しくて面白いことを実現するところまで、一緒にやってみたいです。

前職時代、異業種の方達との合同キャリアワークショップに出たとき、私は人と人、モノとモノをうまくつなぐのが得意だということに、他社の方との対話を通して気がつきました。この得意な部分を活かしていきたいですね。

この仕事を続けられるのは、技術で人を幸せにしたいから。そういう意味で新しい技術でより多くの方々に便利や幸せをもたらすということを核にして、今後も進めていきたいと考えています。

トヨタを面白くする・未知数なことを楽しむ

▲現職場にて、デザイナーとの打ち合わせ(中央)

▲現職場にて、デザイナーとの打ち合わせ(中央)

今、私のチームのメンバーは、これまでのトヨタにはなかったスタイルの仕事にチャレンジしています。決まっていないことや先が見えない要素が多いので、正直ストレスを感じることもあるでしょう。

彼らが自身でひたすら考え、やりきる力を身につけてもらえるよう、精一杯サポートをしていきたいと考えています。

そのために自分も含め意識したいのはアンテナを広く張ることですね。トヨタだけを見ていても行き詰まってしまうので、他業種、他職種、他国など、視野を高く持つ、広くすることが必要かなと思っているんです。

現在は技術で人を幸せにすることを核に仕事をしていますが、技術によって人は自由になることもできます。

私も病気をして身体が不自由だったこともありますし、昨今、新型コロナウイルスの流行で移動を制限されている方も多く、そういう方は自由を奪われていると感じているでしょう。移動の自由は人生を豊かにすることにつながっていると思います。そういった意志をもって、お客様に受け入れられ、愛される商品づくりに携わっていきたいですね。

個人的な考えですが、移動の手段は四輪でなくてもいいと思っているんです。

病気で運転できないときに自動運転が助けてくれたり、運転に自信がない人に対してなにか他のモビリティで自由度を上げられたりするといいなと思っています。

トラディショナルな会社で新しいことにチャレンジしていく。産業自体が変わろうとしているところに興味がある方や、様々な知識や経験を持っている方がさらに増えれば、きっとトヨタはもっとおもしろくなると思っています。そして、未知数なところも含めて楽しんでもらいたいです。

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