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一人ひとりが活きる場所をつくりたい。社員が前を向ける文化と制度づくりにかける想い

大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下に持つJ.フロント リテイリング株式会社で、女性活躍推進やLGBT施策を担当する佐藤 彩子。女性として、ママとして、壁にぶつかりながらも複数の会社を渡り歩きキャリアを重ねてきました。その経験から得た、大丸松坂屋百貨店の“文化”と社員の支援について、佐藤が語ります。【talentbookで読む】

周りを巻き込みながら、一人ひとりが活躍できる環境づくりを目指す

2021年5月現在、私は、株式会社大丸松坂屋百貨店からの出向という形で、J.フロント リテイリング株式会社に勤務しています。人財戦略統括部グループ人財政策部で、グループ企業全体のLGBT施策や、女性活躍推進のための企画・推進などに携わっています。

どんな仕事をしているかというと、たとえばLGBTの施策として2021年3月に「同性パートナーシップ規則」を導入しました。これは人生を共に歩もうと決めた同性の方々に、会社から“パートナー”という続柄を付与することにより、結婚・育児休暇の取得やファミリー用の社宅の提供などをできるようにした制度です。

この制度の導入にあたっては、企画を立ててグループ企業に提案したり、グループ企業の依頼をもとに社員教育用のツールを作成したりと、グループ企業と協力して施策を進めました。

女性活躍推進についても、同じようなスタイルで仕事をしています。女性の悩み、とくに子育てとの両立に悩んでいる社員に向けた研修を各社に提案し、グループ全体を巻き込みながら実施しています。

“子育てと仕事の両立”と一言でいっても、その考え方は実にさまざまです。子育てと仕事にどの程度ずつ比重をかけるのか、その人の世代や価値観、パートナーの考え方などによって大きく変わってきます。

しかし、そのような状況の中でも「子育てしながらキャリアも積みたい」と願う女性には、チャレンジングな仕事=成長できる機会を与えられる組織が必要だと考えています。より責任のある仕事に挑戦できる環境であれば、たとえ子育て中であっても、女性の仕事に対するモチベーション、そしてアウトプットは高く保てると思うんです。

そのために、子育てママを対象にした研修に加え、特に期待する人財にはピンポイントで何かしらのアプローチができないかと、上司と日々話し合っています。

キャリアアップと育児は二者択一でなく、両立できる。 私自身も含めて、後輩達に前向きな背中を見せられるよう働きかけていきたいと考えています。

母が私の憧れ──ママであっても期待してくれた大丸松坂屋百貨店との出会い

▲家族と過ごす休日の様子

私の「働くこと」に対する考え方は、母の影響を大きく受けているかもしれません。

私が小学生の頃、当時の母親は圧倒的に専業主婦が多かった時代ですが、授業参観に仕事場からビジネススーツを着て現れる母がとてもかっこよくて、誇らしかったんです。「自分もああいう母親になりたい」と憧れていました。

そんな想いを抱きながら、私は2002年に新卒でメーカーへ入社しました。

その会社ではBtoC、BtoB商材の販売促進・商品企画などを担当していましたが、私がいた当時は、女性が育児をしながら長く心地よく働ける文化はありませんでした。そこで、もっと働きやすい環境を求めて30代前半で1度目の転職を決意します。

そして、2014年に外資系のモバイル通信会社へ転職をしました。そこでは部長職を務め、コーポレート全般、人事、労務、経理、広報などをプレイングマネジャーとして幅広く担当し、バリバリ働きました。

そんな中、入社3年目に子どもを授かり、育児休業を取得したんです。私としては「育児をしながらキャリアも積みたい」と、復職後も部長職を続けるつもりでした。なので、保育園の確保や夫・実家の協力などをとりつけて、産後6カ月ほどで復職したんです。

しかし、いざ復職してみたら「0歳の子を抱えていては大変でしょう」と部長職の任を解かれることになり、年収も大幅ダウン。与えられる仕事も裁量も減り、戦力外通告を受けたような気持ちになりました。30代後半、ここでキャリアを停滞させるわけにはいかないと、2度目の転職を決意することになります。

でも、0歳児を抱えた転職活動は思った以上に大変でした。面接ですごく話が弾んでも、子どもが0歳だと知ると急にトーンダウンしてしまうことが何度もありました。そんなときに出会ったのが、大丸松坂屋百貨店だったんです。

面接の際に、私が0歳児を抱えたママであることは一切ネガティブ要素にはなりませんでした。

「出張は月に1、2回くらいなら行ける?」「君の役目は残業なしでアウトプットをしっかり上げることだけど、できる?」など、“求める成果・働き方”についての質問が多く、最後は「もっと仕事したいんでしょ、当社でやればいいじゃない!」と、私の想いを受け止めてくれました。それがすごく嬉しかったんです。

「大丸松坂屋百貨店なら、ママでもちゃんと期待してもらえるし、任せてもらえる。子育てしながらでもキャリアを積ませてもらえる環境があるんだ」と入社を決めました。

働きやすさと、社員みんなが育んできた絆がここにある

▲JFRグループ各社の従業員から表明された優れたアイディアを表彰する「発明アワード」の運営メンバーとの一枚

2018年、私が大丸松坂屋百貨店に入社して配属されたのは、人事部でした。担当は新卒採用です。

仕事の中では学生さんと話す機会が多くあって、これまで経験してきた2社と比較しながら大丸松坂屋百貨店の良いところ、逆に少し改善が必要なところもニュートラルに話すことを心がけていました。すると、説得力が増したのか、学生さんもよく聞いてくれて。「共感してもらえた」という手ごたえを感じました。

複数の会社を見てきているからこそ、客観的に大丸松坂屋百貨店を分析して、学生さんが本当に知りたいことを伝えることができたのだと思います。

そんな第三者的な視点から見た大丸松坂屋百貨店の良いところは、社員が大丸・松坂屋のお店が大好きなところ、会社を愛してやまないところです。普段、同僚と話していても会社の悪口は聞いたことがありません。

大丸松坂屋百貨店に入社するまで、これほど会社のことが好きな人たちを見たことがなくて、その熱量に驚きました。これは単に、人事が組織活性化施策を打てばできる、ということではないと絶対に思うんです。

おそらく大丸松坂屋百貨店では、“会社=自分”という意識やDNAのようなものが、脈々と受け継がれてきている。そして、この部分が結果的に一番強い絆になっているのかなと思います。私はそこに大丸松坂屋百貨店だからこその「ものすごい強さ」を感じているんです。

また、大丸松坂屋百貨店は、非常に働きやすい制度が整っている会社だと思います。私の所属部署ではコアタイムのないスーパーフレックス制度が使えるんです。働くママにとってこの制度はとても強い味方です。たとえば、午前中の子どもの用事が急に長引いたとしても、コアタイムがないので、自由に仕事時間を組み立て直すことができます。

また、仕事の与えられ方に関しても「女性だから、ママだから」という配慮が、良い意味でありません。これは、ママになっても期待し続けてもらえている証だと思うんです。この風土は大切にし続けたいですね。

メンバーと同じゴールに進むプロセスが好き。全社員の活躍の場をつくりたい

私が仕事で「好きだな」と感じるのは、メンバーといろいろ話しながら、同じゴールに向けて進めることです。新卒採用を担当していたころも、採用チームみんなで学生さんに大丸松坂屋百貨店の魅力を伝え、想いをキャッチボールしながら採用活動を進めていることに楽しさを感じていました。

その経験が現在携わっているLGBTの施策にも重なって、メンバーとのやりとりを通して施策ができあがるプロセスがとても愛おしく思えています。

とはいえ施策立案を始めた当初は、世間的にもあまり理解が進んでいないLGBTについての認識がメンバーによって大きく異なり、LGBTのことをよく知らないメンバーにどうやって施策内容や必要性、意義を伝えられるかが大きな課題でした。

そこで考えたのが、各社へ提案するときの“初見”を大切にすることです。あえて前情報を入れずに案を見せることで、率直な意見や感想をもらいながら何度も企画をブラッシュアップしました。

2021年3月から無事に制度を開始することができたのは、様々な人の意見を取り入れながら改善を重ねてたどり着いた結果だと考えています。

また、女性活躍推進に取り組むうちに、自分の中のある想いに気づきました。それは「全ての社員が、好きなことや得意なことを活かして、定年を迎えるその日まで楽しくやりがいを持って仕事をしてほしい」という想いです。

たとえば、大丸松坂屋百貨店の40代から50代の女性社員の多くは販売のプロフェッショナルを目指すための教育を受けてきました。お客様のために努力し、その甲斐あって多くの方々に当社は今日までご愛顧いただいています。

その一方で、時代の変化に合わせ、当社を含めてJ.フロント リテイリンググループの事業はあらゆる領域に拡大しています。これに伴い、不動産・デジタル・新規事業・後方部門など、「販売のプロ」だけでなく、あらゆるプロが必要になってきているのです。

もちろん、これまで取り組んできた百貨店事業にも変化があり、たとえば「リアルとオンライン」を融合させるべくバーチャルショッピングを行うなど、「販売のプロ」のあり方もどんどん変わってきています。

大丸松坂屋百貨店にとって社員は全員「人財(会社の宝)」です。個々人の能力領域を広げてもらうことはもちろん必要ですが、たとえば「販売・接客が好き」というような社員それぞれの好きのエネルギーがさらに高まるような新しい職場・仕事を作りたいし、作らなければならないと考えています。

百貨店の新しい可能性を模索し続ける事と同時に、すべての社員が、「自分が想い描いた未来」を叶えることができる組織を目指して、全力で取り組んでいきたいと思っています。

株式会社大丸松坂屋百貨店

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