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迷った時はわくわくする方へ。元鉄道マンのデジタル変革への挑戦

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 栖関 邦明

栖関(すせき) 邦明は、鉄道業界でのキャリアを経て、2018年にNTTデータへ転職したエンジニア。現在は、鉄道・観光業のお客様向けの、最先端のデジタル案件を担当しています。自らの可能性を押し広げるため、社会人9年目で転職を決めた栖関。「新しいこと」へのチャレンジを楽しむその姿に迫ります。【talentbookで読む】

交通インフラを支える鉄道マンから、デジタル社会の担い手に

栖関 邦明がNTTデータにキャリア採用で入社したのは2018年。

それ以前は、新卒で入社した鉄道会社に8年ほど勤務し、運転業務や通信機器の技術管理、建設工事の現場管理といった幅広い業務を経験してきました。

鉄道という社会インフラを支える仕事に、大きなやりがいを感じていたという栖関。その一方で、経験を重ねる中で、その先の自身のキャリアを別の場所で切り拓いてみたいという想いが強くなっていったといいます。

栖関 「大学院で情報系を専攻し、技術的に最先端の領域に携われたらいいなという想いで鉄道会社に入社しました。しかし、なかなかチャンスがないまま入社後8年が経ち、『新しいことにチャレンジしたい』という想いが大きくなっていきました。

また、様々な業界の地殻変動が起きる中で、幅広いフィールドで通用する『ポータブルなスキルを身につけたい』という考えもあり、転職を決めました」

転職活動にあたっては、NTTデータで働く知人が複数名いたことから、社内の様子をヒアリング。その結果、「やりたいことにチャレンジしやすい」風土を感じ、NTTデータへの入社を決心しました。

栖関 「上司に自分の希望を伝えやすく、しかもそれを考慮してもらいやすいといった話や、手を挙げればまったく別の部署での仕事に挑戦するチャンスもあるという話を聞き、期待がふくらみました」

入社時の面接においても、デジタル技術を用いたプロジェクトへの興味を積極的にアピール。その熱意が通じたのか、配属先は、交通や観光業界のお客様を主なターゲットにデジタル案件を主導するチームに決定。

こうして、栖関の第2のキャリアは鉄道会社から一転、IT業界の中でもとりわけ先進的なフィールドで、幕を開けることになったのです。

「これからのモビリティサービス」を創造するMaaSプロジェクトに参画

最初に参画したのは、観光業が盛んな自治体からの依頼に基づくプロジェクト。BI(Business Intelligence:膨大なデータを収集・蓄積・分析・加工し、戦略立案のための意志決定を支援すること)ツールを使ったデータの分析と可視化に取り組みました。

そして、その数カ月後には、業界的にも極めて注目度の高い新プロジェクトに加わることになります。

そのプロジェクトは、大手鉄道事業者とともに実施した「交通系ICカードを利用したMaaSモデル構築のプロジェクト」です。

MaaSとは、“Mobility as a Service”の略称で、様々な形態の輸送サービスを統合し、単一のモビリティサービスとして提供することを表す概念です。2016年にフィンランドで世界初のMaaSアプリが登場して以来、欧州各国を中心に独自のサービスが続々と誕生し、急速に広がりを見せています。

栖関たちが進めたのは、交通系ICカードを使った認証により、鉄道と「デマンド交通」(乗りたい時に乗れる、かつ目的地への最適ルートを選択できるバス)、さらに商業施設との連携を可能にするMaaSモデルの構築。2019年11月と2020年1月の2回、実証実験を実施し、いずれも成果をあげました。

プロジェクト自体の話題性の高さもさることながら、栖関にとってはこれが初めての開発案件。システム開発の現場では、戸惑うこともありつつ、前職での経験が活きる場面もありました。

栖関 「業務で使う単語ひとつとっても、初めのうちは聞いたことのない言葉も多く、逐次調べたり質問したりしながらの対応でした。一方で、試験の際には特定の機能から始めて徐々に周辺機能と結合しながら行うなど、鉄道業界で携わっていた試験と考え方が通じる部分もあり、感覚は掴みやすかったです」

そして何より忘れがたいのは、実証試験が無事に完了した時に感じた手応えだといいます。

栖関 「無事に目的をクリアして、お客様に喜んでいただけた時の達成感は格別でしたね」

最先端のデジタルプロジェクトを経験して気づいた大切なこと

その後、栖関は新たに、MA(Marketing Automation:マーケティングの自動化)ツールを組み込んだアプリ開発のプロジェクトに参画。

プロジェクトが始動して間もなく、コロナ禍を背景にリモートワークへの移行を余儀なくされましたが、不都合や不安を感じる場面はさほどなかったといいます。

栖関 「毎日30分から1時間ほど、チーム全員が集まってオンラインで進捗共有する機会を設けていたので、コミュニケーションが希薄になることもなく、問題なく進めることができました」

一方で、アプリの実装と試験を並行して進めた2020年秋からの約3か月は、栖関にとって「開発の大変さ」をダイレクトに感じる期間になりました。

栖関 「複数のMAツールを組み合わせるなど新しい活用も含まれていたため、開発時に検証を実施し、サポートデスクに一つひとつ疑問をぶつけて、それを潰しながら進めていきました。同時に開発・試験計画も進行させていたので、毎日時間に追われていましたね」

困難なフェーズを無事にクリアし、2021年2月にはアプリのリリースに漕ぎ着けました。

栖関 「ダウンロードが開始された時の喜びは、やはり格別でした」

MaaSにMAツール。入社前の希望通り、デジタルの領域で新たなことに次々チャレンジしている栖関。いくつかのプロジェクトを経験する中で、重要なことに気が付いたといいます。

それは、最新のテクノロジーの活用は、単に技術的な可能・不可能といった観点とは別に、ユーザーにとっての「心地良さ」を考慮する必要があるということ。

栖関 「マーケティング用のアプリでは、ユーザーの位置情報等を元に各種のプッシュ通知を出したりしますが、あまり行き過ぎると『わずらわしい』という感覚を持たれかねません。ユーザーの心地良さに配慮したサービスの設計が必要だと感じています」

そうした複合的な視点を持ちながら、「お客様のビジネスの拡大」という最終的なゴールにいかに貢献するか。その“ゴール”を見誤らないようにすることを、自らに固く言い聞かせているといいます。

「やってみたい」が叶う環境だからこそ全力でチャレンジ

▲チャレンジを楽しみながら、お客様のビジネス拡大をめざす

「新たなことにチャレンジしたい」という欲求とは別に、自身の中長期的なキャリア形成も念頭に、NTTデータへの転職を決めた栖関。

現在は、自身の今後のキャリアについて明快な展望を持っています。

栖関 「MaaSのプロジェクトがそうだったように、鉄道業界のお客様は他の業界との連携のチャンスも多いですし、お客様自身が商業施設の運営機能を持っているところが少なくありません。鉄道業界プラスαの領域について、知見を広げていきたいと考えています。

また、自身のスキルとしてデータサイエンスのノウハウを身につけて、社内外で頼られる存在になっていきたいです」

こうした展望を描けるのも、入社前に聞いていた「やりたいことにチャレンジしやすい風土」を、身をもって実感しているからこそ。

栖関 「やりたいことや希望を発信すれば、チャンスが得られやすいというのは本当でした。それは、ありとあらゆる業界のお客様との接点があって、上司とも比較的フラットに会話がしやすい風土があるからこそなんだと感じています」

キャリアにおける岐路に立った時には迷いもあったといいますが、「新しいことにチャレンジしたい」という自分に正直な想いが、転職を決断する上で最後の一押しになったという栖関。

その直感が的中した今、チャレンジをめいっぱい楽しみながら、お客様のビジネス拡大というゴールに突き進みます。

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