プログラミング未経験、文系男子の挑戦!主体的な行動でキャリアを掴む
新型コロナウイルスによる小売市場の変化や、消費スタイルの多様化により年々拡大しているEC市場。よりいっそう需要の高まりが期待されるECビジネスをけん引している海野 北斗。プログラミング未経験ながら入社3年目でプロジェクトリーダーに抜擢された背景や原動力に迫る。【talentbookで読む】
お客様の感謝の声がダイレクトに届く現場
富士ソフトのネットビジネス部では、お客様が運営しているECサイトの開発・運用・保守に加え、サーバー構築や設定、サイト改善の企画立案や推進をしている。
海野 「私たちはサイトの開発・運用面はもちろんのこと、サービスの検討段階から打ち合わせに参加させていただくことで、構築アプローチや利用クラウドサービスの提案を行いビジネスに有効活用できるシステムを作り、お客様の発展に貢献できるよう心掛けています」
ECサイトを手掛けて20年の実績とノウハウ、Webサービス全般の知識を持つ富士ソフトだからこそできる強みだ。
海野 「直近で担当したプロジェクトは、マイクロサービス基盤の新規構築案件です。マイクロサービスとは、一つのアプリケーションを独立した細かなサービスと組み合わせて構成するものです。システム全体が大きな構成になるため全体像の把握が大変でした。
ビジネス的にも技術的にも全体を俯瞰して意思決定をする場面や、各マイクロサービスの適切な情報公開が大切になるため、詳細レベルの全体報告や他サービス担当チームへの技術的な横展開などに注力しました。その結果、従来のECサービスでは実現できなかったリソース負荷分散や高速なレスポンスが可能になり、ビジネスのパフォーマンスを向上させることができお客様に喜んでいただけました」
お客様からの感謝の声、相手を笑顔にできるということが、海野のやりがいになっている。
海野 「ショッピングサイトの運営は24時間、365日稼働しなくてはいけないので、遅延や障害の発生は絶対に許されません。そのため、お客様からの緊急連絡には何時でも即座に対応できる体制を整え、お客様の声にリアルタイムで対応しています。
時には大変なこともありますが、障害発生を未然に防いだことでお客様に感謝されたり安堵していただけたりしたときに、込み上げるものがあります。また、Webサービスを維持させるためにはどういう準備や開発が必要なのかを理解でき、私もチームメンバーも対応力が身につきました」
プロジェクトの成功、お客様との信頼関係、メンバーの成長などを通じ、仕事の醍醐味を噛みしめている。
目に見えない部分を仕事にしたい。プログラミング未経験からのスタート
大学では経済学を専攻していた海野だが、就職活動では業界を絞らず自分が何に興味を持っているのかを基準に会社を選んだ。
海野 「大学生の頃はアルバイト先のカフェで、後輩の指導を積極的に行っていました。しかし飲食業界や接客業に就きたいという想いはなく、何をやりたいのかを模索していました。そんな時、就活情報をスマートフォンで当たり前に検索できていることに興味が湧いたことをきっかけに、日常生活で目にすることがない裏側の仕組みに興味を持ち、Web系の業界でシステム関係の仕事に就きたいと思うようになりました」
プログラミング経験も情報システムの知識も一切なかったが、「新しく日々変化する技術に触れることが楽しそうだ」と直感的に感じた海野は、Webシステム以外にもさまざまな事業を展開している富士ソフトに魅力を感じ2016年に入社した。
海野 「入社して2カ月ほど技術的スキルを身につけるための研修がありました。実際に小さいシステムをつくったり、自分で構築してプログラミングをしてみたりすることができたので安心しました。
とはいえ、研修だけでは周りの仲間に追いつけないので、自主的に技術情報収集やコーディング実践を行いました。その甲斐あって、研修を終える頃には業務に必要なことは問題なく作業できるようになりました」
現場に配属された海野は、Webシステムの奥深さを目の当たりにした。
海野 「私はWebサイトの仕組みというと、Webシステムだけがあるようなイメージを持っていました。しかし、実際にはデバイス上のクライアント開発からサーバーサイドの開発まで幅広い領域の開発を行ったり、システム以外にもより良いビジネスを行うための仕組みがあったりすることを知り、Webサイトの奥深さに衝撃を受けました(笑)」
Webシステム以外にも多くの技術に触れられることに喜びを感じた海野は、積極的に技術の習得に励んだ。
海野 「現場ではJavaを使ってプログラミングをしていました。お客様から『この機能を直したい』というご要望をいただき、設計から結合テストするところまでを担当させてもらえたことで、知識やスキルの習得ができました」
自分なりに情報を収集して成果物をつくり上げることに慣れていった海野は、作業をする際に心掛けていることがある。
海野「自分で考えて分かる機能は、現在ある機能を参考にしながらつくっていき、分からない機能や技術に直面した時は、先輩や上司など詳しい人へすぐに聞くようにしています。正解が分かっていないことに対して、ネット検索などをして適当に思いついた知識を試すよりも、仕事の進め方が大幅に効率化されるからです。一方、同期や後輩が困っている時には積極的にアドバイスするようにしています」
こうした海野の主体的に業務に取り組む姿勢と、積極的にチームメンバーを助ける姿勢が評価され、入社3年目でプロジェクトリーダーに抜擢された。
「まずは調べて、やってみる」というマインドが成長の秘訣
入社3年目で25名のプロジェクトのプロジェクトリーダーに抜擢された海野。その時の気持ちをこう表現する。
海野 「富士ソフトが昔からお取引をしているお客様のショッピングサイトの新サービスをつくるという、重要なプロジェクトを任されました。正直、突然の大役に不安な気持ちが大きかったですが、任された以上は自分が成長する絶好のチャンスと捉え闘志を燃やしました」
初めてのプロジェクトリーダーということもあり、細かい部分の見落としがないか、自分の目で確認しながら慎重に作業を進めたと語る海野。 一方で、周りとの話し合いにも力を入れていった。
海野 「プロジェクトリーダーは、スケジュールの立案やチームメンバー個別の進捗管理、問題や課題の抽出と解決方法のアドバイスを行うなど、仕事内容が多岐にわたりました。私はメンバーとの積極的なコミュニケーションを心掛け、メンバーが仕事を進めやすい状況をつくり、期日までに工程を終わらせるためにどうすべきか、計画的に進められるかなどをよく話し合いました」
その結果、海野はプロジェクトでバグを発生させることも大きなトラブルもなく完遂することができた。
海野 「プロジェクト成功の背景には、蓄積された社内の技術ノウハウが横展開されていたことや、不足している知見を社内の有識者に聞いたり、リスク対策を行ったりできたことが大きいです。富士ソフトはチャンスを与える一方、バックアップ体制がしっかりしているので、若手社員でもいろいろなことに挑戦できる体制があることを実感しました」
大きな成果を残した海野だが、プロジェクトリーダーになっても変えない信念がある。
海野 「プロジェクトリーダーは、メンバーの進捗管理などをメインに行うイメージがありますが、実際にはお客様と話すことが多く、技術的な知識は開発担当者よりも必要になります。技術者としてのスキルを増やすために、『知らないことはまずは調べて、やってみる』という私の信念のもと研鑽し続けています。
たとえば初めて聞いたクラウドサービスがあったなら、まずは調べて、実際にユーザーとしてそのサービスを使ってみるんです。そうすることで新しい発見があり、知識も増えていきます」
「まずは調べて、やってみる」というマインドが海野を成長させ、成功へと導いている。
今やるべきことは本質を見抜く力を養うこと
2021年6月現在、入社6年目の海野。将来のビジョンをこのように描いている。
海野 「マネジメントスキルはまだまだ未熟なので、経験を重ねてスキルを伸ばしていきたいと思っています。また技術面では、Webサイトはユーザーのニーズやトレンドによって移り変わりが激しいため、常に新しい技術が出てきます。お客様が古い機能をリプレイスし、新しい技術を取り入れようという考え方を持っているため、積極的に新しい技術の習得に取り組んでいこうと思っています」
しかし、最新技術が「万能・最強」というわけではないことをお客様と仕事をする中で海野は学んだ。
海野 「いろいろな技術について現実的なメリット・デメリットを整理し、どのように活用したらお客様のビジネスに役立つのかという幅広い視野を持ち、最適な技術はなにかを判断することが技術者として求められます」
お客様の最終的な目標は「利益を生むこと」。そのために今後海野がやるべきこととは。
海野 「お客様に言われたことだけをするのではなく、広い考え方で『こういう技術を使えばコストの削減になるのでビジネスに役立ちますよ』、『これは可用性が高いので安全ですよ』などのビジネスにつながるような提案ができるようになりたいと思っています」
お客様が本当に求めていることに気付くために、海野は技術の本質を見抜く力を養い、情熱を持って突き進む。