誰もが笑顔になれる取り組みを求めて。企業と一次産業の架け橋になる | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

誰もが笑顔になれる取り組みを求めて。企業と一次産業の架け橋になる

▲JA援農支援隊としてミカン農家の作業をサポート

2014年、新卒で農林中央金庫に入庫した荘加 健登。会社が大好きで、仕事に誇りを持つ荘加は、法人RMとしてさまざまなプロジェクトに携わりながら、農林中央金庫の魅力を伝え続けています。日々邁進している荘加が思う、やりがい、そして今後仕掛けたい取り組みまでを熱く語ります。【talentbookで読む】

一次産業のさらなる活性化。そのために農林中央金庫にいる自分ができること

岐阜県で祖父が農業を営む家に生まれた荘加。残念ながら祖父の代で途絶え、農業の担い手がいなくなってしまいましたが、かねてからこの先の一次産業について大きな興味と課題感を持っていました。

荘加 「大学は経済学部出身、就職活動ではいろいろな業界の方と話をしてみたいという理由で金融業界を志望し、ご縁あって農林中央金庫に入庫しました。民間企業への融資だけでなく、一次産業向けの融資を持っている部分に興味を持ったのが大きな理由です」

入庫後は、関東業務部で神奈川県の漁業者向け融資業務を担当。続いて仙台に異動し、JAの企画業務に携わりました。

荘加 「農業には親しみがありましたが、漁業についてはまったく未知の世界だったので、大変勉強になりました。同時に、一次産業の伸びしろといいますか、これだけ意欲のある方がたくさんいるのだから、会社としてできることがさらにあるだろうと感じました。

次の異動先である仙台支店業務第二班では、JAバンク企画業務およびJA推進業務に携わりました。わかりやすく言うと、JAさんの金融部門のサポートです。漁業から農業へとフィールドは変わりましたが、自分の仕事がなんらかの形で一次産業を支えることにつながっているという点では、入庫以来大きな変化はなかったと感じています」

大きな転機となったのは、2020年。荘加は現在の名古屋支店に配属となりました。この異動の裏には、荘加の秘めたる想いと、会社の粋な計らいがあったのです。

荘加 「本音を言えば、せっかく農林中央金庫に入ったのだから、今までに経験したことのない規模の大きい企業融資を担当してみたいという思いがありました。ですが、入庫7年目で未経験の業務をやらせてほしいなんておこがましいとか、次の配属先では会社に恩返しをする意味でも着任後すぐにさらなる成果を出さなければならない、などと考えて異動希望にも書くことをためらっていました。

けれど、面談の際に人事の方が私の本音を引き出してくださったんです。『これまでの経験や価値といった事情抜きで、本当はどこに行きたいの?』と。そして、『荘加君の思い描くキャリアが実現できるよう、応援するよ』と言ってくださいました。

そこでようやく、今後の成長のために大企業融資にチャレンジしたいことを伝えられました。結果、本当に現在の部署に異動になったんです。大きなチャンスをいただき、会社、そして人事部の方には感謝しています」

小さなきっかけを育み、企業課題を解決する

▲支店内での業務風景

念願の企業向け融資を扱っている名古屋支店営業第一班に配属となった荘加。愛知県の大きな企業向け融資担当となりました。さらに2021年4月からは、静岡県の農業担当業務も行うように。純粋な融資の相談だけではなく、「企業が持つ課題に対し、一次産業を通じていかに解決するか」というチャレンジも行っています。

荘加 「一番印象に残っている事例は、大手レストランチェーンさんとの取り組みです。

きっかけは、カフェチェーンで出たコーヒーの豆かすを牛のエサにして、その牛から採れたミルクをカフェチェーンで使う……という循環システムのニュースを目にしたこと。世界的に注目されているSDGsの取り組みであり、一次産業と関わりの深い当庫としても気になるトピックでした。そこで、何かお手伝いができないかと、カフェチェーンの方に話を聞きに行ったのです。

ただ、そこでは既にシステムが確立していましたので、カフェチェーンの取り組みの技術監修をしていたメーカーの方に相談をしてみました」

その結果、とあるレストランチェーンが同じ取り組みを検討しているという。

荘加 「ただ、その取り組みをレストランでどう活かすかがネックになっていたんです。ミルクとして循環させる形であれば前例がありますが、オリジナルの案がないのかと」

メーカーの担当者と共に頭を悩ませながら、荘加は「ホワイトソース」というアイデアにたどり着きます。コーヒーの豆かすで育った牛のミルクを加工し、定番メニューであるドリアに活かすことができないかと考えたのです。

調査を進める中で、ホワイトソースを手掛ける企業が静岡県内にあることを突き止めた荘加は、オール静岡での取り組み実現を目指し、県内の酪農家やホワイトソースメーカーへの打診、調整を進めていきました。

荘加 「入念に準備を整え、ついにメーカーの方がレストランチェーンへとアイディアを提案する日がやってきました。そのとき、酪農家の紹介等、農林中央金庫が関わっていることを伝えてくださったんです。

レストランチェーンさんとしては、一次産業にアタックしたくてもコネクションがなく苦戦していたところだったらしく、本当にありがたいと感謝されました。その後、実際にお会いして、取り組みが実現し、最終的にはプレスリリースにも当庫の会社名を載せていただくことになりました。

一方、酪農家の方からもお礼を言っていただけました。新たな牛乳の販路を見い出すことができ、なおかつ誰もが知っているレストランチェーンで自分たちの牛乳が使われていることは、大きな喜びとやりがいにつながったと。

農林中央金庫だからこその強みが、うまく仕事に結びついたのだと感じて、とても嬉しかったです」

結びつくことで広がる可能性──ビジネスマッチングで社会課題を解決

▲チームメンバーとのMTG

前述の大手レストランチェーンでの成功を経て、さらなるチャレンジを続けている荘加。現在も10件近い案件を抱え、日々業務に邁進しています。

荘加 「たとえば、農林中央金庫は国産材の寄贈活動も行っています。地元の木材で作ったものを図書館などに寄贈しているのですが、最近はSDGsに関する意識が高い企業さんが多い。そこで、そういった企業さんと組んでPRをしていけば、もっともっと林業を活性化させられるのではないかと考えています。私が直接担当している分野ではないですが、支店の後輩と共にサポートさせてもらっている案件です。

実際にさまざまな企業の方から課題を伺っていると、やってみたいアイデアがある企業さんは多いのですが、一方で最初の費用負担がネックになっているケースも見受けられます。先ほどの地元木材を使うアイデアも、国産だとなかなかコスト面が合わず、一歩が踏み出せない企業さんも多い。では、どうしたらその点を解決できるのか、発想を多角的にしてアイデアを練り、仕掛けていくようにしています」

もうひとつ、新たなチャレンジのひとつが「障がい者雇用」についてです。

荘加 「障がいのある方が農業分野で活躍するケースは少なくありません。『農福連携』と呼ばれているのですが、その可能性を探っている最中です。民間企業では障がい者雇用が義務付けられていますが、企業もそこでさまざまな課題を抱えています。農業者と連携したスキーム構築ができれば、課題解決の一手になるのではないかと考えています」

当事者同士ではなかなか実現が難しい、企業と一次産業の架け橋となって日々動いている荘加。それらアイデアの源は、荘加の中での想像から始まります。

荘加 「いろいろなニュースを見て、『この取り組みはうちでもできるかもしれない』とか、『こんな悩みを企業さんは持っていそう。であれば、この業界とつなげることでメリットが出てくるのでは』とか、頭の中で常に想像してるんです。そのうえで、提案書を作成して様々な方と会話をしています。

農林中央金庫が企業と一次産業の繋がりを提供できるということはまだまだ認知されていないので、これからもどんどん発信していきたいです」

一次産業を盛り上げ、企業をも盛り上げる。みんなが笑顔になれる取り組みを

アグレッシブに、多くの出会いを創出してきた荘加ですが、そのスタイルを支えるのは農林中央金庫の風通しの良い風土であるといいます。

荘加 「私がいる部署が特にそうなのかもしれませんが、フラットな雰囲気で班や担当をまたいだ提案も積極的に受け入れてもらえます。また、短期的な利益だけでなく、長期的に見て会社としてのバリューが上がっていくかどうかという点も理解してくれるので、さまざまな提案ができる環境です。どんなチャレンジでも積極的に取り組める組織であるため、本当にやりがいを感じますし、頑張れます」

今後も、企業の課題を一次産業で解決に導くサポートをしていきたいと語る荘加。やはりそこでも、「Win-Winな関係」を大切にしたいと断言します。

荘加 「私たちがサポートすることで、結果的に、一次産業に携わる方たちの所得が上がったり、取り組みが多くの人の目に留まることを目標にしています。けれども、その取り組みを通じて企業さんの価値も向上する、みんなが笑顔になれる仕掛けこそ、私が成し遂げたいもの。

たとえば、一次産業者さんだけが良ければいい、というような取り組みでは、持続しないと思うんです。だからこそ、誰かがマイナスになっていないか、ネックとなっていることはなにかをしっかり見極めながら、みんながWin-Winになれるように努めていきたいと思っています」

自らの生い立ちを発端にして一次産業に興味を持ち、世界を広げてきた荘加。数々の出会いと、チャレンジングな姿勢が新たな出会いを引き寄せています。

荘加 「1カ店目で漁師の方に出会い、次にJAの方に出会って……農林中央金庫に入庫したからこその出会いがたくさんあり、今があります。そんな当庫で働けることを誇りに思っているので、当庫ができることや魅力を多くの人に知ってもらい、当庫のことをもっと好きになってもらえたら嬉しいですね。

また、やりたいことに取り組んでいく私の姿を知ってもらうことで、後輩たちにも当庫で働く魅力を伝えていきたいです」

農林中央金庫だから提供できること、一次産業と企業の双方にメリットを及ぼすビジネス形態を模索しながら、みんなが笑顔になれるように、今日も荘加は奮闘し続けます。

アーカイブ