トヨタだからこそ、できることがある。未来を切り拓くソフトウェアエンジニアの座談会 | キャリコネニュース
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トヨタだからこそ、できることがある。未来を切り拓くソフトウェアエンジニアの座談会

コネクティッドカーの進化に伴い、自動車のあらゆる部分においてデジタル化が進んでいる昨今。トヨタでも、ソフトウェアエンジニアが日々奮闘し、開発を行っています。しかし、トヨタと聞くと、従来のクルマのイメージが強く、ソフトウェアエンジニアとして働くイメージがわきにくいかもしれません。

そこで、トヨタでソフトウェアエンジニアとして働く若手社員3名による座談会を実施。実際どんなことに、どんな想いで取り組んでいるか語ってもらいました。【talentbookで読む】

【動画公開中】トヨタの「ソフトウェアエンジニア」ってどんな仕事?

※再生ボタンを押すと音が出ますのでご注意ください。

若手社員3名による座談会の様子を動画で観たい方は、ぜひYouTubeでご覧ください。

ここからは動画でお伝えしきれなかった内容も含め、対談の様子をお伝えします。

トヨタのクルマ開発では、ソフトウェアエンジニアの活躍機会が増加中

──まず、皆さんの所属名にもある「デジタルコクピット」について教えてください。

清野 光平(以下、清野):デジタルコクピットとは、運転席の横にあるタブレットのようなディスプレイによってさまざまな操作ができるものです。これまでのクルマではエアコンなどをスイッチやつまみのようなハードボタンで操作するのが一般的でしたが、デジタルコクピットではディスプレイ上で空調を変えたりナビゲーションを表示したりできます。

森下 真伍(以下、森下):運転者の前にある液晶画面には、何km走りましたというメーターが表示されます。そこも僕たちのメインプロダクトのひとつですね。

榊原 絵里華(以下、榊原):センターディスプレイとメーターを含めてコクピットと呼んでおり、私たちはセンターディスプレイの開発を担当しています。

──コクピットをデジタル化することで、どのような良いことがあるのでしょうか?

清野:ハードウェアは1回作れば終わりですが、ソフトウェアは継続的にアップデートを行ない改善していけるのが特徴です。逐一アップデートして、お客様の求めるUIを作っていけます。

森下:たとえば、空調の風向きを変える際に、従来のつまみではなく3Dの絵で操作できるとか、クルマに乗っているときに聴く音楽やラジオなども指先で直感的に操作できるとか。

そのほかにも、スマートフォンをつなげて音楽やラジオをストリーミング再生する、ディスプレイ上でその情報を表示するなどの技術をクルマでも使えるように、自分たちでシステムを作っています。

──今後はデジタルコクピット搭載のクルマが増えていくのでしょうか?

清野:これからどんどん増えてくると思います。デジタルコクピットだけでなく、クルマの開発でソフトウェアがカバーする領域はどんどん広がっていくため、トヨタでもソフトウェアエンジニアの活躍の場は拡大していく予定です。

なぜトヨタのソフトウェアエンジニアに?三者三様の入社理由

──清野さんは中途採用でトヨタに入社されたそうですが、なぜトヨタに転職したのか教えていただけますか?

清野:僕は新卒でスタートアップ企業に入社し、海外の音楽や映画などエンタメ系のコンテンツを扱うサービスを開発していました。サービスの企画からデザイン、開発にとどまらず、お金の計算や採用、契約書の作成など幅広い業務に携わっていたんです。サービスに関わること全般に携わってこられたのは、良い経験でしたね。

その後は転職して買い物系サービスのプロダクトマネジメントをしたり、新聞社でUI/UXの開発を進めながらプロジェクトマネジメントを行ったりしていました。

僕は会社そのものというより、自分が関わるプロダクトで転職先を選んできたんです。自分が開発したいと思えるプロダクトがあるかどうか、現状から改善できそうかという観点で決めていましたね。

今回トヨタに転職を決めたのは、クルマはもっと便利に改善できる余地があると感じたからです。日本の自動車業界の中でもトヨタはソフトウェアへかなり投資しているので、自分もクルマをデジタル化する未来を担いたいという気持ちが芽生えました。

──榊原さんも中途入社とのことですが、トヨタに転職した理由はどのようなものでしたか?

榊原:私は新卒でメーカー系のソフトウェア会社に入社し、BtoB向けのWebアプリケーションを開発していました。ただ、人生は長いので1回以上は転職しようと決めていたんです。7年間同じ会社に勤め、30歳手前でちょうどいい頃合いかと思い、転職先を探しました。

前職では一貫して同じプロダクトの開発を担当していました。そのプロダクトの改変が多々あったので、技術的には興味を持って開発を進められましたが、もっと刺激がほしいと考えたんです。

トヨタは身近な人から、世界各国の人まで誰でも知っているようなプロダクトを扱っています。やりがいを持ってモチベーション高く働けそうだと思い、転職を決めました。

──森下さんは新卒でトヨタに入社されていますが、もともとクルマがお好きだったのでしょうか?

森下:そうですね。ただし、就職活動で最初から自動車メーカーを狙っていたわけではありませんでした。

僕は大学院でプログラムの勉強を進め、数値解析をしていたので、その延長でシステム開発やWeb系の企業も就職先の候補として入れていたんです。ただし、世界中の人に届けられるようなグローバルなプロダクトの開発に携わりたいという想いもずっと持っていました。

そして、さまざまな業界や企業を調べる中で、当時海外のクルマにはデジタルコクピットがすでに当たり前のように搭載されていると知ったんです。それを見て、自分はこの分野なら興味を持って開発を進められそうだと感じました。そしてトヨタに入社し、まさに今希望どおりの部署で仕事ができていますね。

グローバルに働ける環境で、熱量高く開発を進められるのが魅力

──皆さんそれぞれ想いを持ってトヨタに入社されていますが、実際に入社してみて前職やご自身が抱いていたイメージとの違いを感じた部分はありますか?

清野:トヨタは全世界に向けてプロダクトを作っているので、北米やEUをはじめとして、26カ国に拠点があります。海外の方々とも共同してプロジェクトを進めていくのが、前職との違いを一番感じた部分ですね。

海外の方と一緒に開発を進めるのははじめてですが、楽しんでいます。僕らだけでは気づかず、英語圏の方だからこそ気づく部分もあっておもしろいですね。

森下:僕も海外の方と一緒にプロダクトを作っていくのは楽しいと思っていて、それがこのプロジェクトの魅力のひとつだと感じます。今一番やりとりすることが多いのは、北米のチームです。

北米と日本では、デザインの観点が違うんですよね。北米チームが提案してくるデザインは、金属っぽいスタイリッシュなものです。立体感があり、近未来のような印象を受けますね。一方、日本はアニメ文化があるからか、丸っこくて平面的でポップなデザインが提案されます。

タイプの異なるデザインが提案されるため、北米と日本で議論してデザインを決定していくプロセスがあります。それぞれ違う文化や想いを持ってデザインを出しているので、議論はかなり白熱しますね。

清野:そのプロダクトを通して世の中に届けたいメッセージのすり合わせはできているんですが、機能に落とし込んだときにどのようなことを実現したいかという部分で議論することがありますよね。

森下:ただし、議論している間もいがみ合うわけではなく、お互いに良い関係を築きながら意見を交わしています。直接チームで会議をしたり、メッセージを送り合ったりしていますね。

──榊原さんは、トヨタの職場環境についてどんな風に感じますか?

榊原:トヨタには男女差がなく働きやすさに配慮してもらえる職場環境があり、それが嬉しく思います。ソフトウェアエンジニアは男性が多く、実際サブチームのメンバーは20名ほどいますが女性は私1人です。それでも仕事の機会が失われることはなく、必要以上に気を遣われることもありません。

むしろ、チームの男性メンバーが家族のために早く帰ったり休みを取ったりしているので、私もそれにならいやすく、働きやすいと思います。また現在は、在宅と出社のハイブリッドのような形で、必要に応じて働く場所を選択しています。

──皆さんから見た、トヨタの良いところを教えてください。

榊原:トヨタの社員は、皆すごく人がいいと思います。相談したときに忙しくても時間を取ってすごく真剣に応えてくれるなど、協力しようという想いがあると感じますね。プロダクトのことをしっかり考えている人が多いのは、刺激的で良いなと思います。

森下:トヨタの社員は、皆一所懸命ですよね。ひとつの機能を決めるだけでも考えるべき観点がいくつもあり大変なことがありますが、皆で頑張って困難を乗り越えようという雰囲気があります。

榊原:もともとクルマがすごく好きな人が集まっているというのもあり、熱量がすごいです。私は入社当初はクルマに対する想いがそこまで強くありませんでしたが、影響を受けてしまうくらい熱い想いが伝わってきますね。

パイオニア意識を持ち、周りを巻き込みながら問題解決に取り組むことが大切

──トヨタでソフトウェアエンジニアとして働くために求められる能力は、どのようなものでしょうか?

清野:デジタルコクピットのソフト開発は、内製化を進めてまだ日が浅い割にプロジェクトの規模が大きいので、予期せぬことが起こります。UXやプロセスなどのほか、実装に関わる内部的なことなど、さまざまな問題に直面します。そういったことに対して、解決するための筋道を立てて自分で解決しようとする人が、トヨタのソフトウェア開発にフィットするんじゃないかと僕は思います。

森下:そうですよね。新しいものを作っているので前代未聞の事象も出てきますが、それを自分の手で解決したいというパイオニア意識が必要だと思います。また、自分に知識や技術がなくても、この問題解決を通して知っていこうという気持ちで挑むのが大切ですね。

榊原:そこは先代のものを大事にしていく文化が強い企業と、トヨタが違うと感じたところですね。技術も仕事の進め方も新しいことが多く、それをたくさんいるメンバーで取り組んでいこうとするとどうしても混沌としてしまいます。

だからこそ、メンバー全員が自ら発言して複雑な事象を整えていく働きかけが必要だと、転職してきて思いました。

──自ら率先して問題を解決していこうという意識が必要なんですね。他にトヨタのソフトウェアエンジニアとして働く上で必要な能力はありますか?

森下:自分で問題を解決するために、周りを巻き込む力は必要だと思います。

清野:そうですね。自分だけで完結する問題はほとんどなく、他のチームの人も関係してきます。だからこそ、周りの人を説得して進める必要がありますね。

森下:私はまだ若手の部類ですが、年次が下の社員が働きかけても皆協力的に動いてくれます。年次が上のすごい技術力を持った方を巻き込んで、課題解決することもありますね。

中途入社のメンバーが大半を占めていることもあり、仕事をする上で、年次はあまり意識しません。大手企業でよく聞かれる「3年目までは見習い期間」のような意識もなくて、実際に僕もかなり大きな裁量権を持っています。

榊原:確かにトヨタは1?3年目の若手社員の勢いがすごくて、それは森下さんが体現していると思います。社内で使用しているチャットツールでもかなり積極的に発言してくれるので、ありがたいですね。

清野:年次を気にせず仕事ができたり、チャットのコメントにスタンプがたくさん押されたりするのは、海外メンバーと一緒に開発を進めているカルチャーも影響しているかもしれませんね。フラットに楽しく仕事ができています。

クルマのソフトウェア開発では、時代に合わせて刷新するチャンスもある

──トヨタのデジタルコクピットソフト開発で実現したいことはありますか?

森下:僕は今までクルマに備わっていた機能を、どんどん削ぎ落としても良いと思っています。『昔からあるからこの機能は必要だね』と盛り込んでいくと、時代にそぐわない機能がどんどん乗っていきます。

前提を疑い、これから本当に必要なのかよく考えたいです。デジタルコクピットのソフト開発では、時代に合わせて刷新していく勢いをつけたいと思っています。

清野:トヨタでは若手の斬新な意見も多く取り入れられますが、踏襲の文化がまったくないわけではありません。すでにある機能を捨てるのはとても難しいですが、長期的な視点に立つとどこかで不要なものを捨てなければ、どんどん機能が増えて、お客様にとっても使いにくいものになってしまいます。

開発をスムーズに進めるためにも、お客様の使いやすさを高めるためにも、デジタルコクピットはスリムにしていきたいですね。いずれスマホと同じ感覚で扱えるくらい、皆に便利に使ってもらえるものができたらと思いますね。

榊原:自分でできる範囲を超えてしまいますが、デジタルコクピットというよりは車室空間全体がデジタルになり、もっと充実した時間を過ごせるようになるといいなという想いがあります。“未来のクルマ”のようなものが実現できればいいですね。

森下:僕個人としては、今海外のエンジニアとも一緒に開発を進めていますが、僕自身も海外のチームに入ってエンジニアリングをしていきたいと思っています。トヨタでは海外で活躍する機会も得られるので、それが直近の目標ですね。

これからは、グローバルなメンバーで開発する場面がさらに増えてくると思います。その中で自分が自信を持ち、エンジニアとして地に足をつけて開発できるように成長していきたいですね。

──トヨタでソフトウェアエンジニアとして働く楽しさややりがいがよくわかりました。皆様、本日はありがとうございました。

本記事は動画でも配信中です。下記からもご覧いただけますので、ぜひ動画でもお楽しみください。

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