ダイバーシティは、互いを想い合える環境づくりから。特例子会社での新たな挑戦 | キャリコネニュース
おかげさまで10周年 メルマガ読者数
65万人以上!

ダイバーシティは、互いを想い合える環境づくりから。特例子会社での新たな挑戦

▲普段は「印刷業務」を担当するチームのリーダーを務める小泉

大和ライフネクストの特例子会社である大和ライフプラスで働く小泉 美和子。印刷チームのリーダーを務めるかたわら、障がいのあるメンバーが働きやすい職場環境を作るためにさまざまなアイデアを出し続ける彼女に迫ります。【talentbookで読む】

限られた時間の中で、社内報のオーディオブック化に挑戦

大和ライフプラスは、障がい者雇用の一層の安定および、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの就業環境を叶えるため、2011年2月に大和ライフネクストの特例子会社として設立されました。

主な事業内容は、あらゆる書類を電子データへと変換する「電子化業務」、アンケートなどの入力・集計を行う「入力業務」、そして印刷から加工、発送までをワンストップで行う「印刷業務」です。

小泉は「印刷業務」を行うチームのリーダーとして日々の業務に勤しむかたわら、もう一つのミッションを持っています。それは、「さまざまなバックグラウンドを持ったメンバーが働きやすい職場環境」をつくることです。

小泉 「大和ライフネクストの全社員に配られる社内報ですが、私たちの仲間の中には視覚に障がいを持っている人もいて、彼ら、彼女らにも内容を伝えなければいけない。そこで4月から取り組みを始めたのが、社内報の“オーディオブック化”です」

何名かで手分けをして、社内報に書かれた文章を読み上げ、それを録音し、配信する。やり方はいたってシンプルですが、長い文章を目の前にいない相手に読み聞かせることはメンバー全員にとって初めてのことであり、最初は苦戦したと言います。

小泉 「今音声化に挑戦しているのが、社内報の中でも特に重要度が高いトップメッセージ(社長の言葉)の部分です。私たちはプロではないので、読み上げる前には事前に記事を読み込む必要があったりと、準備にも時間がかかってしまいます。実際の録音作業では読み間違えてしまったり、途中で噛んでしまったりすることも、もちろんあります。

ただ、質ばかりにこだわってしまうと、情報伝達のスピードが落ちるだけでなくほかの業務にも支障が出てしまうので、“今日の録音作業は1時間だけ”といったようにあらかじめスケジュールを立てて進めることで、それぞれの担当業務との両立を図るようにしています」

「社会貢献」をするために選んだセカンドキャリア

韓国企業の商社で20年以上のキャリアを持つ小泉。民生委員としてボランティア活動に携わる母親から影響を受け、「社会貢献につながる仕事がしたい」と考えるようになり、大和ライフプラスと出会いました。

小泉 「まずは誰かの役に立てる資格を取るところから始めようと思って、試験のタイミングがちょうどよかった介護福祉士や宅地建物取引士の勉強から始めたんです。資格試験の勉強で身につけた建物関連の知識もせっかくなら活かしてみたい、でも社会貢献もしたい。この両方を叶えてくれる会社が、特例子会社の大和ライフプラスでした」

2020年の4月に入社した小泉は、これまでに「電子化業務」や「印刷業務」を担当してきました。

小泉 「最初に配属された電子化チームでの仕事は事務作業が主でした。入社した時期がコロナ禍だったこともあり、リモートワーク推進の流れがある中で“資料を電子データ化したい”というご要望が多く寄せられ、ありがたいことにたくさんお仕事をもらいました。

一方で、今の印刷チームでやっているのはどちらかというと職人の仕事。チラシの印刷から発送までを行うワンストップサービスや、個人情報の照合作業など業務も多岐にわたり、また違ったおもしろさがあります」

また、大和ライフプラスの業務で扱う資料やデータの題材は建物に関連したものが多く、勉強した知識が活かせていると、小泉は話します。

小泉 「どの業務にも共通していえることは、高い正確性が求められる仕事だということ。だからこそ、業務ごとに細やかな作業分担をすることが大切ですし、私たちの会社の強みである“一人ひとりに合わせた働き方”を、それぞれのチームで叶えていく必要があります」

コロナ禍でも社内交流の機会を創出したい──「図書委員会」の狙いとは

▲「図書委員会」のメンバーが社内報のオーディオブックを作るために録音作業をする様子

小泉は2021年8月に「図書委員会」を立ち上げました。本記事の冒頭で触れた社内報の朗読も、この図書委員会が活動の一環として行っているものです。主な活動は、会社の休憩スペースに設置した本の貸し出しコーナー「プラス文庫」の運営です。

小泉 「コロナ禍で社内イベントが中止となるなど、社員同士の交流の機会は減り、休憩スペースではそれぞれが自身の携帯電話の画面を見つめるばかり。チームワークと助け合いが最も大切とされる職場であるのに、その光景を見たときはとてもショックでした。

コロナ禍であっても実現可能で、かつ、社内コミュニケーションを自然に生み出せるものを考えたときに、思いついたのがこの図書委員会なんです」

本は社内からの寄贈で集め、2022年10月現在では小説からノウハウ本まで約150冊、さまざまな種類が揃っています。本は、会社の休憩スペースで読むのはもちろん、「図書委員会」が作成し設置している管理表に記入すれば、自宅に持ち帰ってゆっくりと楽しむこともできます。

小泉 「図書委員会のメンバーは私を含めて4名で、それぞれの担当業務と並行してこの活動に取り組んでいます。新しい本が入ったときに、その本の紹介を集会や事務所のデジタルサイネージで行ったり、おすすめの本を紹介するポップを作成したり、定期的に本を並び替えてみたり……。

リピーターが多いので、まずは手に取ってもらうきっかけを作ろうと、メンバーそれぞれで意見を出し合い、工夫しています。その甲斐もあってか、今では読んだ本の感想をシェアしたり、おすすめの本を紹介したりしてコミュニケーションを取っている様子を、日常的に見かけるようになりました」

目指すは「朝起きたときに行きたくなる会社」──大和ライフプラスの魅力とは

▲「図書委員会」メンバーらと意見を出し合いながら、アイデアを具現化していく

入社してからの3年間、精力的にさまざまなアイデアを提案し、実行に移してきた小泉。彼女の今後の目標について聞きました。

小泉 「今年はチームで目標に掲げている言葉があります。それは“朝起きたときに行きたくなる会社”になることです。障がいを持っているなど、何らかの働きづらい事情を抱えていることがありますが、私たちの職場は誰か急に休んでも、誰も嫌な顔をしないんです。

業務内容は作業ごとに細かく分かれていて、進捗は事務所の壁一面に設置された大きなホワイトボードで日々細かく共有している。だからこそ、空いた穴を埋めることは特別なことではなく、誰でも当たり前にできるんです」

大和ライフプラスでは、チームを組み、複数業務を複数名で対応する「ワークシェア体制」が社内で浸透しています。具体的には、仕事を工程ごとに分け、複数名で担当する仕組みのことで、それぞれが自分の得意分野で能力を発揮しやすい環境を整えています。

小泉 「データ入力や電子化、印刷など、私たちが手掛けている事業はどれもミスが許されないものばかり。私たちはそれらの仕事のプロとしての誇りを持ち、互いの多様性を認め合い、助け合い、働いています。チームでの仕事が基本となるので、一つの仕事をみんなでやり遂げたときの達成感は、とても大きいです」

最後に、今後の目標について尋ねました。

小泉 「大和ライフプラスは2022年3月、川崎市に新しいオフィスをオープンしました。私たちのいる晴海本社との連携方法は新たに検討する必要があります。また、会社の全体集会をライブ配信で行う際に、聴覚や視覚に障がいがあってもリアルタイムで情報を共有するためにはどうすればよいかなど、取り組むべき課題はまだまだたくさんあります。これらをクリアすることが今の目標です」

“朝起きたときに行きたくなる会社”の実現を目指し、職場環境の向上を絶えず追求し続ける小泉。今後も彼女のさまざまな取り組みが、大和ライフプラスをさらに魅力的な職場にしていくことでしょう。

大和ライフネクスト株式会社

この会社にアクションする

アーカイブ