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製造現場で培った知識と肌感覚が強み。相手目線に立った課題解決を追求する営業の信念

▲学生時代の旅行中の様子。中国 西城門の前で

工作機事業部に所属する内田 康平。工作機械の営業や設備のエンジニアリング対応などに携わっています。「お客様が希望する仕様を理解し適切な提案をするためには、製造工程や製品に関する知識が不可欠」と語る内田。これまでのキャリアを振り返りながら、ものづくりにかける想い、仕事の醍醐味について語ります。【talentbookで読む】

留学先で日本のものづくりの強みを再認識。幅広い事業展開に魅力を感じ、不二越へ

学生時代は愛知県内の私立大学に通っていた内田。留学を経験し、海外の事情を目の当たりにしたことが、その後のキャリアに大きな影響を与えました。

内田 「現代中国学部というところに所属し、中国語の勉強と並行して、現代中国の政治や経済、歴史、文化なども総合的に学びました。学部には現場で学ぶことを重視する方針があり、在学中に何度か留学を経験しています。

留学先でとても印象的だったのが、海外の国々で日本製品が広く使われていること。そんな現実を目にするうち、ものづくりに興味をもつようになっていきました」

就職活動中は製造業を中心に見ていたという内田。海外にも拠点があるなど、中国語のスキルが活かせるような企業を探していて、不二越と出会います。入社の決め手となったのは、経営基盤でした。

内田 「材料から部品、工作機、設備関係まで、不二越は実に幅広い事業に携わっていて、各事業部がそれぞれ業界内で高いシェアを誇っています。揺るぎない基盤に魅力を感じ、入社を決めました」

入社して最初の所属先となったのは、工作機事業部。他社には作ることができないニッチな工作機械を手がけているといいます。

内田 「工作機械とは、金属などを切断したり研削したりする機械のこと。ものづくりの元となる機械であることから、マザーマシンとも呼ばれています。

たとえば、航空機エンジンの部品のひとつであるタービンディスクや、古鉄を再利用するための電気炉で使用される炭素電極棒を加工するための機械など、規模が大きいものが多く、後者については小さな工場の1面分くらいの大きさがあります。

また、不二越の工作機械はすべて完全受注生産。お客様が希望する仕様に合ったものを提案できるため、加工時間が短くて済むなど、高い性能が自慢です。特定の業種に圧倒的な強みがあると自負しています」

材料から設備まで、生産の過程すべてに関わるのも不二越の特徴だという内田。

内田 「工場を建てる、新規ラインを構築する際、一貫して提案することができるのも不二越ならでは。また、加工などの面で難しい局面に遭遇しても、材料の選別から洗い直すなど、さまざまなアプローチできるのも、他社にはない点だと思います」

現場で養った肌感覚。製造部門の経験が営業にとしての下地づくりに

入社後は、営業企画課に配属された内田。研修というかたちでさまざまな部署を渡り歩きながら業務フローについて学んでいったと言います。

内田 「短いところで1週間、長い場合は1カ月ぐらいかけて工作機製造部部門内の各部署を回っていきました。その日に学んだことを毎日レポートにまとめて、週に1回、上長に報告します。ものづくりのなんたるかを実地で知る期間ですね」

また、海外留学に参加したり、ネイティブ講師による週2回の英会話レッスンを受講したりと、1年目から語学に触れる機会が多かったと振り返ります。

内田 「不二越では、海外事業拡大の方針のもと、英語教育に力を入れていて、TOEICで500点以上のスコアがないと、評価の査定に影響してしまうんです。入社時、私の成績は同期の中でも最低水準でしたが、手厚い支援のおかげで、目標だった500点をクリアすることができました。いまでも、1回あたり30分程度、オンラインでマンツーマンの英会話レッスンを定期的に受けています。

大規模な展示会に英語通訳として同行したこともありますし、お客様が設備導入に先んじて社内でテストを実施する際、海外拠点の責任者を務める外国人を相手に、機械について英語で説明したこともありました。英語を使う機会に恵まれているので、とくに海外志向がある方は有意義な経験ができると思います」

約3年にわたって製造部門を経験した内田。もっとも学びになったと話すのが、製造計画を立てることでした。

内田 「調達課に対して部品の納入依頼を出す際、納期から逆算してタスクをスケジュールに落とし込んでいくのですが、これが一筋縄でいかなくて。部品をすべて社内で作る場合もあれば、一部を協力会社さんに組んでもらう場合もあります。そうした複雑な事情や流れを見通せないまま一律で処理してしまうと、納品が間に合わなくなることがあるんです」

とあるお客様の改造工事を担当した際には、こんなことも。

内田 「機械の一部を改造するための部品を用意しようとしたのですが、どうしてもスケジュールを合わせることができず、手配が間に合わなかったんです。急遽、研修時に知り合った各部署の方たちに対応をお願いしたところ、皆さんのおかげでことなきを得ました。結果的に、設計から製造、製作、調達までをミニマムな日程で実現できたことは、とても良い経験になったと思います」

トラブルの際は、先輩や上司に助けられる場面も多かったという内田。

内田 「問題が起きて相談すると、先輩や上司がすぐに助けてくれました。やるべきことを筋道立てて教えてくれたり、自分には対応が難しいと判断される場合は先輩が各部署に連絡を入れてくれたり。何かにつけフォローしてもらいました」

入社するまで機械に触れることさえなかったという内田。製造現場を経験したことが、営業としてキャリアを積む上で得がたい糧になったと話します。

内田 「営業担当は、お客様の要望を正確に理解しなくてはいけませんし、そもそも製品について知らなければ、お客様と対等に会話することすらできません。将来、営業として自分が売ることになる機械がどんな動きをして、またどの仕様であれば価格がいくらほどで、作るのにどのぐらい時間がかかるのか……。製造の現場を経験することで、そうした肌感覚が養われていったと思います」

約3年の下積みを経て営業職に。工作機械の営業や設備のエンジニアリングに対応

製造現場での経験を経て、いよいよ営業へと異動する日がやってきた内田。後ろ髪を引かれる思いで製造の現場を離れたと言います。

内田 「実際に製造現場を経験してみると学ぶことばかりで、まだまだここで勉強していたいという想いもありましたね。とはいえ、西日本支社での配属が決まっていので、名残惜しみつつも富山工場を離れました」

支社に着任後は、営業の先輩社員や営業技術に同行して業務フローを学んでいった内田。

2022年10月現在は、既存・新規営業を担当しています。

内田 「すでに当社の機械を入れてくださっているお客様に対して、新規設備や改造工事、消耗部品などの交換の提案や見積もりなどをしています。それと並行して、新規のお客様を開拓することも営業の大切な仕事です」

営業は内田が入社当時から希望していた職種。仕事の醍醐味についてこう話します。

内田 「工作機は1台で何千万円もする高価な機械。ひとつ受注することができれば、大きな達成感があります。反面、当月の売上が受注計画通りにいかないと、なかなかリカバリーが難しい。それがこの仕事のおもしろい点であり、大変なところでもありますね」

営業担当となって約1年半。製造現場での経験が活きていると感じることが多いと言います。

内田 「不具合について相談を受けた場合でも、その場で特定の部品交換を提案し、価格や納期について概算し即答することができるんです。何か聞かれるたびに、『ちょっと確認します』と返す営業職はなかなか信頼してもらえないもの。

まだまだ足りないと思うことも多いのですが、製造現場を経てお客様の要望を聞き取り理解する力と、提案する力が身につけられたことはとても大きかったと感じています」

いずれ海外で活躍するための地固めを。相手に寄り添える営業を目指して

営業として、内田が大切にしているのは、相手の立場になって考えること。

内田 「お客様が何を求めているのかによって、提案の仕方が変わってくると思うんです。たとえば、経営者の方が相手であれば、設備導入によって作業量が削減されて必要な人員が減り、コストダウンにつながるとの提案が有効かもしれません。

一方、それと同じ話を、たとえば製造部長にすれば、『うちの部署の社員を減らそうというのか』と反感を買うこともあるでしょう。同じ製品を扱うにしても、相手の気持ち、相手の立場になって考えアプローチすることの大切さを痛感しています」

そう話す内田の今の目標は、営業として独り立ちすること。次のように続けます。

内田 「まだまだ営業としては未熟。年次を重ね、経験値をどんどん積んでいきたいですね。1日でも早く上長の手を離れ、自分ひとりに案件を任せてもらえるような存在になりたいと思っています。

そのためには、相手の目線に立って最適な提案をできるようになることが欠かせません。製造現場で培った知識や肌感覚にさらに磨きをかけ、お客様にどこまでも寄り添えるような営業になれればいいですね」

海外営業として活躍する夢をかなえるため、まずは国内で通用する営業力を身につけようと奮闘してきた内田。これからも挑戦は続きます。世界中のひとりでも多くのお客様に、日本の、不二越のものづくりの魅力を伝えるために。

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