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5社目の転職先に選んだのは日立。DXを通じた社会イノベーションに取り組んでいく

DXを加速させるデジタル事業として株式会社日立製作所が注力する「Lumada(ルマーダ)」。2021年4月、Lumada事業の拡大を担うアプリケーションサービス事業部Lumadaソリューション推進本部にジョインした唐津屋 和喜は、SEとして幅広い経験を積んできました。そんな彼が見出した働きがいや展望について語ります。【talentbookで読む】

サービス開発の上流から下流までを経験。広いナレッジを生かせる環境を求めて

唐津屋 「最初の転職は、SEとして尖ったものを持ちたいという想いからでした。理数系の大学を経て一部上場企業で新卒として働いていたのですが、なかなかシステム開発に携わることができず焦りを感じていたんです」

日立製作所(以下、日立)に入社するまでに4つの企業で働いてきた唐津屋。転職の背景には、自身の強みをいかに高めるか、経験の幅をいかに広げるかというキャリア志向がありました。

2社目にはIT系の中小企業を選択し、開発・設計のイロハを学ぶとともに、プログラミング言語のJavaを習得しました。

唐津屋 「3社目に選んだのは外資系のコンサルティング会社。一次受け開発をメインとするため、クライアントと直にやり取りして、ビジネスが作られていく様を間近で経験することができました。次第にサービスそのものを生み出すことへの好奇心が募って、事業会社で働いてみたいと思うようになったんです」

そうして4社目に選んだのが証券会社でした。世の中では、AIの活用やDXが叫ばれるようになっていて、いち証券会社でも斬新なプロジェクトに携わることができました。

唐津屋 「お客さまのニーズに応えることはもちろん、最先端の技術を積極的に導入して、お客さまが想像していないプラスアルファの価値提供をしていこうという雰囲気がありました。何もないところからスタートして、お客さまも自分も新しい気づきが得られるようなサービスを作り出すことがおもしろかったですね。SEとしてのマインドセットが大きく変わりました」

サービス開発に携わる醍醐味を新たにした唐津屋は、自身が培ってきた経験をより大きなプロジェクトで生かしたいと思うようになります。

唐津屋 「振り返ると開発の最上流から最下流まで携わってきました。中小企業だったり外資だったりと働く環境も異なります。この幅広い経験こそ自分の強みだと思い至ったとき、業界を限定することなく、社会全般に自分の価値を提供できるフィールドに挑戦したいと考えたんです。

大きなプロジェクトに携われるネームバリューや実績があることと、過去に協業した日立の子会社のチームワークの良さが印象的だったことが、日立への転職を決めた理由ですね」

複雑な課題解決にこそ真価を発揮する「Lumada」とは

日立へ転職した唐津屋は、アプリケーションサービス事業部 Lumadaソリューション推進本部のサービス事業推進部に配属されます。

「Lumada(ルマーダ)」とは、illuminate(照らす)とdata(データ)を組み合わせた日立独自の造語です。お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーの総称として使われています。

唐津屋は、「Lumada」の事例創出に向けたプロジェクトマネージャーを務めており、プログラミングから提案営業まで幅広く担当。とくに「感性分析サービス」を用いたプロジェクトに従事しています。

唐津屋 「このサービスは、SNSや口コミサイトなどソーシャルメディアの情報や、テレビ・新聞などのマスメディア、コールセンターの会話記録などから、企業や商品に対するユーザーの“声”、“感情”、“価値観”を高精度に可視化します。

感性分析サービス以外にも、ブロックチェーンのシステム開発や幅広い業種でのリアルタイム検知活用プロジェクト、地域創生で住民の声を役立たせる行政の施策など、さまざまなプロジェクトを推進中です」

ひとつのソリューションとして完成している「感性分析サービス」を、Lumadaの枠組みで取り扱うのには、ある理由があります。

唐津屋 「消費者ニーズや社会課題も複雑化していて、ひとつのソリューションでは解決できない課題も多いんです。感性分析で可視化したユーザーのインサイトを、お客さまの課題解決につなげるためには、さらに他のサービスやソリューションとの組み合わせが必要となります。

ブロックチェーンによるデータ管理を組み合わせたり、手書き文字などをテキストデータ化するOCRと組み合わせたりと、複合的なソリューションにすることで新しい価値提供をめざす──『Lumada』には、日立の個々のソリューションを統合するハブやプラットフォームとしての側面があるのです。お客さまの声を参考にしながら、ソリューションの組み合わせを考え、ダイナミックにプロジェクトを動かしていける点に強みを感じますね」

キャリア採用の視点から見る、成長環境と会社の伸びしろ

唐津屋 「日立に入ってまず感じたのは、やはり大企業ならではのやりがいがあるということ。国や大手企業の案件も多く、業界のトップの方々と議論ができる状況に対し、やりたいことができているという実感があります」

自身の選択の正しさを感じつつ、意外な発見もありました。

唐津屋 「実は入社以前、『大企業だからフットワークが重いのではないか』と思っていたんです。もちろん稟議やセキュリティに対して厳しい面もありますが、社員みんなが協力的だからこそ、さまざまなフローが「お願いします!」の一言でどんどんと進んでいきます。上層部との距離も意外に近く、提案もしやすいと感じますね」

また、個人の役割を限定せず、成果に対して柔軟なアプローチができる点にも特徴を感じると言います。

唐津屋 「私自身、SEとして開発をするだけでなく、営業と一緒に提案にも行きますし、プロジェクトのマネジメントもする。何なら企画もするし、テストもする。そういう働き方ができるんです。最初こそ担当業務が絞られていましたが、プラスアルファの成果を出すと、それを評価してくれる方が必ずいて、どんどん新しい仕事を任せてもらえました」

こうした働く環境へのフィット感は、唐津屋が日立で得た成長の土台でもあります。

唐津屋 「プロジェクトの規模も大きいので、関わる人が多く、コミュニケーションが自然と増えてきたと感じますね。お客さまに対しても同様です。グランドデザインを求める方もいれば、コンサルのような課題解決を必要とする方、システムの詳細を把握しておきたい方もいる。多様なお客さまと接するからこそ、そこに合わせたコミュニケーションを選択するセンスが磨かれてきたと感じます。

また、周囲のレベルの高さが私のイノベーション力を押し上げてくれました。技術がある方が非常に多く、テクニカルな話題で議論することも多い。それらを実際のサービスに役立てるにはどう昇華すべきかと考える反復練習によって鍛えられていきました」

一方、Lumadaという壮大なプロジェクトに従事するからこそ見えてきた会社の課題もあります。

唐津屋 「日立は優れたソリューションをたくさん持っているのに、それらを組み合わせた提案がなかなかできていなかった。壁というほどではないですが、組織が大きいために隣の部署との情報連携が進んでいなかったことも事実なのです。まさにこれが、『Lumada』が構想されたきっかけでもあると思います。自分の仕事に使命感を感じますね。

また、近年の技術発展のスピードに追いつくために、学び直しも課題となっていくでしょう。私自身、この5年ほどは新しい技術のキャッチアップに苦労してきました。従来型のシステム開発のノウハウに、AIやブロックチェーンなどの最先端技術を導入していくには、個々人のマインドチェンジも不可欠だと思います」

スペシャリストでもマネージャーでもない独自のキャリアを

日立の強みと自身の強みの歯車が?み合うことで高い成長実感を得ている唐津屋。自身の経験から、日立に適した人財像を見出しています。

唐津屋 「コミュニケーションと自走。このふたつを意識した働き方ができれば、大きなステップアップが期待できる環境だと思います。日立が取り扱う大規模案件は、基本的にひとりで回せるものではありません。チームでのコミュニケーションを重視する人財は、どこへ行っても重宝されます。

そして、自走することも大事。タスクをこなした上で、プラスアルファの仕事をして、価値提供や職務の範囲を広げていきたいという人を受け入れる土壌があるので、大きな仕事や自分の可能性を追い求める人に向いた職場だと感じますね」

そのふたつの性質を兼ね備えた唐津屋は、将来の展望についてこう語ります。

唐津屋 「一般的にスペシャリストかマネージャーかというふたつの道がある中で、どちらに進むかまだ決められていないんです。選びかねているというよりどちらも好きで、どちらもやりたい(笑)。欲張ったキャリアを歩みたいというのが本音です」

唐津屋が“欲”を出す背景には、SEならではの思考も隠されていました。

唐津屋 「SEをやりながら提案営業をしていても思うのですが、兼務しているからこそ見えてくる相手の気持ちがあると思っています。そして、おもしろいソリューションというのは、人の悩みに対して生み出されるものです。日立の仲間に対してだけでなく、お客さまに対しても、協力会社に対しても、その人の立場に寄り添い、どんな悩みを持っているのか理解する存在になりたい。そのうえで、みんながWin-Winになれるソリューションをつくっていきたいんです。

社内から『こんなユニークな人物がいるのか!』と言われるくらいが良いのかもしれません。『Lumada』という、答えのない挑戦を続けているからこそ、『こういうやり方もあるんだ』と後輩に思われるようなアプローチを背中で示していきたいですね」

個人の成長と日立の成長を重ねることで、エンジニアの枠を越えたキャリアステップを描くようになった唐津屋。独自の経験を強みにして、「Lumada」のように、人をつなぎ新たな価値を生み出すハブとしての役割が期待されます。

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