プロジェクトマネジメントの概念を変える。高難度プロジェクトに果敢に取り組むPMの挑戦 | キャリコネニュース
おかげさまで6周年 メルマガ読者数
65万人以上!

プロジェクトマネジメントの概念を変える。高難度プロジェクトに果敢に取り組むPMの挑戦

▲フィリピンのセブ島に行ったときの写真です。 高速で動くバンカーボートに乗船中、ボードの帆先に移動しドキドキな体験でした

2019年に中途で株式会社フレクトに入社した吉田友。現在はプロジェクトマネージャーおよびAWSソリューションアーキテクトとして商社物流プラットフォームプロジェクトに関わっています。高難度のプロジェクトにおいて自律分散型組織モデルの実践に果敢に挑戦している吉田。プロジェクトや組織への想いを語ります。【talentbookで読む】

自分も組織も進化できる環境を求め、フレクトへ

大学時代、工学部でフィードバック制御を学んだ吉田が新卒で入社したのはメーカー系SIerでした。約10年在籍し、メインフレームからWebシステムにマイグレーションを行う業務などを担当しました。

吉田 「よく覚えているのが、30年ほど前に使われていた、枠と文字しかない汎用機の画面をWebの画面に切り替えていくプロジェクトです。コストなどの理由から、Javaなどの別言語で書き換えるリライト移行ではなくCOBOLで書かれたソースをそのままビジネスロジックとして利用しシステムを動かすリホスト移行を行うことになりました。

ビュー部分のみをJava/ServletによるWeb開発として、そのチームリーダーに抜擢されましたが、その1年後に別のプロジェクトでのプロジェクトマネージャー(以後、PM)として同じようなマイグレーションに関わっています」

当時、20代後半ですでに部署内でトップクラスのオープンマイグレーション技術を備えていた吉田。ただ、当該分野ではキャリアアップは望めないと感じ、オープン系・Web系の開発に携われる環境を求め転職を決意しました。

吉田 「オウンドメディアをワンストップで開発できることを強みにしていた会社に入り、Webサイトをリニューアルするプロジェクトや自社サービスの立ち上げなどに関わりました。最終的には部長に昇進し、部署の管理や組織評価、人材育成などにも携わりました」

企画などの上流工程から、システムの開発・運用まで、あらゆる工程に携わりつつ、組織を成長させていくというミッションに向き合っていた吉田。しかし、仕事を続ける中で、組織が目指す方向性と自身の想いとのあいだにギャップを感じるようになったと言います。

吉田 「自分も組織も進化していくためには新しいことに取り組む必要があると考え、早くからクラウド・コンピューティングに関心をもって先端テクノロジーにキャッチアップしていました。

一方、その会社は技術をあくまでツールと捉えつつ考えながらも、新しい手法に後ろ向きなところもありました。部長として3年ほど組織拡充に関わり、いろいろ提言したものの変化の兆しが見られず、転職を考えるようになりました」

進むべき道を模索する中、エージェントを通じて吉田が出会ったのが、フレクト。クラウド開発を主軸とする会社と知って興味を持ち、採用選考に臨みました。

吉田 「執行役員の竹田と2回面接し、熱く議論を交わしました。品質やプロジェクトマネジメントへのこだわり、とくにお客様に提案したものを確実に届けることへの責任感の強さや、開発者の目線で組織を大きくしていこうとする考え方に強く惹かれたのを覚えています。その後、CEOの黒川と面談する機会があり、ご縁があって入社しました」

新たな組織体制で高難度プロジェクトに挑む。組織運営の鍵は、メンバーを尊重すること

入社後、タイヤメーカー様のEC予約システム開発や、Salesforceコンサルタントとして通信系会社様のシステム刷新プロジェクトに関わってきた吉田。2022年12月現在は、大手総合商社様の物流プラットフォームプロジェクトに携わっています。

吉田 「再生可能エネルギーにあたる発電用素材を輸入するにあたって、これまでエクセルやメールを使って管理していた物流リソースなどの情報を一元管理できるようなシステムをつくり、実装していくプロジェクトにPMとして関わっています」

社内でも難度が高いプロジェクトとして知られる当プロジェクト。その理由について吉田はこう話します。

吉田 「まず当社の手がけるプロジェクトとしては規模が大きく作業量が多いのが特徴です。20人以上が関わる大所帯で、フロントエンドのSPAアーキテクチャをSaaSなど使わずにフルスクラッチで開発しています。また、バックエンドではAPIの本数は約180。AWSに関しても、DR(ディザスタリカバリ) を実現するため、通常のリージョンを使わずに、別のリージョンでシステムを稼働させる仕組みづくりを進めています。

本システム特有の難しさもあります。お客様の品質やシステムの要件に対する要求が高い上、目指しているものが一般的な業務用Webサイトのイメージからかけ離れていて、極めて高いUI/UX品質が求められるアプリケーションをつくるのに近い感覚があります。また、業務の流れが複雑になっていて、言語化することさえ難しいものをシステムとして開発していくことが求められています。

他にも、契約に関する権利関係が複雑なこともプロジェクトが難化している理由のひとつです。通常は二社間の契約体系ですが、お客様が二社を仲介していることから、たとえばA社との契約、B社との契約があったときに、それぞれの契約をどう管理するのかという課題などもあります。また販売先に仕入先の情報を知られたくないという一方で、積荷がどこから来たものかという物流情報は伝えたいといった情報管理の事情もあり、業務フローが複雑化しています」

また、そのようなシステム開発での課題解決と並行して、プロジェクトに参加している社員だけでなく協力会社様を含めたプロジェクトメンバーの日々の仕事の悩みを吸い上げたり、課題の解決にむけて支援するなど、リモートワークの環境下でチームメンバーの連携を高めながら、スピーディーに課題解決するためのチームの仕組みづくりやサポートにも力を入れている吉田。

現在、ホラクラシー型組織(自律分散・非階層型の組織)の考え方をプロジェクトに導入して、すなわち階級や上司・部下の階層関係が存在しない、自律分散型の組織体制の導入に挑戦しています。

吉田 「フレクトでは、PM、PLがいて、その下にメンバーがいる、従来のヒエラルキー型のチーム構成が主流です。このような組織体制には、リーダーが意思決定しないとメンバーが動けないというデメリットがあり、多くの課題を抱えがちなリーダー自身がボトルネックになりやすい傾向があります。とくに、お客様の要求への柔軟な対応が求められるようなプロジェクトでは、そのためにメンバーがなかなか稼働できずプロジェクトが停滞してしまうことが少なくありません。

そこで、今回のプロジェクトでは、チームのメンバーにほとんどの権限を譲渡しています。たとえば、会議の設定はもちろん、お客様への説明も担当するメンバーの仕事。課題の解決もチームメンバーによる話し合いで決定し、決裂しそうな場合だけPMの私が介入して判断を下します。そうやってそれぞれのメンバーが周囲にあるリソースを使いながら課題を解決し、PMやプロジェクトリーダー(以後、PL)のように機能できるチームづくりを目指しています」

ホラクラシー型組織の考え方をプロジェクトに取り入れ、チーム運営していく上で、吉田が大切にしているというのが、常にメンバーを尊重すること。次のように続けます。

吉田 「誰かが課題を提起し、それを解決しようとして仮に失敗したとしても私は何も言いません。また、何を言ってもいいし何をやってもいい。ただその代わり、自分がオーナーシップをもって最後まで取り組んでほしいと伝えています。ほぼ完全にメンバーに任せているかたちです」

前職ではPMとして大きな責任を抱え、ひとりで課題を解決することが多かったと言う吉田。こうした自律分散型の組織運営に取り組んでいる背景について、こう話します。

吉田 「プロジェクトの難度が高いことから、PLが仕様の検討に追われ、メンバーの稼働が止まってしまうのが見えていました。PMやPLがアーキテクチャを考え、QCDを担保し、メンバーがそれに従うのではなく、メンバーそれぞれが主体的に考え、相互に確認し合いながら決めていくかたちをとらなければ、いまのようにプロジェクトを進められていなかったと思います。

クオリティの最終的なコントロールはPMである私が行っていますが、いまのところ体制として機能していて、仮に私が不測の事態で離脱するようなことがあっても、プロジェクトは問題なく進行すると思います。

ただし、コミュニケーションコストが大きいといった課題もありますが、プロジェクトレベルでメンバーにこれほどの自律的な判断を委ねている事例は当社内でもまだなく、他社様の事例でも、私はあまり聞いたことがありません。私はプロジェクトマネジメントの概念を変えていきたいという想いがあり、試行錯誤をしながら、少しずつチャレンジをしているところです」

眼差しの先にはメンバーとお客様。PM、そしてアーキテクトとしての信念

PMとして大切にしていることがふたつあると言う吉田。ひとつ目は、メンバーの一人ひとりが健全な成長を遂げること。

吉田 「メンバー全員にキャリアアップを実現してほしいと思っています。フレクトには、真面目で心やさしい頑張り屋さんが多いのが特徴です。一方でそのような社員の多くは自分をあまり表に出したがらない人が多く、自分のスキルを極めたい、専門領域に特化したいと思っている人ほど、自分の殻に閉じこもってしまう部分を持っているように私は思います。

専門スキルがある人こそちゃんと発信し、周囲に影響を与えながらさらに自分のスキルに磨きをかけていって欲しい。そんな願いがあるからこそ、コミュニケーションしやすい土壌をつくっていきたいと考えています」

二つ目は、顧客のビジネスを理解しようと学習を怠らないこと。

吉田「お客様に対しては、ビジネスの視点をもち続けることを常に忘れないようにしています。なぜいまこのシステムを構築しなければいけないのか、このプロジェクトでお客様が達成したいことはなんなのかなど、システムそのものではなく、ビジネスとしてお客様が求めていることを理解することがPMとしての出発点です。

その上で、システムにも興味をもって積極的に関わり、実際に手を動かすメンバーらと対等にやりとりできるよう自己研鑽することも大事にしています。たとえば、お客様に説明する際に、コンサルタントのような立場でメリットとデメリットを説明するなど、技術者とお客様の想いをつなげるハブのような存在として機能することがPMが果たすべき役目だと思っています」

PMだけでなく、現在のプロジェクトではAWSソリューションアーキテクトも務めている吉田。技術者として、顧客に最善の提案をすることを信条にしていると言います。

吉田 「たとえば、新しい技術を導入する際など、コストの問題はないか、信頼性をどこまで担保すべきか、お客様の要望に対して過剰なサービスの組み合わせや性能の提案となっていないかなど、アーキテクトとして最善の判断が求められます。お客様のご要望とは違う提案をすることもありますし、実際にプログラムを開発するメンバーに新たな方向性を示すこともあります」

そんな吉田にとって仕事のやりがいを感じるのは、チームとして成功できたと実感できたとき。

吉田 「ゼロベースでシステムを書いてつくりあげるなど、本来はアイデアを自分でかたちにする過程が好きなのですが、いまはなるべくメンバーにその過程を任せるようにしています。チームのメンバーが考えたものをお客様に提案することもあって、開発をサポートしてうまくいったときには大きな達成感を味わえるようになりました」

持続可能なエンジニアとして。目指すは、Π(パイ)型人材・“免震構造型”のキャリア

プロジェクトのメンバーが、PMやPLなど、それぞれいまよりワンステップ上のステージに進めるようサポートすることが直近の目標だと話す吉田。将来は、自身のキャリアに冗長化をもたせていきたいと話します。

吉田 「ふたつの領域で専門性を発揮できるΠ(パイ)型人材でありたいと思っています。それぞれのスキルを高めておけば、一方の専門性が機能しなくなったとしても、技術者として活動し続けることが可能だからです。そんないわば“免震構造型”のキャリアを歩んでいけたらと思っています。

組織改革にも関心があります。現時点では、プロジェクトでのチーム組織は、『ティール組織(社員一人ひとりが裁量権を持って行動する組織形態の概念)』の考え方で言うと、階層構造で成り立つ『オレンジ型組織』が主流ですが、いずれはこれを『グリーン組織(階層構造はあるが、より個を重視した人間らしい組織)』そして『ティール組織(生命体のように組織の目的実現のためにメンバー全員が信頼に基づき変化する組織)』のように、上司が部下をマネジメントしなくてもメンバーの一人ひとりが自律的に意思決定を行えるような土壌をつくっていきたいと考えています。

組織人として、どこまでこの会社に貢献できるかに関心がありますが、管理職にこだわりはありません。むしろ肩書きのない立場で、プロジェクトに参画するメンバーとしっかりコミュニケーションを交わしながら進化したプロジェクトの組織づくりに取り組むのもおもしろそうだと感じています」

入社4年目を迎え、ますます活躍の幅を広げている吉田。かつての自分のように、いま所属している組織で行き詰まりを感じている人に伝えたいことがあると言います。

吉田 「これまでのキャリアに関係なく、メンバーがリスペクトし合いながらプロジェクトに携わっているところがフレクトの強み。フラットな職場で、“あるべき未来をクラウドでカタチにする”というビジョンの実現に向け、共に働けることを楽しみにしています」

アーカイブ