自己啓発支援制度を利用し、将来の一級建築士へ。資格試験に向けた挑戦と今後の展望 | キャリコネニュース
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自己啓発支援制度を利用し、将来の一級建築士へ。資格試験に向けた挑戦と今後の展望

▲社内制度を利用し、一級建築士資格に合格した柴田。新卒入社後の彼の業務とは──

大学では土木を専攻し、実務では建築と土木の仕事に携わってきた柴田 尚紀。JX金属の自己啓発支援制度のひとつであるセルフ・イノベーション・サポート制度を活用し、建築学科卒業後に一級建築士試験の合格を果たしました。業務のかたわら学位・資格取得に挑戦し、合格した柴田の道のりと今後に迫ります。【talentbookで読む】

鉱山開発というダイナミックな仕事に憧れて入社を決意

技術本部設備技術部に所属する柴田は、入社以来現在まで、主に建築に関わる業務を担当しています。

「現在はグループ会社が計画している新築予定の建築物に関して、建築会社などに詳細設計や施工を発注する前の基本的な計画を社内で整理・策定し、法規的なチェックや必要面積の確認などを行い、基本計画図に反映させています。あわせて、グループ会社の建築物の維持管理も担当しています」

グループ会社や各部署と建築会社との橋渡し役であり、並走者でもあるという柴田。実は、大学では建築ではなく土木工学を専攻していました。しかし、業務上の必要性を感じたため、2022年に一級建築士試験に挑戦し、合格しています。

「JX金属は設計事務所ではないため、一級建築士の資格がなければできない業務をしているわけではありません。ですが、業務を遂行する上では建築の細かな知識が必要になるため、資格を取得することで自身の知識を総合的に蓄えることができると考えました。

大学時代の専攻は、補強土壁と呼ばれる土工作物の地震時の挙動についてです。就職では土木の中でもダイナミックなプロジェクトに携わる機会を求め、携わることはまれな鉱山開発ができるということでJX金属に興味を持ちました」

インフラ関係の企業も視野に入れて就職活動をしていましたが、工場見学や選考の中でJX金属の担当者がフラットなコミュニケーションをしてくれた点も魅力に感じたと言います。

「当時は、厳しい雰囲気の研究室に身を置いていたこともあって、ある程度自由に意見をいえるような環境を求めていました。具体的な裁量について聞いたわけではありませんが、全体的な話から、社員それぞれがある程度自由に意見をいえる環境だと感じたのも入社の決め手です」

入社した柴田は、日立事業所の設備技術部設備技術課に配属され、主に改修工事に関する建築の計画や施工管理、安全管理などを行っていました。その後、建設コンサルタントの建築部に出向します。

「出向先は公共案件の設計・監理を多く手掛けている会社で、プロポーザル業務や新築案件に携わることができました。プロポーザル業務では、まず仕様書を読み込み、要望に応えられるように設計して、さらに提案資料を作っていくという業務です。新築案件では法規的な部分の確認や協議も行い、実際の設計図に落とし込んでいき、行政などへの申請を行うところを担当しました」

新築案件では指定確認検査機関とのやり取りも多く、日立事業所で改修工事に関わった後に新築案件を学んだことは、現在の新規建物を検討する業務でも非常に役に立っていると柴田は振り返ります。

セルフ・イノベーション・サポート制度を申請──一級建築士への道へと踏み出す

▲一級建築士の資格を取得するに至った経緯とは──

入社してから建築に携わるようになった柴田は、業務をこなしていくうちに、あるジレンマを感じるようになってきたと語ります。

「部署の上長が一級建築士の資格を持っており、建築に関する知識はその方から多く教えてもらいました。しかし正直なところ、忙しい業務の中ですべてを詳細に教えてもらうことは難しいと感じました。

また、上長や施工会社の方々に建築の知識や施工方法などを都度質問していましたが、それでは断片的な知識になってしまうという焦りがありました。より体系的に建築を学びたいという想いから、一級建築士をめざすべく決意しました」

その際に活用したのが、JX金属のセルフ・イノベーション・サポート制度。これは、業務に活用が期待される分野の外部研修プログラムに参加する際には、経費の一部を会社が補助してくれるものであり、「創意工夫、変革の風土、粘り強くやり抜く」強い意志の醸成、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現などによる「人と組織の活性化」によってやりがいを持って働ける環境をつくることを目的とした制度になります。

「一級建築士の受験資格を取得するには、建築学科を卒業する、あるいは実務経験を7年以上積んで二級建築士の資格を取得するかのふたつのルートがあります。私は期間が短くて済むように建築学科のルートを選び、入社3年目に通信制の大学の建築学科(3年次編入)に入学し、その後の2年間は仕事と学業を並行して取り組んでいました」

制度を活用するにあたっては、そのときの上長に説明したところ快く承諾してもらえました。基本的には個人の時間で取り組むため、業務終了後に帰宅してから毎日レポートを書いたり、年に数回対面での授業を受けたりして勉強を進めていたと語ります。

「仕事との両立は、ときに大変だと感じることもありましたが、会社に申請した以上は、最後までやり遂げなければいけないという意識が大きなモチベーションでした。同時に、仕事と学業を並行できたのは家族のサポートがあったからこそ。建築学科の卒業に関して2年間というリミットを自分に課していました」

一級建築士試験の1次の学科試験が建築学科を卒業した4カ月後にあるため、建築学科の卒業制作を作りながら学科試験の勉強も並行して行わなければいけません。ですが、その甲斐あって無事に1回で学科試験に合格。合格を報告すると、一級建築士の資格を持っている当時の上長からは、ねぎらいの言葉とともに2次の製図試験へのアドバイスをもらいました。

「10月の製図試験に向けては、再びセルフ・イノベーション・サポート制度を活用して3カ月間集中講座を受講しました。学科試験は、できたかどうかの手ごたえがはっきりしていますが、製図試験は採点基準がわかりにくいので、合格発表まで不安でしたね」

12月の発表で無事に合格を勝ち得た柴田。建築学科卒業後、2年間の実務経験を経た後に、正式に一級建築士として登録されることになります。

一級建築士試験の合格によって、自分自身の意識が変わり始める

▲大学では土木を専攻していた柴田が一級建築士試験に合格した後、変わったこととは──

一級建築士試験を合格したからといって、業務そのものが変化するわけではありません。しかし、自分自身の意識が大きく変わったと柴田は実感しています。

「これまで自分の中では、土木の人間が建築をやっているという気持ちが少なからずありました。知識がないからこそ、やれてしまったこともあったと思います。たとえば、何か一つ改修計画を検討するにしても、知識が少ないため、懸念として引っかかる部分がなかったのです。

しかし、試験を通して基本的な計画に用いる数値や法令などを頭に入れたことで、これまで見えていなかったところも見えるようになってきました。今は、建築が専門でないという逃げはできません。知らなかったでは済まされない責任を重く感じています」

今までは建築会社などに任せていた部分も、できる範囲は極力自分でやろうという意識が出てきたと言います。

「これまでは建築を専門とする方からは、土木だから言っても仕方ないと思われているところもあり、細かい話をされずに要点だけで済まされ、悔しい想いをすることがありました。いまは、わからないところは細かく確認し、自分でも調べ、しっかりと理解した上で関係者などに適切に説明できるように取り組んでいます」

現在の業務は、建築基準法などをチェックした上で新築や改修の計画を立案することが多く、これまでの実務経験に加えて、学位取得や資格試験を通して総合的に培った知識が合わさったことで、自信をもって自分の意見を出せるようになりました。

「現在の仕事は、依頼される案件が数年単位での新築や増築、改修の計画を立案することが多く、土木と建築のプロフェッショナルとして報告業務にあたれるのが、私のやりがいです。今後、登録が完了して一級建築士と名乗れるようになれば、より胸を張って意見を述べることができると考えています。

もちろん、一級建築士という資格は単なる肩書にすぎません。そのことだけで信頼してもらうのではなく、その先の仕事で信頼を得ていかなければならないと思っています。それでも、今回の合格でようやくスタートに立てたという安堵の気持ちはありますね」

いつかは一級建築士として、新築の建築物の計画から竣工までに携わりたい

▲柴田が利用したセルフ・イノベーション・サポート制度はどういったものなのか──

一級建築士取得のために活用したセルフ・イノベーション・サポート制度が、もっと社内に広く使われるようになり、それぞれの社員が自分を高めていけるようになればと柴田は語ります。

「申請にあたっては、念のため上長に確認は取りましたが、大量の資料準備や選考面接などのハードルはありませんでした。申請理由や将来どんなふうに業務に活かしていきたいかがはっきりしていればだいぶ申請しやすいと思います。

今回私が一級建築士を取得したケースでは、学位取得のために通った大学の学費と、一級建築士2次試験に向けた集中講座を合わせて200万円ほどかかりました。それを全額自己負担するのはかなりつらいので、補助が出るのは非常に助かりました」

※ 補助金額は総額の50%ほどで上限あり

本制度は、現在の業務に直接関係しなくても将来的に活用できる可能性のある研修プログラムであれば申請が可能です。柴田のような学位取得と資格取得のほかに、英会話などの語学やデータサイエンス、コーチングなど、さまざまな種類の自己啓発に利用されています。

「何か新しいことにチャレンジしたいという意欲さえあれば、制度のハードルは決して高くないと思います」

現在の部署では、土建担当は少人数のため、多くの土建案件に柴田が携わります。しかし、それだからではなく、みんなに頼られる存在になっていきたいと柴田は考えています。

「相談する先がないから仕方なく聞かれるのではなく、柴田に聞けば何かしら的確なアドバイスがもらえるからと信頼されるようになっていきたいですね。さらに将来的には、新築の建築物を、基本的な計画から最終的に形になるところまでを通して関わっていきたいと考えています」

1年後に晴れて一級建築士となった暁には、土木と建築の2つの分野にまたがる稀有な存在として、会社により大きく貢献していくことが期待されている柴田。新たなスタート地点に立ち、将来を見据える柴田の活躍に要注目です。

※ 記載内容は2023年4月時点のものです

JX金属株式会社

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