ゼロから営業のプロフェッショナルになる──コーチとバディ体制の秘密 | キャリコネニュース
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

ゼロから営業のプロフェッショナルになる──コーチとバディ体制の秘密

スモールビジネス(従業員100名未満の企業)を担当するインサイドセールスの部署では、教育専門のコーチがメンバーの成長を支えます。2013年にインサイドセールスとして新卒入社し、2019年よりコーチを務める吉田さんと、2022年に新卒入社して吉田さんのもとでバディとして学んaaaだ今村さんに取材しました。【talentbookで読む】

会社における「コーチ」の存在

──スモールビジネスの部署における「コーチ」は、一般的なマネージャーやメンターとどのように違うのでしょうか?

吉田:コーチはマネージャーよりもずっと現場に近い存在です。一人ひとりの営業活動そのものに入り込み、商談の進め方や数字のつくり方を教えていきます。担当するバディたちの営業数字が、私たちコーチの数字目標(KPI)です。教育にコミットしているので、メンター制度のように兼業ではありません。

今村:全体研修を終えて、現場配属後に始まる日々の仕事は主にコーチから教わります。1件ずつの電話商談にモニタリングとして入ってもらえます。何かわからないことがあればすぐに電話を保留(話中)にして、コーチにタイムリーに質問することでお客様へ正しく返答できます。私たちバディ(buddy)の成長にコミットしてくれる存在は心強いですね。

──コーチは一度に何名ほどのバディを担当しているのでしょうか?

吉田:私たちの部署では、新卒・中途問わず入社当初にコーチが付きます。その時々の配属人数によって変動がありますが、平均して10名ほどを担当しています。新卒メンバーであれば約1年、中途メンバーであれば約6カ月かけて、コーチ&バディの関係が続きます。

今村:2022年の入社から1年経った2023年、吉田さんのもとでのコーチ&バディ制度から卒業しました。とは言っても同じ部署ですので、オフィスでは座席も近いんです。今でも何かあれば最初に聞きに行く存在です。

吉田:入社1年目は、とにかく目の前のタスクに必死。営業目標の達成はもちろん、それに伴う諸々の業務処理にも追われ、優先順位の付け方がわからずタスクに圧倒されてしまったり、疲弊してしまったりする可能性もあります。私たちコーチがいればタイムリーに、そして手厚くサポートできます。メンバー各自の動きをデイリーで数値化し、具体的なフィードバックを個別に与えることでPDCAのサイクルが早く回り、そのぶん成長も早くなるように感じますね。

──自走するための早道は、教育体制にあるんですね。

吉田:スモールビジネスの部署では10年以上、新卒採用や未経験者などジュニアロールのメンバーを多く受け入れており、ナレッジも多いんです。

──ちなみにコーチというポジションを経て、その後マネージャーへ進んでいくのでしょうか?

吉田:そういった道もキャリアの一つです。チームでこういう数字をつくりたいときにどういうドライブの掛け方があるのかなど、メンバーの隣で接した経験があれば、俯瞰して組織全体をつくっていくフェーズにおいても生きてくると考えます。

──10名のメンバーに対して、接し方は変えていますか?

吉田:数字を使ったロジカルなフィードバックを好む人、感情に寄り添った接し方を好む人など、バディによってさまざまです。本人が一番伸びる方法で、コミュニケーションを取っています。コーチに対して、バディが匿名でアンケートする機会も定期的にあります。何が良かったかなどフィードバックがもらえるので、コーチ自身もやり方を変えてみたり、必要なトレーニングを新たに企画したり、常に改善を加えています。

──今村さんは、何かコーチとの間で印象的だった出来事はありますか?

今村:入社直後、同期の中でもなぜか私は“初めての〇〇”という案件を任されることが多くて。戸惑うときにはいつもすぐにコーチを頼っていました。

吉田:現場デビューから1カ月経たない間に、高度な専門知識が求められるワークステーションの商談が入ったり、オンライン購入のプロセスで上手くいかないお客様からクレームが入ったり……そういった難しい機会にめぐまれることで経験値が上がり、早い成長につながっていったと感じます。

今村:1年目の3Q(第三四半期)末、大型商談を抱えていました。期末というタイミングですので、チームとして少しでも営業数字を積み上げたい状況。でも、この案件は2週間ほど進捗が停滞していたんです。コーチに相談すると、営業締め日の1日でクロージングして、見事受注に至りました。営業ってここまでできるんだ!と感じた出来事でした。

吉田:大型商談は通常、別の営業チームがフロントを担いますが、担当者の不在もあってお客様とのコミュニケーションにロスが発生していたんです。営業マインドを学ぶためにも、今村さんにフロントを巻き取って、前面に出てもらうことにしました。

今村:担当者が違うといっても、お客様から見れば同じデル・テクノロジーズの営業。まずはコミュニケーションの遅延をお詫びし、あらためて提示するお見積もりを説明しました。また、月末という当社都合に対して、お客様が快く購入を決めてくださるよう丁寧にコミュニケーションを図りました。

吉田:月末の交渉ごとは今村さんにとって初めてでしたし、どこか泥臭い営業だと感じたかもしれません。

今村:こんなふうに入り込んでいけば交渉できるんだ!と。インサイドセールスの新たな一面を学べました。

──いわゆる泥臭さに抵抗はなかったのでしょうか?

今村:踏み込んだコミュニケーションを取るとき、それが電話を介したものだとしても、誠実に対応すればお客様も向き合ってくださって信頼が生まれると学びました。営業として強さを持てたことで、結果として数字(成績)も出せるようになりました。

質×量を体現するのがハイパフォーマーの秘訣

──順調に、そして着実に成長された印象ですが、デビュー当時何かつまずいたことはありましたか?

吉田:今村さんは、質の高い商談ができている一方で商談の絶対数が足らず、同期の中で突き抜けられないでいたんです。

──質の高い商談とは、どのような商談ですか?

吉田:インバウンド営業であっても、お客様のニーズそのままに応えるだけでは不十分です。顕在ニーズをもとに、+αの提案に広げたり、交渉をしたり、さまざまなバリューの出し方があります。今村さんはそういった動きが得意だったので受注率は高かったんです。

今村:受注後に発生しうるトラブルを回避するためにも、提案時点から細かい確認、背景の擦り合わせ、リスクヘッジなどかなり丁寧に会話していました。そうした動きがスムーズな受注につながっていたのかなと思います。

吉田:商談の質はそのままに、商談数を上げるために優先順位の付け方をアドバイスしました。インサイドセールスの成績は、効率性にかかっています。業務の組み立て方次第で数字をつくっていけるんです。

今村:コーチが私の行動量をデータに落としてくれて、どの指標がどのように推移しているかを定量的に振り返り、毎週改善を続けていきました。

吉田:そうした積み重ねの結果、受注率を維持しながら商談数が増え、質×量を体現するハイパフォーマーに成長してくれました。

──インサイドセールスの業績はデータで語れるんですね。それを1人で担うのは難しいものなのでしょうか?

今村:営業に慣れていない中では、お客様からの相談や問い合わせに毎日奔走しているのが正直な状態です。だからこそ、コーチが手取り足取り、タイムリーにアドバイスをくれて、私の行動をデータ化してくれることで冷静になれますし、次のアクションを取りやすかったですね。かなり細かくその都度教えてもらえるので、2年目となった今では、自ら時間の使い方を考えて業務を組み立てることができています。

──メンター制度では「メンターが忙しすぎて聞けない」といったケースもありますし、時間が経ってから先輩のアドバイスを受けてアクションしていては、出遅れる可能性がありますよね。

今村:全体研修や製品研修など充実したプログラムはありますが、そうはいっても現場に出ると、1年目はわからないことだらけ。新人の教育を主務とするプロフェッショナルな存在が隣にいてくれることはとてもありがたいですね。

インサイドセールスの難しさ──新入社員がぶつかる壁

▲2022年新卒入社の同期たちと

──新卒入社者の多くはインサイドセールス職ですが、共通してぶつかる「壁」は何でしょうか?

吉田:やはり、営業成績に波はつきものですよね。低迷しているときに、「売れていないから私は営業としてダメだ」と言ってしまう人もいます。でも、インサイドセールスの成績や状況は、すべて数字に落とせるんです。何本の電話をかけて、何分間話せばどんな成果があがってくるかなど、私たちの部署では長年の実績をもとにした指標をもっています。

指標と比較して、自分の現状を客観的に捉える。「売れていない」といっても、どの観点がどれくらい足りていないのか、逆にどの観点は良い状態なのかを数字で知ることができるんです。改善ポイントも、成長実感も、感覚ではなく数字で知れば納得感が高いですよね。

──うまくいかず、感情的になりがちなときに、客観的になれると前に進めそうですね。

吉田:今村さんとは別の方のケースですが、とあるメンバーが「売れない……」と凹んでいたことがいました。でもその人は、案件化した後のクロージング率はチーム内でも随一の成績だったんです。つまり、案件を顕在化させるフェーズが改善されれば、売ることができるわけです。そんな風に、本人が気づいていない強みに気づいてもらうこともコーチの役割です。

──自分ではダメなところに目がいってしまうので、強みに気づかせてもらえるとうれしいですね。

吉田:「できるところもあるならもうちょっと頑張ってみるか」と前を向いてチャレンジしてくれますね。

──営業活動が数字で語れるとなると、いつも何かの数字に追われて大変ではないですか?

今村:アウトバウンドチームに異動した直後はとくに、顧客獲得も案件獲得のための種蒔きがうまくいかず、悩んだことがありました。2年目に入ってからようやく、数字との向き合い方に関しては、いいバランスが取れてきたと感じます。日々の行動目標は確かにありますが、業務をきちんと組み立てて、四半期で達成すれば良い。

日々の指標を何か取りこぼしたとしても、3カ月あればリカバリーできるタイミングはあります。今日がうまく行かなくても、明日そして今週何をするかが組み立てられていれば、焦る必要はありません。

吉田:達成に必要な行動量の可視化に加えて、スムーズに商談を進めるヒアリングシートなどのアセットは多くあります。サーバーなど、専門知識が求められる商談であっても、長年のノウハウがたまったアセットを活用すれば経験が浅い人でもトークが磨かれ、営業できるようになります。

これから入社するインサイドセールスに伝えたいこと

▲インサイドセールスのチームメンバーと共に

──これから入社してくる方々へ伝えておきたいことはありますか?

吉田:デル・テクノロジーズのインサイドセールスは、フロントに立って商談するところから、入金確認・納品フォローといった細かい点まで一気通貫して担当します。一部分だけということはありません。営業そのものを楽しんでほしいですね。

今村:インサイドセールスとして2年目となった今、今後はどんなことがしたいか、縦のつながりも生かして、先輩がたから情報収集をしています。当社のキャリアは自己申告制ですし、なんでもできる気がしています。今のロール(職種)で実績をあげながら、やりたい仕事が見えたらいつでも手を挙げて動いていきたいですね。

入社時の仕事やロールで、その後の全てが決まるわけではありません。当社の中でも、転職という形でも、キャリアは自分で切り開いていけば良い。業務を進める上でインサイドセールスは他部署との協働も多いので、当社でつかめるチャンスや可能性をいろいろ知ることができます。将来どんなキャリアを歩むにせよ、経験が積める良い場所だと感じますね。

──実際に働いてみて、入社前のIT知識や営業としての素質はアドバンテージになると感じますか?

今村:私もまったくのIT知識ゼロで入社しました。入社後の製品研修などは、数週間かけてプロフェッショナルな方々からしっかり学ぶことができます。勉強するための必要な資料やリソースもたくさん用意されているので、いつでも見返せます。そして現場配属後は、コーチに頼って恐れずに経験を積んでいくことができます。私が大丈夫だったので、エントリーを検討している人には、入社時点のスキルや知識がなくても安心していただきたいです。

吉田:未経験の方々の成長のために、私たちコーチがいます。スモールビジネスの組織に配属された後は、コーチを全面的に頼ってもらいたいですね。

※ 記載内容は2023年8月時点のものです

デル・テクノロジーズ株式会社

この会社にアクションする

アーカイブ