ゲーム会社からゆめみへ。エンターテインメントの心を携えデザインに落とし込んでいく | キャリコネニュース - Page 2
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ゲーム会社からゆめみへ。エンターテインメントの心を携えデザインに落とし込んでいく

2022年にUIデザイナーとして中途入社した山下 沙織。前職では10年ほどテレビゲーム業界に身を置き、大人気ゲームシリーズのUI部門でアートディレクションを担当していました。そんな山下がなぜ、ゆめみという異業界の会社に飛び込んだのか。等身大の想いについて語ります。【talentbookで読む】

クライアントに寄り添うだけじゃない。「自分」という軸も忘れないデザイナー

私は、現在ゆめみでUIデザイナーを務めています。UIデザイナーと一口に言っても、ゆめみの場合は範囲が広く、決まった仕様に対してユーザーが快適に活用できるような画面を作成する仕事から、サービスデザインまで幅広く担当をしています。クライアントが検討しているサービスを形にするための分析やリサーチをしたり、そもそもの施策の方向性についてアドバイスを行ったり、プロダクトのユーザーに対して使用感をインタビューしたりと上流から関わる仕事が多いです。

また、最近ではゲーミフィケーションの支援なども行っています。 ゲーミフィケーションとは、サービスなどを継続して使ってもらったり、モチベーションを維持してもらったりするためにゲームの考え方を応用することです。私自身がテレビゲームの開発会社で10年近く働いていたので、その経験を活かしながら支援をしています。

さまざまな「デザイン」に関わる上で大切にしていることは、クライアントやユーザーに寄り添うのはもちろん、それにプラスして自分の想いをプロダクトに入れ込むこと。自分のワクワクやときめきを注いでこそ、誰かに刺さるものが作れると思っているからです。

こうした考えを持っているのは、私自身がファインアート系の出身だからかもしれません。美術の世界では、誰かのためにモノを制作するだけでなく、自分の中にある何かを表現することが求められます。そこにルーツがあるからこそ、自分自身の想いを忘れないようにしているんです。

そのため、「お客様が作りたいものにしっかり共感できるように、しっかり自分の考えも伝える」というスタンスで「そもそも本当にこれが必要なのか」、「やりたい方向性は理解できるけれど、見せ方はこうじゃないはずだ」といった自分の考えを入れ込んで提案をするようにしています。こうした自分らしい感性で試行錯誤することが、納得のいくアウトプットにつながると考えています。

勤続10年を目前に、ものづくりの幅を広げる決断をする

大学時代に美術を学んでいたのは、昔から絵を描くことが好きだったから。とくに、ゲームや漫画に出てくるような絵が好きな子どもでした。

あの世界って、アートの要素ももちろんありつつ、エンタメであることに大きな意味があるんですよね。受け取った人が「おもしろい」と言ってくれるようなものづくりに、小さいときから憧れがありました。

就職活動では、幅広くものづくりに接点がある会社を受けました。就職氷河期世代なのでかなり大変だったのですが、日本を代表する大手ゲーム会社の関連企業とご縁を結べました。自分の原体験とも言えるゲーム業界に入ることができたのは、本当にラッキーだったと思います(笑)。

そこから、10年近く某パーティーゲームシリーズのUIを担当し、たくさんの学びを得ました。世界的なゲーム会社がどういう想いでものをつくっているのかを肌で感じられたのは、貴重な経験でしたね。

とくに印象深かったのは、「人がこれを見たときにどう感じるか」という点にすごく敏感であること。お客様目線で常にアンテナを張っている人たちだからこそ、愛される作品をつくれるのだと実感しました。入社当初は、ゲームが好きというモチベーションで働いていたのですが、気づけばUIの魅力にどんどんハマっていきました。

とても充実した日々を送っていたのですが、コロナ禍を機に内省する時間が増えたことで「これからの人生どうしようかな」と漠然と考えるようになりました。勤務10年目という節目が近いこともあり、「このままゲーム以外のものづくりを知らずに終わってしまうのはどうなんだろう」「もっとサービスデザインやUXデザインと呼ばれる上流工程の勉強もしたい」と思い始めたんです。

そうして、ついにゲーム業界を離れることを決意。UIデザイナーという肩書は変えずに、業界をガラッと変えることにしました。同じUIデザインでも、業界が違えば仕事内容はまるで変わります。ほとんどゼロベースのスキルで転職をするとなると、受け入れてくれる場所があるか不安でした。

そんな中で出会ったゆめみは、「今までうちにいないタイプだから」と異業界であることを歓迎してくれました。また、業務外の時間でもものづくりをしたいという私のスタンスを受け入れてくれました。

「仕事以外のものづくりの時間も大切だから、プライベートの時間も大切にしたい」と言うと、会社によっては難色を示すと思うんです。でも、最終面接で代表の片岡にそのことを伝えると「いいですね」と素の表情で笑ってくれたんです。その時、「この会社はすごくいいな」と感じ、入社を決めました。

ゲーム業界で培った信念が、今の仕事に活きている

入社後は、中途社員でありつつも新卒のような右も左もわからない状態でした。先輩デザイナーが数名いる体制に混ざって仕事を始め、できることを少しずつ増やしていきました。

IT業界は専門用語が多く、最初は意味を理解し切れず、混乱しましたね(笑)。デザイナー同士であれば質問もできたのですが、とくにエンジニアさん主導のミーティングや大人数での会話の場合は、話の腰を折ってはいけないと考えてしまって萎縮してしまうことも……。

ただ、思い返せば最初にゲーム会社に入った時もまったく同じ状態。3年も経てばしっかりわかるようになっていたので、焦らずこつこつキャッチアップするように勉強を続けています。

そんな苦労がある反面、ゲーム業界にいたことがプラスに働くことにも気がつきました。たとえば、「誰にでも伝わるものをつくる」という信念を持ってスキルを磨いていたこと。

「開発者が思っているよりも、はるかにユーザーには伝わっていない」という事実を前職の現場で見てきたので、「この言い方で本当に伝わるかな」と自問するクセが付いているんです。ですから、クライアントに何かを提案する時、言葉を噛み砕いてみたり、伝わりやすいカラーリングにしてみたりと小さな工夫を施しています。

相手のことを考えた表現を心がけ、小さな技術や工夫を積み重ねれば、おもしろいと応えていただける。そういう努力の尊さを知っているので、私は誰にでも届くようなプロダクトを作れるクリエイターでありたいと思っています。

自分がどんどんアップデートされていく──フレッシュなゆめみの空気感

転職してから、マインド面で大きな変化がありました。

ゆめみには変わったメンバーがたくさんいて、「なんだこの自由な人は!」と思うことも日々あって……(笑)。そういう人たちの中にいることで、逆に「私も変わっているけれど、これでいいか」と思えるんです。多様性がある環境だからこそ、自分で自分を許せるようになったというか、「私が私でいていい」と思えるようになりました。

多様性があるのは、キャリアビジョンにおいても同じです。もちろん一定の評価基準は定められているので、めざすべき先はなんとなく見えるのですが、必ずしもそれに自分を合わせる必要はないという雰囲気があります。だから、「〇〇できるようにスキルアップしなきゃ」と義務的に考えるのではなく、「私はどうなっていこうか」とあくまで自分単位で自由なビジョンを描いても良いというのが、個人的にすごく嬉しかったです。

そのため、今は長期的な目標については細かく考えすぎないようにしています。自由に夢を描ける環境に来られたからこそ、今は夢を絞らず広げたいんです。

ゲーム業界で10年間働き、ようやく自分の世界を広げるぞと決めたタイミングなので、目の前の楽しそうなことは全部やりたい。サービスデザインへの挑戦を主軸とした勉強はもちろんのこと、趣味でも絵を描いたり、音楽も好きなのでボイトレに通って練習したり、自分の手でゲームをつくってみたりしています。

また、ゆめみではソーシャルアウトプットが推奨されているので、個人のSNSアカウントで外に発信して楽しんでいます。しばらくやりたいことを広くやって、全部やりきった時にどうまとまるか。今後の自分に、自分でもワクワクしているところです。

まるで、就活前の大学生に戻ったような気持ちですね。こんなふうにフレッシュでいられるのは、ゆめみの空気感があってこそ。ゆめみのメンバーは、みんな何かを学ぶこと、楽しむことが好きで、自分らしくそれぞれの興味に基づいて動いています。

この自由な雰囲気の中で、自分がどんどんアップデートされていく感覚があるので、楽しいんですよ。これからも「これはおもしろい」という自分の感覚を大事に、興味のあることを夢中で続けていこうと思います。

※ 記載内容は2023年9月時点のものです

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