SHINKA経営──情熱を持ち、探求し、チャレンジした先に“真の価値”がある
2019年、テンダはコーポレート・アイデンティティを刷新。新たに「SHINKA経営」を掲げました。SHINKAとは「真価=進化×深化×心火」を指します。代表取締役会長の小林謙と代表取締役社長の中村繁貴、取締役の林貢正がテンダの未来を見据えて掲げました。SHINKAはいかにして生まれたのでしょうか。【talentbookで読む】
これからのテンダをつくっていくために、会社がひとつになる指針が必要
テクノロジーをキーワードに製品&サービス、システム開発、クリエイティブ、ゲームコンテンツと4つの事業を展開しているテンダ。もともとはシステムエンジニアの派遣事業を中心としていた会社でした。
実は中村も、元Javaのシステムエンジニア。大学卒業後、未経験から始めて徐々にキャリアを積み重ね、2018年の6月に代表取締役社長に就任しました。社員数も、中村が入社した2000年当時は30名にも満たなかったのですが、2019年の今は約230名にまで増えました。
テンダは今、大きな転換期を迎えています。会社として四半世紀存続した今、次の100年をつくるために新たに進化を遂げる段階に突入したのです。ITという日進月歩な世界で生き抜くために、どうすれば良いのか、会社として指針にすべきものは何なのか──。
経営層も小林と中村のW代表体制になり、本格的にテンダの未来を考えるために、林を含めた3名での話し合いが始まりました。
中村 「私が社長に就任してから、まず企業理念を刷新したんです。社員全員が目指すべきもの、姿勢、それから根底にある理念や価値観を『テンダの DNA』として言葉で表現しました。その過程で出てきたキーワードに『真価=進化×深化×心火』というものがあって、2020年の株式上場を目標に、常に進化し成長し続けているテンダを表現するのにふさわしいとピンときました」
これをわかりやすくひとことで表せないか。そう中村は考えました。
社員に浸透させるためには、パッとひと目でわかる必要があります。それを見るだけで経営の考え方がわかって、会社がひとつになるものは何なのか。
そこに浮かび上がってきたのが、「SHINKA経営」というキーワードでした。
時代の流れに淘汰されないために掲げた「SHINKA経営」
SHINKA経営とは、「真価(成長)=進化(チャレンジ)×深化(探求)×心火(情熱)」。
実はこのSHINKA経営。2017年のイヤーモットーから引用しています。もともと中村はダーウィンの進化論に強い関心があり、その概念を理念やモットーに含めたいと考えていました。
──生き物は、繁殖して変異し、強いものは生き残るが弱いものは死に絶える。この変化と淘汰を繰り返し、生き残ってきた。
ITもまさに同じ。ものすごいスピードで変化し続ける中で、順応できない会社は淘汰されていきます。だからIT業界で生きているテンダは、常に時代の流れに気を配り、己が成すべきことを見極める必要があるのです。
では、テンダが掲げるSHINKAとは何なのか。小林・中村・林は何度も話し合いました。その内容を林がまとめた結果が、本章の冒頭に記した今のコーポレート・アイデンティティ(以下、CI)です。
中村 「僕は真価という言葉が好きなんです。真の価値、すなわち成長ですよね。心に火を灯し、探求し、前に進む。イヤーモットーは毎年掲げているものですけど、これは本当に腹落ちしたし、これからのテンダが掲げるべきものだと思いました。だから考え直して、CIとして焼き直したんです」
林 「私はこの CIがフレーズとして好きなんですよね。小林はその時々で、いろいろなキーワードを私たちに投げかけてきましたけど、これまでで一番印象が強く、記憶に残るフレーズでした。
それなので、社員にはこの CIを意識して仕事に挑んでほしいですし、CIを体現している人を評価できるように、今後はコンピテンシーや行動目標にもつなげていきたいと考えています」
働く理由を自分で選べる時代。だからこそ、働く“意義”を考えてほしい
テンダがCIを刷新したのは、大きな転換期を迎えていることに起因しているとお伝えしましたが、その背景には“働き方の変化”があります。
戦後の日本では、喉の渇きを潤す、空腹を満たすために必死で働いていました。「マズローの欲求5段階説」で言うと、1番下の階層にある「生理的欲求」です。どの仕事を選ぶかよりも、自分や家族の生活を守るためにお金を稼ぐことが重要でした。
かたや現代は、ものが豊かにあふれるようになり、文明の進歩とともに仕事の種類も多岐にわたるようになりました。その結果、私たちは“なんのために働くのか”を問われる時代になったのです。
「自己表現欲求」なのか、「承認欲求」なのか、「社会的欲求」なのか──。
そもそも会社のあり方も変わってきている今、組織に属する必要性も多様化してきて、副業・複業など働き方自体が進化しています。
だからこそ、会社側はCIを明確に提示し、その会社で働く意味を各々が考えられるように導くのが責務だと中村は考えます。
中村 「私は、経営はアートだと思っています。経営の 5大要素(人・モノ・金・情報・時間)を生かして、マーケットに対してどう表現するかが大事。一人ひとりの社員が自身の価値を生かして働き、その結果付加価値の高いものを創造して社会に提供できるという流れになるよう導きます」
人が成長すれば、会社が成長する。会社が成長すれば社会が成長する。社会が成長すれば、人の生活をより豊かにできる──。すべてはつながっているのです。
いまテンダで働いている人たちが、テンダで働き続ける理由は何なのか。選択肢が多い現代、それを各々が見つけられるように、北極星のような存在として掲げたのが、今回刷新したCI「SHINKA経営」でした。
SHINKAし続け、成長し続け、次の100年へ──。
新たなCI「SHINKA経営」を掲げた今、私たちはその先の未来を見据えています。
経済は生き物です。SHINKAも同じで、必ず潮流があり、逆行することはありません。自分がいる場所に留まり続けると淘汰されてしまいます。かつて、そうやって恐竜は絶滅していきました。
では、淘汰されないためにはどうすればいいのか。
大事なのは、大きな流れに身を委ねること。そしてもっと大事なのは、その流れよりも速く泳ぎ、常に一歩先に進み続けること。SHINKAし続けることに終わりはないのです。
常に一歩先を見据えて行動し、準備していく──。たとえその挑戦が苦労の連続だとしても、繰り返しチャレンジしてきた人だけがSHINKAし続けられるのです。
何をやるのかも大事ですが、誰とやるのかはもっと大事です。せっかくSHINKAするのであれば、納得のいく仲間と楽しく歩み続ける方が、格段に人生が豊かになります。
中村 「たとえば、社会貢献という目的を果たすとき、会社は手段でしかありません。その手段をどう使うか、そもそもどの手段を使うかというのは、各々が考えることです。当社の社員には、縁あってテンダにいるのならテンダという手段を有効に使って SHINKAし、会社と成長のベクトルを合わせて、個人の成長を果たしてほしいですね」
全員がSHINKAを追求し続け、経済という大きな流れの中で常に一歩先を見据えることが、テンダの次の100年につながるはず。そう私たちテンダは信じています。
テンダのSHINKAが社会にいい影響を与えられるよう、目線は常に前へ。歩みを止めることはありません。