長年愛されてきた「肌ラボ」からこれからの環境を考える | キャリコネニュース
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長年愛されてきた「肌ラボ」からこれからの環境を考える

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これからの未来を考えたときに私たちにできることはなんでしょうか。多くのお客様に愛されるロート製薬の主力アイテムである「肌ラボ」。最近、部門を超えた環境対策の取り組みがスタートしました。この取り組みの裏側にあった想いとは。メーカーだからこそ考える環境への想いをひも解きます。【talentbookで読む】

ロート製薬を支える「肌ラボ」のこれまでと今

2019年に120周年を迎えたロート製薬。胃腸薬「胃活」の発売がすべての始まりでした。1909年には目薬を発売し、「ロート目薬」の名前は瞬く間に広がります。さらに、1980年代後半にアメリカのメンソレータム社を買収し、スキンケア研究を本格的にスタート。今では国内での売り上げの約6割はスキンケアとなりました。

そんな中でも2004年に誕生した「肌ラボ」は、今やロート製薬を支える一大ブランドです。

「肌にいい成分をぎゅっと詰め込んだシンプルな化粧品を発売できないだろうか」

当時の化粧品は、成分表示を見るとたくさんの成分が羅列されているものが多く、そんな強い想いから商品開発がスタート。保水力の高いヒアルロン酸をふんだんに配合して、無駄なものをそぎ落とし、シンプルにいいものだけを肌に届ける化粧品が誕生することになりました。

高効果なのにリーズナブルな価格設定、シンプルなパッケージ、とろみともちもちの使用感と、これまでにはない化粧品として発売。翌年には、当時珍しかったプラスチック容器と詰め替えパウチを発売、使いやすさやその効果感から、一瞬にしてお客様からご支持をいただくことになりました。

発売から15年以上、リニューアルを重ね、今では肌支持率NO.1 ※1の化粧水ブランドとなりました。しかし、時代を超え、店頭にあって当たり前のブランドになり、あらためて「肌ラボ」の特徴や良さを知っている人は逆に少なくなっているのではないか、まだまだ多くの方に知っていただくことができるのではないかと感じることもありました。

また、社会を見わたすと、時代の変化とともに環境への意識も高まってきており、ロート製薬の社内でもモノづくりを行う企業として、どう環境と向き合っていくべきなのかという議論が徐々に行われるようになりました。

その議論の中で真っ先にあがったのは、「肌ラボ」でした。多くのお客様に愛されるブランドだからこそ、一番に取り組むべきであるとその場にいたメンバー全員が感じていました。

そうして容器などを検討、調達する製品企画管理部とプロダクトマーケティング部の奥野 久仁子を中心としたメンバーで編成されたチームがつくられます。

※1 化粧水の合計販売個数に対する、「肌ラボ」シリーズの割合。インテージSRI化粧水市場 2007年4月~2019年3月販売個数

「肌ラボ」だからこそ、こだわること

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最初に話を挙げたのは、製品企画管理部。

資材があり、環境にも良く、ロートとしてもやってみる価値はあるのではないかという考えがありました。実は以前から環境対応の話はあったものの、現場ではコストの高さやお客様から見た使い勝手の良さ、デザイン性も変更せざるを得ないというイメージがあり、スタートすることをためらっていました。

しかし、会社として舵を切るタイミングで、現場を含めてメンバーの意識も大きく変わりました。そして、懸念されていた資材のコストや使い勝手の良さ、デザイン性も検討を重ねると突破できる可能性が見えてきたのです。

「まずは一歩踏み出してみよう。私たちにできることは、どんどんやっていこう」という使命感とともに、検討がスタートしました。

私たちにできることは何かと考え、すでに市場にある容器を見てみると、どうしても容器の色味やデザインをこれまで通りにすることは難しい状況でした。それでも、世代を超え多くの方に愛される「肌ラボ」は価格とともに商品力が大きな魅力となっており、「お客様のために」という部分は外せないポイントです。

大切にすべきことは残しながら、環境への配慮もする。これまでの「肌ラボ」の商品を通じてお客様にお届けしていた商品のすばらしさと使いやすさという、どちらも欠けてはならないポイントをもとに、製品企画管理部では試作の日々が続きました。

できる限り早くつくり、店頭に並べていきたい──製品企画管理部のメンバーのこの想いが、植物由来の原料を一部に用いたバイオマスパウチの完成へとつながりました。

ロート製薬ならではの環境対応を突き詰める

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プロダクトマーケティング部では、メンバーを中心にロート製薬オリジナルの環境マークである「R・ecoマーク」を制定しました。これは、コンセプトからロゴの策定まで約1カ月というスピードの早さで決まりました。

奥野 「やるべきことは決まっていたので、コンセプトやロゴ策定で迷うことはなかったです。会社がこれからも環境問題に取り組んでいくという意思表示として可視化することで、責任をもってそれにともなった行動をしていく必要性に納得することもできましたね」

そして、この「R・ecoマーク」は今回のバイオマスパウチなどの環境対応をしている商品パッケージに組み込むことも決まり、徐々に熱は高まっていきました。

2019年11月以降に生産され、店頭に並んでいる「肌ラボ極潤」・「肌ラボ白潤」のパウチ全6品は、今回の第一弾として発売された植物由来の原料を一部用いたバイオマスパウチです。

パッケージに入った「R・ecoマーク」には、ロート製薬が掲げる経営理念も土台としながら「ひとのココロとカラダはもちろん、地球の健康も実現していきたい」という想いを込めています。

ロゴのデザインでは、これから生まれてくる次世代の子どもたちのために地球を健康にしていきたいという想いで、Rに子どもの顔や前向きに歩いている様子を入れました。

そして、使いやすさなどはこれまでのパッケージと同様に、製品企画管理部のメンバーの念願もかなった商品が発売することになりました。

今回リニューアルした6品を通じて、年間約3.8トンのCO2を削減することができます。これは500mlの耐熱ペットボトルに換算すると、約2.4万本分となります(2018年購入資材から算出)。

使命感でスタートした今回の取り組みは、あくまでも第一歩にすぎません。

今回の動きをきっかけに、他部門でも同様に環境に配慮した商品づくりの動きを行っていきたいという話があがるなど、ロート製薬全体に広がりを見せています。

「メーカーだからこそ」これからも続く私たちの環境への取り組み

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今後、「肌ラボ」シリーズの他の商品でも、商品のリニューアルなどのタイミングで切り替えを行っていく予定です。

奥野 「実際にこの環境への対応を検討する中で、周りのメンバーの意識も変わっていきました。社会の動きは激しく、その中でメーカーとして存在する限り、これからの地球環境を考えることは義務、当たり前になっていると思いますね」

プロダクトマーケティング部の中では、環境への対策をやらねばならぬものとして考え始めることも増え、「地球のために……」という言葉で始まる会話をするようになりました。

奥野 「製剤の安定性の部分で、難しい医薬品でも添付資料を工夫したり、ラベルを変えたり、再生紙率を高めたりすることで環境への配慮はできると思っています」

2020年現在は肌ラボで取り組みが行われていますが、それを今後他のブランドでも行っていこうとしています。

私たちの取り組みの原点はお客様があってこそ。だからこそ、商品を通じてお客様のお悩みにお答えしながら、環境への配慮をしていく。それはこれから残したい未来に向けての投資でもあります。

奥野 「たくさんのお客様の心身共に健康であることに役立てる商品づくりをしていく上で、環境にも配慮をすることがこれからの商品づくりには必要不可欠になっています。

しかし、それだけでもいいのでしょうか。『健康』を軸に挑戦してきた私たちだからこそ、商品づくりにとどまらず、やっていくべきこと・やってみたいこともあるのではないかなと考えています。

まずは『肌ラボ』を通じてお客様がこれまで通り商品を使っていただいた際に、それが実は環境にいいことをしていたなど、さりげなくお客様も巻き込んでいきたいですね」

プロダクトマーケティング部には若いメンバーがたくさんいます。だからこそ、そういったこれからの次世代を担うメンバーと一緒に、これからもメーカーだからこそできる取り組みについて考え、実行していきます。

ロート製薬株式会社

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