新卒1年目の挫折。未来を開いた大きなカギは「できない自分」を認めることだった
2018年に新卒で入社し、3年目を迎えた菅沼 祐介。2020年現在は複数のプロジェクトを担当し充実した日々を送っています。最初は社会人として大きな壁にぶち当たり、くじけそうになったことも。そんな彼はマネジメントソリューションズ(MSOL:エムソル)の中で、どのように挫折や葛藤を乗り越えたのでしょうか。【talentbookで読む】
「やりたいことがわからなかった」汎用的なスキルを求めコンサル業界へ
大学では商学部で、主にマーケティングやコンサルティングを学んでいたという菅沼 祐介 。陸上や軽音楽などのサークルに所属しつつ、いくつかのアルバイトも経験し、充実した学生生活を送っていました。「興味があったらどんどんやっちゃうタイプ」と話す菅沼。一方、就職活動ではその興味の広さ故に自分のやりたいことを決めかねていました。
菅沼 「もともと本が好きで、編集のアルバイトもしていたので、最初は編集者になろうと思っていました。ただ、今は電子書籍が増えたりSNSから本が生まれたり、そんな風に目まぐるしく世界が変化していく中で、『編集』というスキルしか身につけられないことに抵抗を感じる自分もいたんです。正直『これをやりたい!』という強い想いもありませんでしたし、この先の未来を生き抜いていけるのかと、漠然とした不安がありました」
ただ、そんな中で見えてきたのがコンサルティング業界だったと言います。
菅沼 「当時、ゼミ活動の一環でコンサルティング企業の実例を学んで『おもしろいなあ』と思っていました。また、業界として個人の能力を高めるチャンスがたくさんあり、将来、自分がやりたいことを見つけたときに役立つ汎用的なスキルを身に付けられるのではと思ったので。最終的にはコンサルティングに絞って企業を選んでいましたね」
順調に選考が進んだ菅沼。業界を絞る前は、ESや面接に苦戦していましたが、コンサルティング業界に絞ってからはMSOL含めて外資大手総合系コンサルティング会社1社、国内大手総合系コンサルティング会社1社の計3社から内定をもらったと言います。
そしてMSOLへ入社する決め手となったのは、マネジメントが未来をカタチにする推進力になると感じたからでした。
菅沼 「MSOLが担うプロジェクトマネジメントは、簡単に言うと『組織が持つ成果を出す力を引き出すこと』と、どんな業種・業界でも必要とされていることです。組織に求められている成果を定義し、さまざまな立場の人々をまとめながらそのゴールを目指すことは、シンプルだけど難しい。そういう力を身に着け、実践することで多くの人の助けになれるし、将来の自分のためにも生かせるかもしれないと思いました」
汎用性に魅力を感じ、菅沼は入社を決めます。
自分と向き合う──上司と日報から学んだこと
就職活動では「苦しかったことはあまりない」と話す菅沼ですが、MSOLへ入社し現場に出てすぐに大きな壁を感じていたと言います。組織として成果を出すためにMSOLが得意とする領域、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の難しさとはなんなのでしょうか。
菅沼 「入社して2カ月は研修期間だったんですが、同期とも仲良くできてとても楽しかったです。でも研修を終えて現場に出ると、PMOの難しさを痛いほど感じました。
マネジメントには決まった正解がありません。リーダーの考え方によって答えが変わります。だから上司ごとにアドバイスや指導の仕方も違うし……。何をどう取り組んだらいいのかわからなくなっていましたね。楽しいと言っている同期もいたので、自分は向いていないのかなって、何度もくじけそうになりました」
社会人のスタートとして苦しい日々を送る中、菅沼はどのように乗り越えていったのでしょうか。当時を振り返り、菅沼はこう話します。
菅沼 「一番大きかったのは“できない自分”を受け入れられたことだと思います。1年目の社員は日報を記入して、その日にやったことや失敗したこと、その原因などを目標と照らし合わせながら自分を振り返るという決まりがあります。私も毎日記入して上司に提出していたんですが、初めは全然受け取ってもらえませんでした。『視点が違う』『もっと書ける』などと、よく突っぱねられましたね」
その度に悩んでいた菅沼。ところがあるとき、ふと、自分と向き合いきれていないことに気づきます。
菅沼 「それまではプライドを守るために、できないことを他の誰かや環境のせいにして、自分の“今”から目を背けていたんです。思えば陸上もバンドも、始めたときは、最初からできる人ではありませんでした。でも、もがきながら努力し続けた結果、最後には『一番変わったよね』と言われていて。
そんな自分を思い出してから、上司からも『最近とくに成長しているし、お客様からも信頼してもらう動きができている』と言ってもらえました。『無知の知』といいますか、日報を通じてようやく社会人としてのスタートラインに立てた感覚がありましたね」
また、菅沼は当時の上司への感謝も口にしました。
菅沼 「上司はきっと、あえて私に正解を教えませんでした。そのおかげで今、自分自身で乗り越えて成長できたという感覚があるんだと思います。本当にありがたかったですね」
日々の充実感は、日々のコミュニケーションから
2020年現在、入社3年目となった菅沼。徐々に複数のプロジェクトを担当するようになりました。後輩ができたり、社内の先輩が同じチームにいたり、1年目と比べ大きな充実感を感じています。また、チームとしてプロジェクトが順調に進むおもしろさを感じている菅沼。お客様から「ありがとう」と感謝の言葉をもらえることも増えたと言います。
菅沼 「1年目のころは、正直お客様とのつき合い方が薄く、上司のことばかり見て、上司が答えを持っていると思っていました。怒られないようにしようと自分本位な仕事をするばかりで、クライアントファーストの本質を見失っていたんですよね。
でも今は、積極的にお客様とコミュニケーションをとっていくことで、頼ってもらえることも格段に増えました。やっぱりお客様から感謝されることは、とても大きなやりがいです」
普段の業務では些細なことにも気を配ります。
菅沼 「PMOとして、やっぱり日々のコミュニケーションの中から小さな変化を察知することが大事だと思うんです。MSOLはシステム開発のプロジェクトにおいて、ユーザー側(発注者)と開発側(受注者)という立場の異なる関係者の間に立ってプロジェクトを進行することが多くあります。そこで両者が抱いている疑問や課題を解決するのが私の仕事。なので、お客様がどんなことを考えていて、何に悩んでいるのかを敏感に察知する必要があります」
PMOとして重要なのはクライアントと同じ目線で仕事をすること。そのために菅沼は、プロジェクトに関わる人に毎日対面で話しかけることを心がけます。
菅沼 「これは上司から教わったことですが、とくに仕事の話がなくても、あいさつや世間話を交わすようにしています。単純接触効果という側面だけでなく、相手を理解するためにも必要なことだと思います。実際、みなさん結構話してくれるんですよね。やり場のない普段の愚痴とかも聞こえてきたりして(笑)。
そして、そういう配慮って意外と周りの方は見てくれていて、ひいては信頼につながる部分だと思います。多くの人間が関わるプロジェクトには、やっぱりどうしても“感情”という難しい要素がつきまといますが、信頼関係を築ければより円滑にチームとして進んでいけるんです」
業務へ直接的に関わる部分ではありませんが、日々のコミュニケーションはとても重要だと菅沼は考えています。
後輩へのアドバイスと、自身が見据える未来
社会人として成長し、充実した日々を送る菅沼。自分の経験をもとに2020年現在、後輩へ自分と向き合うことの重要性を伝えています。
菅沼 「とにかく『振り返れ』と言いまくってます。『しっかり自分と向き合え』と(笑)。あとは思いやりを持ってお客様と接してほしいなと思っていますね。お客様を動かすためには、まず相手を理解する必要がありますが、そういう理解って一朝一夕で生まれるものではなく、日々の積み重ねだからです。
だからこそ、常に相手の立場に立って考え、思いやりのある仕事をしてほしいなと。メールを送るにしても資料をつくるにしても、他の人が見やすいように、相手の仕事をしやすいように配慮してほしいとは伝えていますね」
また、PMOに向いている人は、人と話すことが好きな人だといいます。
菅沼 「コツコツ地道に積み上げるのが好きな人や、『誰かのために貢献したい』『感謝されたい』と思う人も向いているかなと思います。PMOはあくまでもお客様の成果を生み出すために仕える伴走者なので『自分が自分が』というよりかは、誰かのために頑張れる人と仕事がしたいですね」
大きな挫折を乗り越え、マネジメントの持つ可能性に気づき始めた菅沼が掲げる目標は大きく広がります。
菅沼 「まずは、現在取り組んでいるプロジェクトマネジメントのスキルを、自分ひとりでも使いこなしていけるようになりたいですね。汎用性の高いこのスキルをしっかり会得して、将来何かを始めようとする人にとって、大きな力となり貢献したいです」
また、農業や出版業など、さまざまな事業に興味が湧いていると語ります。自分の世界を広げるため、普段から異業種の方が集まるイベントに参加したり、知人から紹介してもらったりと、菅沼は知らない業界の人と接するようにしています。
菅沼 「自分が大きな成功を成し遂げるよりは、『誰かがちょっとした幸せを感じられる』とか『日々の鬱憤を晴らせる』とか、そんな場づくりのために自分のスキルを生かしていければと思っています」
MSOLで自分とまっすぐ向き合い、そして明るい未来を見据える菅沼。その語り口や表情からは、葛藤を乗り越えた自信と、自分自身への期待を感じます。