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心をつかむコピーライティングのコツ! 現役コピーライターがわかりやすく解説

商品やサービスを消費者にアピールするとき、キャッチコピーは重要な役割を果たします。どんな言葉を使えば、商品の魅力がより良く伝わるのでしょうか。どうすれば、消費者の心をつかむことができるのでしょうか。これまで年間200件もの企画立案をしてきた現役コピーライターの仲俊光さんが、人の心を動かすコピーライティングのコツをわかりやすく解説します。

目次

 コピーライティングとは?
 よいキャッチコピーを書くコツとは?
 コピーライティングの方法とは?
 よりよいコピーライティングをするために
 

仲 俊光さんのプロフィール

CMプランナーとして年間200以上の企画を立案。 その経験から、コピーライティングやCM企画の講師を務めることも。 また広告とは違う分野で起業。 知り合いもいない0からのスタートで資金調達もしていないながら 広告の考え方を利用し、起業半年にして業界で話題になる。 そのことからクリエイティブコンサルタントとしての需要が増え 企業の課題解決、ブランディング、スタートアップでも可能な広告の提案などをおこなっています。

 

コピーライティングとは?

——そもそも、コピーライティングとはどんなものなのでしょうか。 コピーライティングとは、世の中の人を動かす言葉だと考えています。 コピーライティングには、大きく2つの役割があります。1つが売上や利益を確保するために認知度を上げること、もう1つが商品やサービスのイメージを形成することです。 企業では、「売上をあげたい」「利益をあげたい」といった課題を抱えています。そのためには世の中の人たちからの認知を獲得する必要があります。どういう会社なのか、どういう商品なのかをわかってもらうためにコピーライティングが存在します。 もう1つのイメージ形成は、ブランディングにもつながる話です。「かっこいい商品(企業)だな」「便利なサービスだな」といったイメージを作るのに、動画やCMのコピーは適しています。

よいキャッチコピーを書くコツとは?

よいキャッチコピーを書くために「時代感覚」をインプットしよう

——よいコピーを書くためのコツを教えてください。 初めてコピーを書く人はよく、「●●のすぐそばに」「▲▲の思いを込めて」といった、日本語として雰囲気のいい言葉を使おうとします。しかし、そうした言葉では、なかなか人は動いてはくれません。人を動かすコピーを書くには、言葉の種類をインプットするのではなく、時代感覚をインプットすることが大切です。 ——時代感覚をインプットするとは、具体的にどのようなことでしょうか。 今は価値観が流動的に動いている時代です。たとえば、ジェンダーの問題についても日々さまざまな意見が交わされています。そんな中ではいかに言葉を化粧するかよりも、時代を正確にとらえ、届けたい相手に届けるための言い方や言葉使いを考えることが、よいコピーを書くための近道だと考えています。

——時代感覚を身につけるにはどうしたらよいのでしょう。 時代感覚は、ふだんから意識して培っていくものだと思います。仕事を依頼されてから「今の時代感覚はどうなのか」と考えるのでは遅いでしょう。 私は今30代後半にさしかかったところですが、20代の人たちの感覚とはまったく違います。ですから、20代の人たちが使う商品のコピーを考えるのであれば、20代の人たちの話を聞くようにしています。 先日、こんなことがありました。

私が業務用のカメラを持っていたら、10歳にも満たない子から「フワちゃん(※)越えできるようにがんばってね」と話しかけられたのです。彼らは業務用のカメラを見て、YouTubeの動画を撮影していると思ったのですね。

私たちの感覚では、業務用のカメラといえばテレビ用の動画を撮影する感覚なのですが、世代によってとらえ方がまったく違うのだと感じました。こうした「違い」を認識しておくことは、コピーを考えるにあたって重要なポイントだと思います。

※フワちゃん…YouTuberとして人気のお笑いタレント。

コピーライティングの方法とは?

コピーライティングは地道な作業

——実際にコピーライティングをするときには、どのようなステップで進めていくのでしょうか? コピーライティングはものすごく地味な作業です。 私の場合はまず、A4用紙を1枚、机の上に用意します。そこに、「今の世の中の傾向はこうだ」「この商品はこういうものだ」「この商品のこういう側面はこんな言葉で表現できそうだ」といったことを、思いつくまま箇条書きでどんどん書き出していきます。 そうした地道な作業を続けて、その中から「これは今の時代に刺さるかもしれない」というピンポイントの言葉を見つけていきます。 ——なかなかコピーが思いつかないというときはどうしますか? コピーが何も思いつかないときは、その商品の競合他社ではどんなことをしているか分析をします。競合と違うことをすれば差別化ができるので、そんなふうに糸口を探すこともあります。

過去の名作コピーを参考に「考え方」のヒントを得る

——キャッチコピーには適した文字数などはあるのでしょうか。 キャッチコピーは人の心に残すための言葉ですので、長いと覚えてもらえません。テレビCMやタクシー広告、Web広告など、それぞれのメディアの性質にもよりますが、いずれも短い文字数で、難しい言葉を使わずに人の印象に残すというのが基本です。

——短くて、かつ簡単な言葉を使おうとすると、範囲が狭くなって候補が思いつかなくなりそうです。そうしたときに参考にしているものはありますか? 過去の名作コピーを参考にしています。コピーをそのまままねるのではなく、コピーの背景にある「考え方」を想像するのです。80年代は特におもしろい広告がたくさんあります。そうした広告を見て「80年代はこういう時代だったから、こんなふうに考えてこのコピーを生み出したのではないか」と想像し、今の時代に応用します。

よりよいコピーライティングをするために

よりよいコピーを書くためには「客観的に言葉を見つめる」

——よりよいコピーを書くための注意点や心がけていることはありますか? 「人としてまっとうであること」です。コピーライターをしていると、自分が作ったコピーについていろんなことを言われて腐ってしまったり、必要以上におだてられて天狗になってしまったりということが起きかねません。自分で書いた言葉はかわいくて思い入れが強いものですが、そんな気持ちを排除して客観的に言葉を見つめられなければ、いいコピーは書けないと思っています。

——言葉の感覚を磨くためにできることはなんでしょうか? コピーを書くとき、どうしても「いいこと」だけを言おうとしがちです。しかし、きちんと本音と向き合うことは大切です。私はあえて、その商品の悪い面にも目を向けます。「ここが悪い」と思う本音の中に時代感覚が隠されていることがあるのです。 誰が見てもその商品やサービスの良さが伝わるのであれば、大した言葉を添えていなくても売れます。しかし、商品やサービスの内容が伝わりづらい場合には、広告の切り口を変えてみるのも1つの手段です。

1つの切り口だけで20個、30個のコピーを書くのではなく、さまざまな切り口でコピーを考えていくことで、自分の引き出しができあがっていきます。

語彙力よりも大切な「アイデアのストック」

——自分には語彙力がないという理由からコピーライティングができないと考えている人もいると思います。そんな人はどうしたらよいでしょうか。 私も「『言いたいこと』はこれだけど、『言い方』はこれじゃない」という感覚によく陥ります。「こういうことが言いたい」というキーワードがあれば、インターネットで検索して違う言い回しを調べてみればよいと思います。 以前、元電通のクリエイティブディレクターの方が「アイデアとは思い出すこと」と言っていました。私はそれを「思い出したいときに、思い出したいことを思い出せる」ということがアイデアだという意味にとらえています。自分が「おもしろい」「いいな」と思うものをストックしておくことのほうが、語彙力よりも大切なのではないかと思っています。

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