言葉と絵で伝える“共感覚”アーティストがライバーデビュー「“共感覚”という存在を知ってほしい」
通常とは異なる感覚を持つ「共感覚」という個性を持って生まれた山口葵さん。特殊な感覚を活用したアーティスト活動をするほかSNSや動画配信で多くのフォロワーを獲得し、インフルエンサーとしても活動の幅を広げています。活動の核となるのは「共感覚というものの存在を多くの人に知ってほしい」という思い。葵さんの活動や、今後の目標を伺いました。
「音や匂いに色を感じる」不思議な共感覚の世界
葵さんは、五感に通常とは異なる感覚を得る「共感覚」の持ち主。その個性を活かし、「共感覚アーティスト」として作品を製作したり、イベントやトークショーなどに登壇しています。
「共感覚」とは「音に色がついているように感じる」「文字や数字に匂いを感じる」というように、通常であればリンクしない複数の感覚を得ることを言います。共感覚者の感じ方は多種多様にあり、葵さんの場合には「数字に人格が見える」「他者に対して色を感じる」「においに色が見える」といった感覚があると言います。
著名人ではミュージシャンのスティービー・ワンダーや童話作家の宮沢賢治が共感覚者だと言われています。脳科学の分野で研究されているものの、共感覚が現れる仕組みについては、未だ解明に至っていません。共感覚を持つ多くの人が生まれたときからその能力が備わっている場合が多く、本人ですら特殊な感覚の中で生きていることに気が付いていないということもあるといいます。そのため、共感覚を持つ人の数を正確に捉えることができず、研究が進まない要因のひとつでもあるのだそうです。
そんな個性を持って生まれた葵さんも、感覚が人とは違うものだと知ったのは大人になってからでした。その個性に共感覚という名があることを知ったことが「共感覚アーティスト」の活動を始めたきっかけだった、と話します。
「子どもの頃から五感や感情とともに色が見えたり、数字が人のように感じたりしていたのですが、それが普通のことなのかなと思って生きてきたんです。それが『共感覚』という特殊なものだと知ったのは20代に入ってからでした。ブログで日記を綴っていたのですが『数字に人格が見える』ということを書いた時に読者の方から共感覚だよ、と教えられて。
その後、SNS上で共感覚に関する研究者や心理学の先生などが対話をする中に共感覚の当事者として登壇させてもらい、学術的にも興味深い世界だということを知りました。もっと多くの人に共感覚を知ってほしいと考えたのはその頃からです。共感覚で見える世界がどんなものかを表現するために筆を手に取り、アーティスト活動を始めました」
共感覚でアートを製作。SNSや動画で情報発信も
言葉と絵で伝える「共感覚アーティスト」としてパフォーマンスをするほか、共感覚に関するトークショーなどに登壇している葵さん。さらに多くの人に共感覚を知ってもらうため、インスタグラムやTwitterなどのSNSに加え、動画配信サービスでも活発に発信しています。
中でも葵さんのTikTokは発信内容も多彩。共感覚に関連する情報を発信するだけではなく、葵さんの日常の一コマのショート動画やゆるい雑談をするライブ配信など、葵さんの自然体の姿を見ることができます。
「さまざまなSNSで表現しているのですが、ライバー活動はTikTokが初めて。共感覚を知ってもらえるような発信のほかにも、まずは私という存在を知ってもらえるように、いろんなことを表現していきたいなと思っています。
私は伊勢弁という、少しおっとりとしている方言を話すのですが、歌を歌うと全然テンションが違うって驚かれます。オリジナルソングを作ったり、振り付けを考えて踊ってみたり、今後はいろんなことに挑戦していきたいです」
SNS以外でもアートをはじめとした表現活動には意欲的です。
「共感覚を持つ人たちにとっても、生きやすい世界ができるといいなと思っています。たとえば、お子さんと親御さんに向けたアートイベント。独特な感性を持っているな、と思われるような子に、実は共感覚が備わっていることもあるんですよね。共感覚っていうものがあるんだよ、というのを親御さんや子どもをサポートするお仕事をする方にも知っていただく機会が作れたらいいなと思っています。
それから、共感覚の研究を行っている国立大学への研究協力も継続していきたいと思います。科学的な観点から分かったこともどんどん発信していきたいですね」
さらに、活動の場所をスキルシェアのプラットホーム「タイムチケット」にも広げ、対話ができるサービスの提供も始めました。穏やかな語り口調と持ち前のふんわりした雰囲気で、ゆったりとした時間を提供しています。
「多くの人に共感覚という言葉を知ってもらいたい」。ふんわりとした雰囲気のなかに強い芯を感じる葵さん。アーティストとしてライバーとして、今後の活躍に期待が高まります。
Instagram、Twitter、Facebook、note、TikTokなど 様々なSNSの総フォロワー8万人。共感覚アーティストや歌、写真など様々なエンターテイメントで皆さんに楽しい気持ちや癒しを伝えています。喋りはおっとりした伊勢弁(三重弁)タイムチケットでは元リラクゼーションセラピスト経験やフォトグラファー経験を活かしてお役に立てると嬉しいです♪
◾️ TikTok
https://www.tiktok.com/@aoiyam__
◾️ タイムチケットのチケットサービス