3年間毎日動画をアップし続けてフォロワー12万人超の人気クリエイターに 芸人・クロヤナギコウジさんインタビュー
TikTokやInstagramで動画を投稿しているクロヤナギコウジさんは、吉本興業に所属する芸人であり、TikTokでフォロワー数12万人以上を獲得する人気クリエイター。動画制作を始めてから3年間は毎日動画をアップし続けてきたというクロヤナギさん。活動の裏側を紐解くとともに、今後の目標について話を伺った。
日常のちょっとした行動を切り取った「あるある」ネタでブレイク
――クロヤナギさんはどのようなクリエイター活動をされているのでしょうか。
TikTokやInstagram、YouTubeなどで、主にショート動画を投稿したりライブ配信をしています。ショート動画では自分の顔に女性化フィルターを被せるアプリを使った状態で、女性のちょっと仕草やキャバクラに勤めている方が日常的に感じていること、お客さんとのやり取りなどの「あるある」を中心に投稿しています。
例えば、女性がアイメイクをしているとき、無意識に口がパカっと開いちゃう…といったことですとか。そういった癖とか仕草を、観察しているつもりはないんですが気づく方だったので、自分が見てきたことをネタにしていますね。
キャバ嬢あるあるも、自分の体験だったりキャバクラで勤めている女性たちから直接教えてもらったことをネタにさせてもらっています。ライブ配信に現役のキャバ嬢リスナーが来てくれて、「お店でこんなことがあってさ…」とかエピソードをコメントしてくれたりするので、リスナーとの交流からもネタのヒントをもらっています。
――「女性あるある」は一般的にもわかりやすく「あるある!」とクスリと笑えて、続けて何本か観たいと思える中毒性も感じます。現在はフォロワー1万人を獲得しているわけですが、その人気を保つ秘訣はなんでしょう。
まず大事にしていることは女性を侮蔑しないことですね。たとえば「女」と呼ばずに必ず「女性」と呼ぶこと。小さなことですが、言葉一つで悪印象に変わることは多いと思うので。
動画で「キャバ嬢あるある」を演じるときに「町田23位のキャバ嬢」というネーミングにして名前をつけていないのも、同じ名前で実際に勤めているキャバ嬢がバカにされたりすることのないように、という考えがあってそうしています。細かい部分にはこだわっていますね。
ひとつの芸としてクリエイター活動を開始。コロナ禍が転機に
――クロヤナギさんは芸人をされているんですよね。
そうなんです。芸歴19年目、今43歳になったんですが23歳の時に東京NSCという吉本興業の養成所に入ったところから始まり、芸人をやっています。今はピンですが、以前はコンビを組んで活動していてM-1にも挑戦しました。新型コロナが流行し始めた頃、2020年に解散してからはピンで活動しています。
――動画やライブ配信といったウェブ上での活動はいつから?
動画制作と投稿は2019年から始めていたんです。芸人はM-1やキングオブコントのようないわゆる賞レースで勝ち上がらないと売れないっていう部分もあって。何か特技とか…ものまねだとか、そういった取っ掛かりがあった方がいいなと考えて。それで、2019年から「毎日動画を上げる」っていうのを始めたんです。当時から「女性あるある」「日常あるある」のショート動画を作って、3年くらい毎日上げ続けたんです。
――3年もの間、毎日ですか!並大抵のことではないですね。
そうですね。始めたばかりのときは視聴回数も二桁あるかどうかで、ほとんど誰にも観られてない状態でしたけど。それでも毎日、1年365日上げ続けていました。
――どうして続けることができたのでしょう。
その当時からフォロワーを増やそうという気持ちはもちろん持ってやっていますけど、「頑張ろう」とし続けていたら多分心が折れていたと思うんですよね。
だから頑張ろうって発奮してやるっていうんではなく、無理矢理にでもルーティン化させてやっていました。毎日続けていくことを努力だと思わずにやっていったことが、結果的によかったと思いますね。
いや、思い出すとあの時はきつかったですよ。彼女に振られようが動画は上げなきゃいけなかったんで。自分のプライベートに何が起きようが、動画は作って上げていましたよ。当時の動画を見返したら、きっと顔死んでると思います。
それに加えてコロナ禍が追い風になったのもあります。2020年、新型コロナが蔓延し始めてから芸人の仕事もアルバイトも無くなってしまって。時間を持て余していたんですね。
その時、これまでの動画配信に加えてやり始めたのが「ポコチャ(ライブ配信サービス)」でのライブ配信でした。緊急事態宣言が出て外出自粛になった頃で、動画やライブ配信を観る人も増えたし発信者も増えたんですよね。例えばポコチャでは、コロナ禍で営業できなくなった接客業の女性たちの中でポコチャが流行っていて、ライブ配信し始める人も結構多かった。そんな中、僕が発信していた「女性あるある」とか「キャバ嬢あるある」が夜職の女性たちにウケて、そこから広く観てもらえるようになったんです。2019年の1年間動画を上げ続けてもフォロワー数400人くらいだったのが、「女性あるある」に絞って上げていったら3ヶ月で1万人まで到達しました。
――ライブ配信が起爆剤になって、これまでやっていた動画投稿も含めて多くの人に見てもらえるようになったんですね。
そうですね。コロナ禍で人生が変わったという実感があります。
現在は、TikTokでの動画投稿は2日に1回の頻度で。ライブ配信は週に4、5回やっています。TikTokにポコチャ、YouTube、オンラインサロン、Instagramのサブスクと活動場所を増やしているので、毎日どれかの媒体ではアップしています。撮り溜めしないと決めているので、毎日何かしらは撮影していますね。
クリエイター活動を足がかりに、芸人として飛躍したい
――今後、目標としていることや挑戦したいことはありますか。
(クリエイター活動を)やっている限りはやっぱり誰かに評価されたい思いはあります。TikTokではアワードがあるので、トロフィーをもらってみたいかな。それが目指すところですね。
それから、テレビでも活躍できたらと思っています。僕はテレビで育ってきた人間なので、やっぱりテレビに出られるようになるというのが目標です。実は以前、動画でやっている「あるある」ネタでお笑い番組に出させてもらえたこともあったんです。なので、僕が今取り組んでいる動画やライブ配信も、続けていくことで戦えるジャンルになり得るんだなと。今後も積み重ねていって、テレビ画面をとおして多くの人に見てもらえるようになりたいですね。
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