社内コミュニケーションが活性化する!万協製薬の「ユニークな社内制度」に注目 | キャリコネニュース - Page 2
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社内コミュニケーションが活性化する!万協製薬の「ユニークな社内制度」に注目

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医薬品・化粧品を製造する、万協製薬株式会社が、2019年3月に開催された「ホワイトアワード」で「働きがい部門」を受賞した。万協製薬には、「組織」と「個人」それぞれの能力を向上させるために、ユニークな取り組みがなされているという。今回は、代表の松浦信男さんにお話を伺った。

「社長直行便の提案書」「ありがとうカード」個人と組織の能力を高めるユニークな取り組み

「企業成長を続けるには、優秀な人材確保と社員のやる気と働きやすい環境を“継続的に”作り出す仕組みの構築が必要である」と、熱く語る松浦様

「企業成長を続けるには、優秀な人材確保と社員のやる気と働きやすい環境を“継続的に”作り出す仕組みの構築が必要である」と、熱く語る松浦様

――受賞に至った具体的な取り組みをご紹介ください。

具体的には、「組織」と「個人」の能力向上という観点から次のような取り組みを行いました。

<組織の能力向上>

社員が自由闊達に発言、行動できる職場風土の元で、経営理念に掲げられている価値観を持ち、様々な問題を自ら解決できる能力を持つことが、重要な「組織的能力」と考えています。

1.朝礼およびイントラネット日報、提案書などのコミュニケションツールの活用

組織の価値観やビジョンに共感しやる気を引き出すために各部署で朝礼を行っており、各種クレド(企業理念・行動指針・思考指針)、年度スローガン、各課目標の斉唱を行っています。また全社員によるイントラネット上での気づきのある日報という仕組みを設け、他部署の仕事の理解や部署間の話し合いが円滑に進むようにしています。また提案書制度で業務改善を経営幹部にダイレクトに伝えるしくみも活用されています。

2.女性の役職増加(製造部)
女性の役職者を増やすことで、男性には気づかなかった気づき、発想が生まれ、作業改善や作業負担の軽減につながっています。

3.ダブルリーダー体制(製造部、品質管理部)

各課のリーダーを2~3名体制にし、一方のリーダーが不在時でも様々な対処がスムーズにでき、業務に支障が出ることがなくなり、業務の共有化や業務の見直し、改善が進んでいます。

4.社員の採用・配置

男女がいきいきと働く会社を作るために、ワークライフバランスの充実を目標としており、3年間の育児休暇、正社員のパートタイム勤務制度など働く女性の社会参加のサポートを行っています。現在は女性の育児休暇取得率は、100%を達成しています。

5.社員満足の把握と結果の活用

社員が満足のいく仕事をするために、経営者や上司の支援や組織作りの状況について、1年に1回「社員満足度調査」を行っています。社員満足度調査の実施⇒満足度向上のための試みの立案⇒満足度向上のための活動の実行、というサイクルとして動かすことが重要だと考えます。

<個人の能力向上>

製薬業は専門的な仕事が多く、一人一人を専門家として教育することはもちろん重要ですが、社員が仕事を通じて直接顧客と会話し、その関係を考え、学んでいくことも能力開発と位置づけています。専門家知識だけでなく、社員の人間力向上を導き出すような教育・研修が必要と考えます。

1.ジョブローテーションと、モジュールシステムの連携による社員の能力開発

すべての部門で達成すべき仕事の能力を細かくモジュール化し、社員の能力はモジュール化された各部門の仕事内容のそれぞれの達成度で、評価しています。この仕組みを推進するために積極的にジョブローテーションを行っています。

2.「プチコミファミリー」をはじめとする、様々な「各種社員コミュニケーション力育成システム」

入社年度ごとに階層を決め長男、次男、長女、次女、と会社の中に所属を超えた8名のグループ、擬似家族システム「プチコミファミリー」を設定しています。仕事での悩みをはじめ、仕事以外のことも相談でき、会社の人間重視の姿勢をより理解してもらいやすくするためです。このファミリーは1年ごとに組み替えられ、より多くの人と触れ合えるようになっています。 現在での活動は、プチコミ食事会、プチコミファミリー旅行、ボランティア活動など多岐に渡っています。また、毎月、誕生日を迎える従業員と一緒に昼食をとる「社員誕生日会」を行い、直接経営幹部と触れあえる機会として好評を博しています。

3.各種提案書制度や様々な社員のやる気を高める表彰制度と成果発表会の開催

「社長直行便!万協をもっと、良くしよう提案書」や「ありがとうカード」は、社員が直接会社を変えることができる提案制度として重要視しています。1年に1回、全社員が参加して行われる成果発表会で、策定した短期戦略の検証を社員全員で行い、組織としての気付きを共有しています。そこでは社員の貢献に対して様々な表彰を行い、それによって、社員のモチベーションを高める仕組みを持っています。

4.情報共有システム

支給される携帯はスマートフォンが多く、社外・社内問わず携帯で連絡が取れるようにしています。またLINEを使って各担当者に早急に情報が流れるようにしています。

5.社外資格取得支援

弊社の作業に必要な資格を取得することを社員に薦めています。社外資格は公から認められた証です。社外から認められたとき人は大きく成長すると弊社では考えています。

6.課内ジョブローテーション

課内で残業時間の不均衡、仕事内容の偏りがあることが分かり、課内ジョブローテーションも実施して偏りを解消しています。

7.新人教育制度

新人の成長促進やミス防止のため、課に配属された新人1名に対し教育担当者を1名配置しています。新人は比較的短い期間でモジュールを習得でき、このことは、教育担当者の自信アップにも繋がっています。

三重で有名な「社員想いの会社」として成長!ホワイト施策が形骸化しないための工夫

――その施策、取り組みの効果について教えてください。

上記取り組みが制度として定着し、三重県内で「社員想いの会社」として次第に有名となりました。それがやがて、研究開発に欠かせない「高度人材」の採用につながっていきました。弊社の「ホワイト化」は弊社の「レーゾンデートル(存在理由)」となっています。
 
三重県に移転するまではたった1社に自社ブランドのみを開発・製造していましたが、三重県移転以降は他社ブランド医薬品の受託事業に特化し、現在は100社を超える顧客に年間300品目、3,000万個の製品を製造するまでに成長しました。これは現在の2代目社長の松浦信男が「震災から再復興するのであれば、人から必要とされる会社を作りたい」という切なる願いからでした。

――上記取り組み導入から実施、成果があがるまでに苦労したポイントはありますか?

ホワイト化施策が弊社において形骸化しないように継続してきたことです。年1回行われる従業員満足度調査や年2回の社長面談での意見を元に、マイナーチェンジしながら制度を継続しています。形骸化していない理由は以下の通りです。

1.各施策に具体的な達成数値目標を設定して、年度ごとの短期戦略の課題としていること
2.一年間の活動の振り返りとして、毎年6月に「成果発表会」を一般公開で開催して毎年継続的活動としていること
3.社内の各工場に「万協コミュニケーションボード」を作り日々の活動を掲示し続けていること
4.各活動には必ず個人の達成目標を作り達成度に応じて給与・賞与にて社員に還元していること
5.それぞれの取り組みは社員自らで発案して新たに追加できる「社員提案制度」が充実していること

社員のモチベーションを高める「成果発表会」 従業員のライフプランの質も高めたい

個人の能力向上の取り組みの一つ、年1回全社員が参加して行われる「成果発表会」での表彰の様子。

個人の能力向上の取り組みの一つ、年1回全社員が参加して行われる「成果発表会」での表彰の様子。

――自社のホワイト化に取り組んだ後、社内・社外から感じられた効果はありますか?

ホワイト化の取り組みや経営品質活動の向上と共に様々な賞を受賞しています。特に2009年度の日本経営品質賞受賞後は、全国規模の表彰を受けることが増えてきています。

――今後の課題・これから先目指す「取り組み」をお教えください。

今までのそれぞれの設定した目標数値を向上させるのみならず、「個人の人生のライフプラン」にまで活動の質を高めていきたいと考えています。

※本記事は、受賞当時(2019年3月)のインタビューをもとに作成しています。

ホワイト財団のインタビューページ

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