「営業目標をクエスト感覚でセレクト」「社長は『ジャック』呼びでOK」 今どきベンチャーの少し変わった社内制度をご紹介!
みなさんはじめまして!平成広報女子会です。私たちはその名の通り、「平成生まれの女性広報担当者」の集まりで、日々情報交換をしたり交流会を開催したりしています。このコラムでは、各メンバーが所属する会社の中から、私たちが「面白い!」「素敵だな~」と思った会社をテーマに沿って紹介させていただきます。
初回の今日のテーマは「変な社内制度のある会社」。それでは早速いってみましょう!
クエスト達成でポイント獲得、福利厚生プログラムとも交換可能
「WANTED 期限内にこの任務ができれば報酬20000ポイント」
医療系ITベンチャー、エストコーポレーションの社内にはRPGゲームさながらの依頼書があちこちに掲示されています。これ、一体何だと思いますか?
これは「エストクエスト制度」という制度で、事業部長より課される任務(クエスト)を任意でセレクトして挑戦できるんです。「9月末までに目標120%の売上達成で報酬20000ポイント」「年内に利益が生める新サービスが立案できたら報酬35000ポイント」のように、半期目標プラスアルファとなる仕事がクエストとして出されます。
挑戦する社員はクエストに押印して意思表示。期日までに達成出来ればクエストに記載されたポイントが付与される仕組みです。貯めたポイントは会社の福利厚生プログラムの中から、旅券やブランド品、グルメ食品などの商品・サービスと自由に交換できます。半期に一度換金することも可能です。
この「エストクエスト制度」は今年の6月にスタートしたばかりですが、早くも社員のモチベーションアップとスキルの「レベルアップ」に繋がっているようです。現場からはこんな声が出ていました。
「報酬がもらえるなら難しい仕事もチャレンジしてみたくなる」
「誰が、いつまでに、どんな仕事に挑戦しているかが一目で分かって刺激になる」
もちろん、子育てに忙しい人やプライベートを重視したい人は挑戦する義務がありません。多種多様な働き方を認め、一人ひとりが働きやすい環境を目指しています。
「う○ち」が入った言葉を上司から贈られる人事制度
クラウドソーシングサービスを運営するリアルワールド(東京・六本木)では、社員一人ひとり全員に『REAL BIBLE』と呼ばれる本が配られます。今後会社を更に大きく成長させるための指針としてリアルワールドの価値観をまとめたものなのですが、その内容がちょっと変なんです。
「助けてほしいと思ってると、助けてもらえない」
「恋人のことは、わかるのに、なぜ、クライアントのことはわからないの」
「リアルワールドは君を守らない。君を強くする」
といった、特徴的なフレーズが並びます。リアルワールドは今年で創業10周年。社長が1人で始めた会社でしたが、今は社員数130人になり、海外拠点もできました。ただ、会社が大きくなると、リアルワールドの一員としてどういうマインドであって欲しいかを直接社長や幹部から伝えるのが難しくなります。そこで、バイブル本という形にして社内に浸透させようということになりました。
しかし、バイブル本をただ配っただけでは形骸化してしまう懸念もあります。そこで、四半期に一度の人事評価面談の際に、上長から『REAL BIBLE』の一節がプレゼントされるんです。面談ではこんな感じのやり取りが行われます。
「今期もお疲れ様でした。今回は『REAL BIBLE』から『うんちを踏んだら、チャンスと思おう』を贈ります。上手くいかないことだらけで、マイナス面にばかり目が行きがちでしたが、これはあなたにとって絶対にチャンスとなるはずです。来期も期待していますね」
全200ページの中の多くは空白のページで構成されています。その使い方にルールはなく、自分が感じたことを自由に書き、自分自身のバイブルとしても使っていけるものとなっています。
互いにアメリカンネームで呼び合ってチームワークを強化
続いて紹介するのは、DIYを日本の文化として根付かせるべく、DIY通販サイトや体験型ショップ事業などを展開する大都(大阪市)。会社作りもまさにDIYで、スタッフ全員が所属する「委員会制度」を設け、各人がイベント企画や快適なオフィス環境作りなどを担っています。
中でも特徴的なのは社内コミュニケーションを促すコミュニケーション委員。「笑いと拍手で一日をスタートさせる」ことを目標に、毎日朝礼コーナーを企画、進行します。
クジで当たったスタッフに全員が1日に1回は話しかけるという企画や、サイコロを転がして出た目の話をするサイコロトーク、通称「ダイトーク」など、気分が乗りにくい朝もコーナーを通して皆で笑い、仕事モードに切り替えることができます。
委員会以外では「アメリカンネーム制度」というものもあります。スタッフ全員が名前や役職ではなく自らつけたアメリカンネームで呼び合うという制度で、社長の山田のことも「社長」とは呼ばず「ジャック」と呼びます。Facebookのスタッフがマーク・ザッカーバーグのことを「CEO」と呼ばずに「マーク」と呼ぶのと同じです。
チームワークを発揮して成果を出すためには、会社が楽しい場であることが不可欠です。朝礼でコミュニケーションを図り、アメリカンネームで呼び合うことで、社内では上下の隔てなく和気あいあいとした雰囲気が作られています。
以上、3社のちょっと変わった社内制度をお届けしました! 変わった制度の中にも、しっかりとした背景と効果があり、ただ面白いだけではなく会社の文化創りにも一役買っていそうですね。
次のテーマは「1年目社員に対する無茶ブリ」です! 「自分にもそんなことあったなあ……」といったあるあるな話や、「そんなことがある会社に入って自分を試してみたい!」など、刺激的な話にご期待ください!
【平成広報女子会】
広報担当者養成機関「東京PRアカデミー」参加者らによって結成された「平成生まれの女性広報担当者」の集い。現在、ITベンチャーを中心に41社から42人が参加している。次の時代を担う広報担当者になるべく日々勉強中。
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