「銚子電鉄をSNSで支援」「全国どこでもクラウドソーシング」 ベンチャー企業の「地方創生」への取り組み | キャリコネニュース
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「銚子電鉄をSNSで支援」「全国どこでもクラウドソーシング」 ベンチャー企業の「地方創生」への取り組み

こんにちは! 平成広報女子会です。早いもので今年も残りあと僅か。忘年会にイベントと忙しい時期かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、政府が「地方創生」を掲げてから約1年が経ちました。地方の活力を取り戻すため、そして日本経済の発展のため、国や自治体はもちろん企業も模索しています。

今年1月の帝国データバンクの調査によると、全国の企業の半数超が、人口減少地域では7割以上が地方創生に感心を持っているのだそうです。ということで今回は、地方創生に取り組むベンチャー企業の活動をご紹介します。

車両修理のためFacebookとTwitter「1シェア=5円」で支援活動

乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供しているヴァル研究所(東京・高円寺)では、SNSを活用した「YELL for 鉄道JAPAN」というプロジェクトを現在進めています。

駅に到着する電車

駅に到着する電車

突然ですが皆さん、「銚子」という町をご存知ですか。千葉県にある全国屈指の漁港の町で、ヒゲタ醤油の創業地としても知られています。その銚子には私鉄電車「銚子電鉄」が走っています。全長は6.4キロと短いながら、緑溢れるのどかな沿線景色やレトロな駅舎・車両が魅力です。

1923年に運行を開始し、現在も朝の通勤・通学では社会人や高校生はもちろん、小学生も利用している銚子の重要な交通手段です。また、鉄道会社でありながら、現在は食品業も行っていて「ぬれ煎餅」や「たいやき」でも知られています。

銚子電鉄で通学する小学生たち(撮影:中井精也)

銚子電鉄で通学する小学生たち(撮影:中井精也)

その銚子電鉄がいま、苦境に立たされています。2013年に脱線事故を起こし、車両が破損。4車両編成から3車両になり、現在、運行本数も1日33往復から19往復に減便されています。地元の人や観光客からはやはり増便を望む声が出ているのですが、長年の資金難で修理費用を工面できず、完全復旧までに時間がかかっているのが現状です。

そこでヴァル研究所では、「鉄道が正常に走ることにより、人々の日常が支えられている」という考えのもと、今年3月から始動していたプロジェクト「YELL for 鉄道JAPAN」の第2弾として銚子電鉄を応援することにしました。

「YELL for 鉄道JAPAN」プロジェクトサイト

「YELL for 鉄道JAPAN」プロジェクトサイト

プロジェクトページには銚子電鉄の写真や歴史、職員の方の熱い想いを掲載。共感した方にプロジェクトページをFacebookもしくはTwitterでシェアいただくごとに、「1シェア=5円」を支援金としてヴァル研究所が寄付しています。10月からスタートし、多い日には1000以上のシェアを獲得しています。

「銚電頑張ってほしいです!」、Twitterで連日シェアする鉄道ファンも

鉄道好きのネットユーザーからも続々と支援の声が出ています。TwitterやFacebookには、プロジェクトページをシェアするとともに、

「先日銚電に乗りました。本当に素晴らしいので、いつまでも走っていて下さい!」
「銚電頑張ってほしいです!」

といったコメントを寄せる方もいました。連日ツイートしてくれている方もいて、「(シェアするの)忘れてた!ポチッとな!」なんて呟きもあります。

会社の危機を救った「奇跡のぬれ煎餅」のエピソードも紹介

会社の危機を救った「奇跡のぬれ煎餅」のエピソードも紹介

今後はネットからリアルへ、実際に銚子電鉄へ行きたくなるようなプロモーション企画も考えています。銚子電鉄の魅力は、駅に降りた時の醤油の薫り、車窓からの景色などなど、実際に行って初めてわかることばかりです。

銚子電鉄をはじめ、地方鉄道には日本の古き好き姿が今も残っていて、その土地土地の魅力があふれています。鉄道は川のごとく、路線ごとに人や文化、歴史、地域色が異なるのです。

これからも銚子電鉄は走り続けます(撮影:同)

これからも銚子電鉄は走り続けます(撮影:同)

ヴァル研究所では、鉄道を起点に、これからも日本全国の魅力を多くの方々に発信していきたいと考えています。

東京の仕事を全国に分配する「マイクロタスク型クラウドソーシング」

続いてITベンチャー、リアルワールド(東京都・六本木)の取り組みをご紹介します。最近はネットを使った副業サービスが一般的になってきましたが、リアルワールドではその中でも、いつでもどこでも誰でも仕事ができる、マイクロタスク型クラウドソーシングサービス「CROWD」を運営しています。

リアルワールドが運営する「CROWD」

リアルワールドが運営する「CROWD」

「CROWD」は2008年にスタートし、現在の登録者数は約80万人。お仕事をしている人の約7割は関東以外に住んでいる方です。北海道から沖縄まで全国各地にユーザーがいて、中には奄美大島から登録している方もいます。

一方、「CROWD」に発注する側は東京近郊の企業が多く、まさに、関東に集まった仕事を全国に分配するという意味で「地方創生」に繋がるサービスとなっています。

報酬を獲得した約7割が関東圏以外のユーザー

報酬を獲得した約7割が関東圏以外のユーザー

これを可能にしているのが、受託した大規模な仕事を細分化するマイクロタスク型というサービス形式です。作業内容を細かく分け、特別なスキルのない人でもできる状態にすることで、多くの人に働いてもらうことができるようになっています。

それこそ1秒単位で、さらにはノルマもないため自由に働くことが可能です。例えば、名刺の一部分をデータ入力したり、400文字程度の文章を作成するといった簡単なお仕事を取り揃えています。

中には「近所の写真を撮ってくる」なんて仕事もあります。カーナビやオンライン地図を製作している企業が素材を集めるために発注しているもので、指定された交差点やコンビニなどをスマホで撮影すればOKです。簡単ですが、その地域に住んでいる人しかできない仕事でもあります。

ユーザー層の6割が女性、20~40代の主婦が多数利用

地方に住んでいると、パートに出るにも車で数十分移動をしないといけない場合もあります。子育てや介護をしている方にとっては、働きに出る時間を確保するだけでも難しいのに通勤に時間を奪われてしまうのは非効率的です。

また、家業で農家をやっていると冬の間は仕事がなく、その期間限定で仕事を探すような方もいます。しかし、期間限定での採用はなかなかハードルが高く、満足いく仕事を見つけることが難しいようです。

名刺入力やアンケートなどの仕事を用意。月1~3万円稼ぐユーザーが多い

名刺入力やアンケートなどの仕事を用意。月1~3万円稼ぐユーザーが多い

自分の働きたい時に働きたいだけ仕事をすることができるクラウドソーシングは、こうした状況にぴったりなサービスと言えます。実際、「CROWD」の登録者の約6割が女性で、しかも、20~40代の主婦の方が多い、というデータがあります。稼ぎは月1~3万円が多く、トップ層になると10~20万円を稼ぐ人もいます。

「働き方」が注目されるいま、一人ひとりそれぞれにとって活躍できる機会を提供していけるよう、これからもサービスの向上を図っていきます。

以上、ベンチャー2社が取り組む「地方創生」でした! 「地方創生」というと、ちょっとお堅い印象のある言葉ですが、企業ではネット上のプロジェクトやサービスで地方の課題解決に取り組んでいるようです。インパクトとしては小さいことかもしれませんが、こういった小さなひとつひとつの取り組みが重なって、大きな「地方創生」になっていくのではないでしょうか。

さて、次回のテーマは「ベンチャー企業の変わった新人研修」です。お楽しみに!

平成広報女子会から今回の担当者、福井澪菜(ヴァル研究所 左)と近藤 紘未(リアルワールド)

平成広報女子会から今回の担当者、福井澪菜(ヴァル研究所 左)と近藤 紘未(リアルワールド)

【平成広報女子会】
広報担当者養成機関「東京PRアカデミー」参加者らによって結成された「平成生まれの女性広報担当者」の集い。現在、ITベンチャーを中心に41社から42人が参加している。次の時代を担う広報担当者になるべく日々勉強中。

あわせてよみたい:働きながらでもできる最新!副業サービス事情

 

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