「頑張っているのに結果が出ない部下」をどう評価するべきか マネージャーは”正しい努力の方向”に導くことが仕事 | キャリコネニュース
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「頑張っているのに結果が出ない部下」をどう評価するべきか マネージャーは”正しい努力の方向”に導くことが仕事

いいマネジメントとは?

いいマネジメントとは?

マネジメントを行う際のポイントとして「結果とプロセス、どちらを重視すれば良いですか?」と聞かれることがあります。私は「絶対に結果です」と伝えているのですが、そうすると

「結果だけを重視する風土は社員からも評判が悪い。プロセスも同程度評価したいのですが、なぜダメなのでしょうか?」

と質問されることが結構あります。今回は、なぜプロセスより結果を評価すべきなのかをお伝えします。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)

プロセスを評価すると、社員は間違った方向で努力するようになってしまう

「結果」と「プロセス」の組み合わせは4つあります。

1.プロセスにおいても非常に頑張っていて、結果も出ている。
2.プロセスにおいて頑張りは見られないが、結果は出ている。
3.プロセスにおいて頑張っているが、結果は出ていない。
4.プロセスにおいても頑張りは見られず、結果も出ていない。

頑張っていて結果も出ていたら何の問題もなく評価できますが、おそらく多くのマネジメント層の方の悩みは「頑張りは見られないが結果は出ている」と「頑張りは見られるが結果は出ていない」のどちらを評価すべきなのか、だと思います。

「頑張りより結果を重視する」というのは、社員から「自分は頑張っているのに評価されない。あいつは頑張ってないのに……」と反発がありそうですが、それでも「頑張りは見えないが結果を出している人」の方を評価すべきなのです。

理由は3つあります。

1.プロセスを評価すると社員が間違った方向で努力をするようになる

「結果が出ていなくても頑張ること」によって評価され、出世し給料が上がっていくとします。そうすると社員は「頑張ること」だけに、もっというと「頑張っているように見せる」ことに注力していきます。

その結果、業績は必ず下がっていきます。結果が伴う努力をしてこそ初めて意味あるのです。

2.まぐれ当たりの結果は続かない

プロセスより結果を重視する場合、一番の反発理由は「頑張っていないのにまぐれで結果が出た時にその人が評価されること」にあるでしょう。

しかし仕事において、「全く頑張りもせず結果が出続けること」は果たしてあり得るのでしょうか。努力をしなければ次第に結果は伴わなくなります。つまり「頑張りは見られないが、結果は出ている」は一過性で、自然と「頑張りも見られず、結果も出ない」に移っていくのです。

3.マネジメントの怠慢につながる

これが最大の理由です。実は、結果ではなくプロセスを評価することはマネジメント層にとって非常に楽なのです。頑張っていることを褒め、自分自身も頑張りさえすればいいからです。

しかし、マネジメントの本質は「自分自身が結果を出すこと」「正しい方向で努力をさせ、社員に結果を出させること」「頑張るモチベーションを維持させること」。この3つを叶えることは、プロセスだけを評価するよりはるかに難しく大変なことなのです。

「頑張っていて、結果も出ている」人については、その努力の方向性があっているのかを見極め、時にはその方向性を修正しなければなりません。

「頑張りは見られないが、結果は出ている」人には、まぐれだとしてもなぜ結果が出たのかを分析し、プロセスにおいても努力をさせるようマネジメントし、さらなる結果を出すよう導かなければなりません。

つまり”結果よりもプロセスを重視”することは、マネジメントを放棄していることにほかなりません。

唯一”頑張り”を評価するのは新人時代

ただし、マネジメントにおいて、唯一”結果よりもプロセスを優先すべきフェーズ”があります。それは「仕事を頑張る」というスタンスが固まっていない新人に対してです。

例えば営業職だと、新人時代にテレアポの荷電件数の目標を決める、飛込みの訪問件数を決めるといったもので、この段階では結果より頑張りを評価します。前述の通り、プロセスにおいて頑張りが見られない人は、最終的に結果が出なくなってしまうからです。

「頑張る」というスタンスが確立された後は、アポの取得件数や商談件数、売上目標、と徐々に「結果」に比重をおいた重要目標が設定される会社が多いはずです。

マネジメント層の人が、「結果は出ていないが、あいつは頑張っているので評価したい」と思ったのであれば、それは自分自身のマネジメントの怠慢です。ちゃんとした評価を行えるよう、部下の頑張りを正しい方向に導くマネジメントをして貰いたいと思います。

著者近影

著者近影

【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント

同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなう

STORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。

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