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「売上好調なのに部下のモチベーションが低い」という会社はどうすればいい?

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「組織としてのパフォーマンスは上がっているが、メンバーのモチベーションが低い……」
「業績だけではなく、モチベーションの高い組織をつくりたいのですが、なかなか……」

私の主催する管理職研修では、よくこんな声があがります。同じような悩みを抱いている人も多いと思いますが、モチベーションと業績の両方が高い組織には、ある共通するポイントが存在します。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

成長を実感できるってどういうこと?

リクルートキャリア(現:リクルート)が2021年に発表したデータによると、2021年卒生の就職先の決め手は、1位が「自らの成長が期待できる」(49.8%)、2位が「会社や業界の安定性がある」(34.9%)、3位が「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」(34.8%)となっています。2位と3位のポイントが上昇しているようですが、ここ数年の1位は「自らの成長が期待できる」が続いています。

管理職の皆さんは、この”自らの成長”と言った言葉にどのようなイメージを持たれるでしょうか?「出来る仕事が増えていく」「役職が上がっていく」「給料が増えていく」といったことが思い浮かぶのではないでしょうか。

もちろんこれらのことも自らの成長実感に繋がるものですが、私が若手の声を聴く中では、上記に加えて「将来の具体的なキャリアイメージを持つことができる」といったことが欠かせないようです。

あなた自身のキャリアイメージを語ることが出来ますか?

部下にキャリアをイメージしてもらうためには、上司自身が自分のキャリアイメージを持っていなければなりません。キャリアの描き方を上司自身が知らなければ、部下のキャリア支援が出来ないからです。

皆さんは、これからどのようなキャリアを描きたいと思っていますか?なかなか描けていないと思った人は、これをきっかけに考えてみてください。考える際は、これまでの経験を振り返りながら、仕事で大切にしていることや培ってきた能力を言語化することがお勧めです。いわゆる「WILL」(やりたいこと)、「CAN」(できること)、「MUST」(しなければいけないこと)を明確にするのです。そして、それらを材料に自身のキャリアイメージを作っていきましょう。

一般的に、企業で働く若手メンバーの多くが管理職になりたくないと思っていると言われます。責任が重く忙しいだけで疲弊している上司の姿を見て「ああはなりたくないな」と感じる部下もいるでしょう。是非、部下のロールモデルとなるような、キャリアイメージを描き、活き活き働く皆さんの背中を見せてあげていただきたいと思います。

業績支援ばかりでなく、キャリア支援の出来る上司へ!

部下のキャリア支援には、コミュニケーションが欠かせません。多くの企業でコミュニケーション機会としての1ON1が導入されていますが、キャリアについての会話が出来ている所は少ないようです。1ON1を、業績の支援だけではなく、キャリア支援の場にもしていきましょう。キャリア支援の会話としては、以下のものを確認していきます。

(1)最近の仕事に対する満足と不満足
(2)これまでの仕事でやりがいや楽しさを感じた瞬間
(3)入社動機はどのようなものであったか?それを感じられているか?
(4)近い将来の目標は何か?
(5)上司に支援できることは何か?

上記の内容を確認しながら、部下が大切にしている事(価値観)や培ってきた能力、育ませたい能力を見極めていきます。そして、会社の理念やビジョンをベースに、組織の目標と部下のキャリア目標の両方を達成できる仕事を任せていきましょう。仕事を通して、自分が目指すキャリアに向けて成長を感じさせることがポイントです。

今回は、メンバーのキャリア支援の方法を紹介してまいりました。人と組織が常に成長を感じられる、そんな組織運営の一助になれば幸いです。

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筆者近影

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【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。

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