タイパ至上主義のZ世代部下に「背中を見て覚えろ」が100%通じない理由と解決策

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少し前、私が担当している管理職研修に参加されている方が、次のようなことをおっしゃっていました。
「自分自身は、上司の仕事の進め方を見て、一生懸命に仕事を覚えて結果を出してきました。仕事も勉強も、誰よりも必死にやってきたと思っています。なので、最近の若手がすぐに『わかりません』『できません』『教えてもらっていません』と言うことに腹立たしさを覚えてしまいます。
本当は『先輩の仕事のやり方を見て、自分で考えなさい』と突き放してやりたいのですが、そんな対応では若手が育ってくれないのが現状です。正直、今の若手は甘えているようにしか見えません。どう対応していったらいいのでしょうか?」
皆様の中にも、同じような思いがあるかもしれません。今回は、すぐ答えを知りたがるタイムパフォーマンス(タイパ)重視なZ世代の育て方について考えて参りましょう。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)
「検索すれば数秒で答えに辿り着ける」のが当たり前
「動画は倍速視聴が当たり前です」
「飲むだけで1日に必要な栄養分を摂取できる完全食が主食です」
「あらすじだけを紹介してくれるファスト映画を見ています」
などなど……。最近の若手は、タイムパフォーマンス(以下タイパ)を重視する傾向があります。仕事においても同様のため、冒頭のような管理職の悩みにつながっていくのでしょう。
Z世代がタイパを重視するのは、単に「効率化」を重視するからだけではありません。その背景には、彼らが生きてきた時代の情報環境の変化や、先行き不透明なVUCAの時代における不安があります。
SNSネイティブである彼らにとって、分からないことは「検索すれば数秒で答えに辿り着ける」のが当たり前です。最短距離で正解にアクセスする習慣が身についているため、ビジネスにおいても「あえて遠回りして学ぶ」ことの価値を感じにくい傾向があります。
また、先行き不透明な社会において、上司の背中を見て自分なりの解釈で学んでいくといったやり方を、「間違った努力で時間を失ってしまうのではないか!」という損失と捉えています。答えがわからない中、試行錯誤をしながら仕事を進めていくことは、地図を持たずに砂漠を歩いているような恐怖に近い不安を覚えてしまうのです。
そんなZ世代の心理を踏まえて、管理職としてはどのような関わりをしていったらいいのでしょうか?
タイパ重視なZ世代への3つの関わり方
不安が先行しやすいZ世代の心理を捉えて、管理職として次のような3つの関わりを意識していく必要があります。
(1)仕事の目的をベースに背中を見て覚える内容を具体化し、質問の余地を与える
彼らの動機づけには「何のための仕事なのか?」「何のためにこれを行うのか?」といった納得感が欠かせません。そんな目的をベースに、背中を見て覚える内容を具体化してあげましょう。具体化されれば、Z世代の不安は消えていきます。また、目に見えない先輩の思考プロセスの学びに関しては模倣が難しいため、質問の余地も与えていきましょう。
(2)こまめなフィードバックで小さな成功体験を積ませ、安心と自信を育む
Z世代は「自分の進んでいる方向が正しいのか」を常に確認したいと考えています。この確認作業こそが、彼らにとっての「無駄打ちを防ぐ=タイパ向上」に直結しているからです。管理職としては、目標に向かった小さな階段を設計し、こまめなフィードバックを行いながら、「この道で間違いがない」「目標に向かって成長している」といった安心感と自信を育んでまいりましょう。
(3)タイパ至上主義を強みに変換させ、キャリア成長に導く
「タイパ至上主義」は、裏を返せば「目的達成のために最短で動きたい」という高い貢献意欲の現れとも捉えられます。管理職が「背中を見て覚える」を、「言葉」と「仕組み」で具体化できれば、彼らは驚くスピードで成果を出す存在になります。そんなスピード感を彼らの強みと捉え、キャリアの成長実感に繋げてあげることができれば、若手の成長を促しながら組織の成長も獲得することができます。
以上、今回はタイパ重視なZ世代の育て方について考えてまいりました。若手は時代を映す鏡だと言われます。そんな彼らの思いに寄り添いながら、人と組織が成長していく現場を醸成してまいりましょう。
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