育児中ママが働く4つのメリット 「人生100年時代」を見据えて考える
まず1つ目はやはり教育費。小学校から大学まで、すべて公立に進学しても子ども1人あたり約1000万円。すべて私立だと2000万円以上、理系や医学系だとさらに費用が掛かります。これに含まれていない塾代、受験費用、入学金なども馬鹿になりません。(参照 日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査』)
「結構お金がかかるから働くよう主人に言われました」「意外と習い事とか出費がかさむので仕事を探すことにしました」と慌てて動き始める女性も多いです。
日本は子育てにお金がかかりすぎ!収入格差が教育格差になりやすいのはおかしい!という議論はいったんおいておいて、子どもが、〇〇の方向に進みたい!と打ち明けてくれた際に、できれば「ウチにはお金がないから諦めなさい」と言わずに進路選択をサポートしてあげたいですよね。
2つ目は家計のリスクヘッジ。大企業を含めて給与が下がっているなか、一人で家計を支え続けろと言われるのは重い、とプレッシャーを感じている男性が増えています。
「急に夫がリストラにあい、50代で再就職先を探すことになると思っていませんでした」「夫が急病で入院。しばらく働けなくなったことで、家計リスクヘッジの重要性を感じた」
などのお声もあります。想像したくはないですが3組に1組は離婚すると言われる時代。死別を含めやむを得ずそこから仕事を探すとなった場合の自分のリスクヘッジになるとも言えます。
親の仕事への姿勢が子どもの仕事観にも影響
そして3つ目は何といっても人生100年時代。子育てがひと段落したあとの人生の方が長いのです。詳細は今後の記事で取り上げますが、子育て後の自分の生き方、時間の使い方は今から考えることをおすすめします。
最後の4つ目は、子どもの仕事観への影響。自分の親が働くということにどう向き合っているかは、子の仕事観に直結します。
「親が仕事ばかりしていたので働くことにネガティブなイメージをもっている」という女性もいます。逆に「母は家にいて視野が狭くて文句ばかり言っていたので自分は社会に出たいと思っていた」なんて声も。あなたが親の姿から影響を受けたように、子どももあなたの姿から色んなことを感じるはず。できれば子どもには「大人になるって、働くって、楽しそう」って思ってもらいたいですよね。
働くメリットにも目を向けたうえで、中長期の自分と家族の幸せのために納得のいく「今」の選択を各ご家庭で判断してみてください。次回は、先輩ママが思春期の子に言われた衝撃のひとことと「子育て後の私」について一緒に考えたいと思います。
【筆者プロフィール】
谷平 優美
時短ママ戦略活用アドバイザー/株式会社ルバート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、 株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経て退職。出産前後には専業主婦やフリーランスも経験。サロン講師、就職講座講師やキャリアカウンセリングをしながら、無理ない子育て中の働き方を模索するも待機児童となり認証保育園を利用しながら活動。転職支援・キャリア教育に関わった経験と、出産後に感じた様々な社会への違和感に何か発信をしたいと2012年にママハピを創業。2018年、株式会社ルバートに社名変更、時短ママたちによるジョブシェア体制で事業運営。2児の母。