部下を持った人が最初にやるべきことは「傾聴」 知っておきたい2つのポイント
ところで、自分が普段どのように人の話を聴いているか、意識したことはありますか?聴く姿勢は無意識な方が多いです。どんな姿勢が望ましいのかは、嫌だと思う聴かれ方と嬉しい聴かれ方、両方を思い浮かべてもらえたら、自ずと答えは出ます。
まずは、こんな風に聴かれたら嫌だなと思う事を想像してみてください。腕組みして聴かれる。肘をついて聴かれる。パソコンに向かいながら聴かれる。不機嫌そうに聴かれる。最後まで話を聴いてもらえない。話を最後まで聴かずに意見を言われる。興味なさそうに聴かれる。こんな聴かれ方だと、話をしてみようとはあまり思わないですよね。
では、どのように聴いてもらえたら自分から話してみようと思えるでしょうか。最後まで話を聴いてくれる。意見を否定せずに聴いてくれる。興味を持って聴いてくれる。身体を自分の方に向けて聴いてくれる。親身になって話を聴いてくれるなど。こんな風に聴]いてもらえたら話をしやすくなりますよね。
理想の聴き方がイメージ出来たら普段、自分がどんな聴き方をしているのかを観察してみます。「仕事の事を考えながら話を聴いていたな」、「最後まで話を聴いていないな」、「パソコンに向かいながら聴いているな」という風に、自分の聴き方を見直すことができます。
無意識にやっていることを変えるには、まずは意識することが必要です。自分はどう人の話を聴いているのか、現状を把握する所から始めて頂きたいです。
自分が他人の話を聞ける状態かどうか確かめる
もう一つ、人の話を聴くときのポイントがあります。話を聴くときの自分の状態です。
考え事をしていたり、気掛かりがあったり、目の前に取り組むべき仕事があったり、今、話しかけられても困る!というタイミングが人にはあります。そんな時に話しかけられたら、
「今は、話をきちんと聴ける状態ではないのでもう少し待ってもらえないかな?」
「今日は、スケジュール的に時間を取れないので、明日の午前中にしてもらえないかな?」
「あなたの話をしっかりと聴きたいので改めて時間を取らせて下さい」
と、相手に自分の状態を伝えることをお勧めします。
いろんな事に意識が向いている時、人は他人の話を聴けないのです。そういう状態で人の話を聴いてしまうと、相手には「聴いてもらえなかった」という不満、自分には「しっかりと話が聴けなかった」という後悔が残り、お互いにもやもやしてしまいます。
部下とよりよい関係を構築するために、自分自身の聴き方に意識を向けてみること、相手に意識を向けて聴ける状態かどうか確かめること、この2つを意識してみて下さい。部下に自分の想いをしっかりと伝えたいと思ったら、相手のこともしっかり聴き、よい関係性を構築するところからスタートすることをお勧めします。
【プロフィール】
駄田井一孝(だたいいっこう) ProLeader代表/ビジネスコーチ
ビジネスコーチング実践会
https://www.1pro-leader.com/
1977年大阪府堺市生まれ。秋田県立農業短期大学卒業後、モーグルスキー選手として活動。2001年の長野国体に大阪代表選手として出場。選手引退後、豊中市消防本部に入社。消防士在職中に、対話を通して人の行動と能力を引き出すコミュニケーションスキル、コーチングと出会いトレーニングを開始。2004年にビジネスコーチとして独立し、経営者・経営幹部・個人事業主を対象に個人面談を通して目標達成のサポートを行う。個人面談の延べ人数400人以上。「この選択でよし!この自分でよし!」と日々、自分の存在に力づけられながら、望んでいることを実現していくことをサポートしている。