「私だって休みたい!」管理職がメンタルでダウンしないために取るべき3つの方法
働き方改革が進む中、管理職として働く人からこんな悩みをよく聞きます。
「部下を早く帰せと言われるので、早く帰して、その分の仕事を自分がまきとっています。忙しくて、私が疲弊しています。いつまでこの状態が続くことやら……」
そして、人事の人からも、「最近は管理職自身が疲れていて、何とか手を打たなければと思っているのですが、いいアイデアが無く……」と相談されることが多いです。
今回は、こういった管理職自身が疲弊していく環境において、管理職が自分のメンタルを保っていくためのヒントを綴ってまいります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)
高いセルフイメージがメンタルを強くしていく
前にもご紹介したことがありますが、このような言葉があります。
「思考に気を付けなさい、それは言葉になるから
言葉に気を付けなさい、それは行動になるから
行動に気を付けなさい、それは習慣になるから
習慣に気を付けなさい、それは性格になるから
性格に気を付けなさい、それは運命になるから」
日本ではマザー・テレサの言葉として紹介されることが多いですが、これについては諸説あるようです。ただ、ここから読み解けることは、思考が我々の運命を作っていくということです。
では、思考は何から生まれてくるのでしょうか?それがセルフイメージです。そして、セルフイメージは私達が何に興味を示し、何を大切にしているのか、どんなことが出来るのかといったことをどれくらい自己受容しているかによって決まっていきます。
高いセルフイメージを維持することが出来れば、望んだ人生を歩むことができ、今回のテーマである「強いメンタル」を獲得することが出来るのです。
セルフイメージを高め、「強いメンタル」を獲得するための秘策
強いメンタルを獲得するための方法としては、様々なものがありますが、本日はお勧めの3つの方法をご紹介したいと思います。
その一:「コーリング」の仕事観を持つ
我々が持つ仕事観には「ジョブ感」「キャリア感」「コーリング感」といったものがあります。「ジョブ感」を持った方は、仕事を、お金を稼ぐための労働と考えています。次の「キャリア感」とは仕事を昇進や権力を獲得するものと考えています。
皆さんに持っていただきたいのは「コーリング感」です。「コーリング感」とは仕事を天から与えられた使命や役割と捉える考え方です。この考え方を持つと、使命に生き、自分の人生を強く歩んでいくことができるようになります。
その二:柔軟な思考を持つ
物事に意味をつけているのは我々自身です。例えば雨というもの一つ例にとってみても、「あ~あ、今日は雨か……憂鬱だな……」と思う人もいれば、「今日は雨か。食物を育ててくれる惠みの雨だな!」と思う人もいるわけです。
つまり、出来事に色をつけているのは我々の捉え方なわけです。物事に対する柔軟な捉え方を持つことが出来れば、人生で起こることをポジティブに捉え直し、前向きに歩むことが出来ます。
その三:感謝力を高める
感謝することで、「自分自身の幸福度を高めることが出来る」「ネガティブな感情を『中和』させることができる」といった効用があります。
では、具体的に何をしていけばいいのでしょうか?私のお勧めは日記です。日記の中で、今日一日の中で感謝したことを思い出しながら記入し、「ありがたいなあ」と言う気持ちと共に、日記を閉じていきます。沢山書く必要はありません。私も10年分の日記を書き込める10年日記を2014年から続けておりますが、その中で1日の感情と感謝した思いを綴っています。
以上、今回は疲弊しやすい環境が進む管理職の皆様に、強いメンタルを獲得するポイントをお伝えさせていただきました。働き方改革が進む中ですが、自分自身のメンタルを強く保ち、働きがいを獲得し、組織にも働きがいを醸成いただければと思います。
【著者プロフィール】田岡 英明
働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント
1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。