「自分は自己PRが苦手だな…」と思い込む就活生が今すぐすべき、たった1つのこと
就活生の誰もが経験するのが、面接の冒頭に聞かれる自己PRです。しかし、これを苦手とする学生さんはとても多いものです。今まで「自己PRに真剣に取り組む」なんてなかったでしょうから、初めてのことに困るのは当然のことかもしれません。
ただ、この苦手感の大きな要因は、あまりに当たり前過ぎて重要視されていません。それは「ただの練習不足」です。他のさまざまなことと同じように、面接の自己PRも練習すれば誰でも形になるものなのです。(文:河合浩司)
100回練習しておけば、慌てることはまずなくなる
初めて取り組むことに対して、全く練習もせずに挑んですぐにうまくいくのは、一部の特殊な才能がある人だけ。しかし面接の冒頭に必要なのは、ただの自己PRです。練習さえすれば、誰でもできるようになります。
社会人になってから修得する営業トークや接客対応でも、先輩社員がお客様役、新入社員が社員役となり、ロールプレイングで実際の場面に即した形で練習するものです。会社によっては、毎日のように実施しているところもあります。その中で、新入社員も少しずつできるようになっていくものです。
自己PRを練習する目安は「最低でも100回」と思っておいてください。100回という数だけ見れば大変に見えるかもしれませんが、意外にもそれほど時間はかかりません。
自己PRで話す時間は30秒~1分ほど、文字数にすれば150字~200字前後でしょうか。1回の練習時間が30秒とすれば100回練習しても50分しかかからないのです。
実際には1回練習して文章を修正し、また話す練習という流れになるでしょうから90分くらいは必要かもしれません。とはいえ大学の講義の1コマ分です。大学の就活講座も、効果がない自己分析の講義などをせずに、自己PR文の練習を繰り返すコマを作ればいいのにと思うばかりです。
だからといって「立て板に水」では印象は悪くなる
面接をしていると、たまに「自己PRを間違えましたが、最初からもう一度話してもいいでしょうか?」と言う就活生に会います。こちらとしては質問のきっかけが欲しいだけで、原稿どおりでないことは重要ではありません。
しかし、就活生本人からすると「最初からいきなり失敗した!」とその心中は穏やかではないでしょう。その後の応答にも支障をきたしますので、定番の自己PRでこんな事態に陥らないためにも練習はしておくことを強くおすすめします。
ただ、その内容が押し付けがましいものであると、立て板に水のように話す様子が、いかにも型どおりに準備してきたように見えて、かえって印象が悪くなる場合もあります。あくまでも自己PRであって、いろいろと盛り込みすぎない方がいいでしょう。
採用担当者が就活生に自己PRを求めるのは、「この学生はどんなことに興味関心があるのか?」「どんな話題を振れば良さを見せてくれるのか?」という会話のヒントを見つけたいからという目的があります。質問を先回りした答えを滔々と話すのではなく、そのような会話の糸口となる程度の内容でいいということです。
十分な練習をこなしてリラックスして本番に臨もう
自己PRを求める理由には、もうひとつあります。それは「人は少し話すと緊張が和らぐ」という効果もあるからです。何かのプレゼンをするときに「最初の言葉を話すまではすごく緊張していたのが、あとは気づいたら終わっていた」といった経験はないでしょうか。
面接で学生さんが緊張するのはよくわかりますので、多少のリラックスも期待して、「自分の得意分野の話でもして、落ち着いてもらおう」という気持ちもあるのです。この時間を就活生のみなさんは、ぜひ活用してください。練習する習慣を今の内に身に付けておくことは、社会人になっても有益なものですよ。
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