17年卒の採用活動は、もう始まっている! 就活生は企業の動きを有効に活用せよ
16卒の「就活後ろ倒し」の混乱をもたらした倫理憲章は、17卒ではさらに軽視されることでしょう。会社説明会と全く変わらない短期インターンシップが、すでにあちこちで開催されていることからも、それは明らかです。
大手企業のリクルーターが、水面下ですでに動いているという話も聞いています。採用コンサルタント会社が母集団形成のために、就職支援イベントやセミナーを開いて、学生を集めているものもあります。
これなどは一見ただの集客ですから、倫理憲章に何の影響の及ぼしようもありません。後日個別に連絡をとって企業に紹介していたとしても、誰も文句を言えないのです。
この状況に対し、「けしからん」「学生は勉強が本分」「大学は就職予備校ではない」といった苦言を呈する先輩社会人や大学関係者もいるでしょう。しかし、今から動き始めたからといって学業がおろそかになるとは限りません。当事者である就活生は、企業の動きを大いに活用することを勧めます。
就職や働き方などについて、これまでよく考えたことがない就活生がほとんどだと思いますが、本来なら職業観の醸成には長期的なアプローチが必要なのです。日本の学校が職業教育をしないからこそ、自分から少しでも早く社会との接点を作り、いろいろな社会人や会社に会いに行くことが非常に重要なのです。
イベントで会った他大学の学生と交流することが有益な理由
確かに短期インターンシップや就職支援イベントなどは、所詮は「作られたもの」ですから、実態とはかけ離れた内容もあるでしょう。特に一日で完結するインターンシップは、簡単なグループワークをして、会社の説明を聞くだけといったものも少なくありません。
こういうものにとりあえず参加はしてみたけど、「ハズレだった」といった感想を持つことも当然ありえます。それでも私が就活生に参加を勧めるのは、会社の様子を早めに見る機会であると同時に、そこに集まる学生同士のつながりができるからです。
有益な情報は、友人・知人からもたらされることが多いもの。知り合った学生たちとSNSでつながり、そこから全く知らなかった企業や業界の存在を知ることもあるでしょう。特に他大学の学生と交流することは非常に有益で、普段交流のない人たちの対応を見ながら「なるほど、そんな方法があったのか」という学びが生まれることもあります。
人は、多様性の中で成長を得るものです。本番の選考ではないところで、余裕を持ってこういった経験をしておくためにも、今から動いておくことは有益なのです。
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