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「空の産業革命」ドローンがやってきた! 広がる可能性と事故リスクなどの不安

4月22日の午前、首相官邸の屋上に小型の無人機「ドローン」が落下しているのが発見されたとニュースになっている。小型カメラと発炎筒を搭載し、微量の放射線が測定されたというから不安になってしまう。

ちょうど17日放送の「特報首都圏」(NHK総合)で、「ドローン・レボリューション~始まった空の革命~」と題して、ドローンを取り巻く国内の最新の環境と問題点を紹介していたところだ。飛行機といっても、その大きさは両手で抱えるぐらいのものが大半で、最近ではホビー用のドローンが数万円で手に入るそうだ。(文:松本ミゾレ)

大勢で行ってきた山の測量も瞬時に完了

すでに量販店でも人気だ(ビックカメラのウェブサイトより)

すでに量販店でも人気だ(ビックカメラのウェブサイトより)

まず可能性について。一見するとラジコンヘリとどう違うのかと思うけど、ラジコンは発信機の電波を受けて飛ぶから、飛行できる範囲がごく限られていた。しかし最新のドローンは、スマホアプリなどで場所を指定すれば、自力でそこまで飛んでいく。

また、現行の航空法では空港施設や航空機の飛行ルートにかかる場合など一部を除き、250メートル未満の高度で飛ばすことには規制がない。つまり、この部分はいままで誰も使っていなかった未開拓の領域。「空の産業革命」と言われるのも大げさではないのである。

そもそもドローンって2010年頃まではかなりマイナーな存在で、未確認飛行物体の一種とするUFO専門家もいたくらいだったけど、それがたった数年で誰でも手に入れられるようになったのは感慨深い。

番組では、これまで多数の人が行ってきた山の測量をドローンが空から瞬時に行ったり、これまで大型機器を使って行っていた橋の点検作業を人間の目の代わりに飛んで行ったりと、その用途は多岐に渡る。

海外では、ピザを注文するとドローンが届けてくれるデリバリーサービスもあるようだ。 非常に面白い活用法じゃないか!

風速10メートルで電力が消費され墜落

ただ、その運用にはまだまだ課題が残されている。国内で発生したドローン墜落事故や、操縦不能となったまま墜落したドローンが炎上し、消防車が出動したケースを紹介した。

さらにドローンを使った実験で、風速10メートル以上の環境を飛行させると姿勢制御のためだけに電力が消費され、バッテリーが早々に尽きて墜落することが確認された。

それから、ドローンによるプライバシー侵害の危険性も指摘された。カメラを搭載可能だから、生活を覗き見る目的で悪用しようとする者が出るかもしれない。

だから人ごみの真上を飛ばすこともできるってことなんだけど、もしもその時、強風が吹いていたら、ドローンはあっという間にバッテリー切れになって墜落し、事故を招くかもしれないということになる。今のところは所有者のリテラシーに、安全への責任が握られているというのが実情ということだ。

今まで人的コストが負担となっていた作業環境を、一変させる可能性をドローンは秘めている。だけどどんな便利なアイテムも、運用する際の規定が伴っていない状態で爆発的に普及してしまうのは考え物だ。

「ルールづくり」はようやくこれから着手

日本ではまだ報告されていないが、アメリカではすでに旅客機とドローンのニアミスという、あわや大事故に……と冷や汗をかくような事例が報告されているそうだ。

番組では「風速5メートル以上では飛ばさない」「パイロットが目視できる範囲での飛行に限る」など独自のルールづくりをする会社も紹介されていた。これから国による規制の検討も行われることだろう。

今回の官邸の「事件」についても、ネットには「危惧していたことが起こりましたね」「ドローンは免許制度にしろ」などの声があがっている。普及させるからには、何キロもある物体が自分の頭の上を飛んでいようと全く不安にならないほどの安全性の追求とルール作りを、しっかりしてもらいたい気持ちは拭えない。

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