まるで就活!?『バチェロレッテ2』は、美しき女社長の人材採用の様子を覗き見する番組だった
シーズン1の最大の特徴は、「萌子ファン」を大量に生み出したことである。『バチェラー』シリーズは大抵、「可愛い女の子たちの中から推しを見つけ、その推しを応援しながら見る」ことを楽しむ番組であり、バチェロレッテシリーズにももちろんそれが期待されていたように思う。
しかしながら、シーズン1がスタートしたとき、私も、周囲の友人たちも、みんな「萌子さん」に熱狂していたのが印象的だった。萌子さんは立ち居振る舞いから言葉の選び方まで、何もかもが「圧倒的なセレブ」であり、どこまでも純粋だった。
普通なら空気を読んで適当に流しそうなところでも怯まない。いつも自分を貫き、男性の矛盾点をバシバシ指摘していく。男性たちに「気に入られよう」という意識が微塵もなく、彼らを「深くまで知る」ことだけに専念していたように思う。萌子さんに求婚しにきた男性たちすら、全員が彼女を「萌子さん」と呼び、女帝のように崇めていた。
そんな様子を見て、わたしたち視聴者の側もなんとなく「この人、萌子さんのお眼鏡には叶わないだろうな…」と誰が落とされるか比較的簡単に予測できた。だからこそ、「誰が選ばれるか」よりも、「萌子さんの価値観に触れ、男性陣が成長していく様子」自体にエンタメ性が宿っていたように思う。
一方、シーズン2の尾崎さんは、少し親近感が湧くタイプの女性だ(もちろん、同じ集団の中にいたら絶対話しかけられないけど!)。愛想笑いもよくするし、ものすごく気を遣うタイプの女性であることが見て取れる。男性に可愛いところや素敵なところを見せよう、好きになってもらおう、とする女性。彼女の中にどういう基準があるのか、私たちにはまだよく見えない。なぜこの人をここで残し、なぜこの人をここで落とすのか。不可解な部分もたくさんある。
尾崎さんは「経営者」の目線で男性を選んでいる。
以前、シーズン1は就活お役立ち番組だという記事を書いたけれど、多分就活について知りたい人は、2をより詳しく見た方が良い。男性陣の戦い方よりも、経営者が人をどう採用していくかが見えるからだ。
尾崎さんは1話で「自分に対しどれだけ積極性を見せるかを見たい、なぜならそれが自分に対する真剣度だから」というグループワーク(カクテルパーティーと2話のデート全体)の目的と指標を語り、3話では「ここからは世間話で終わっている人の、結婚やその先についての考え方を知りたい」と語っている。
次回配信の4話で残るのは、この指標をクリアした人だけなのではないかと予想している。現状残っている中で私が一番好きな澤井一希君が非常に危ない気がする。危ない。頑張ってくれ。
萌子さんはおそらく『バチェロレッテ』の旅全体を通じて、「相手のことをとにかく深く知る」ことだけに注力していた。だからこそ、あんなに深い対話が見られたり、心臓が痛くなるような場面が繰り広げられたりしたわけだ。
それと比較すると尾崎さんの戦い方はもっとドライだ。それぞれの段階で必要なゴールを定め、そのゴールにふさわしくない人や、ゴールに向かう過程で少しでも引っかかった人を落としているように見える。
でも、二人には共通している部分もある。それは絶対に私のイチ推しを最初に落とすこと。1は楠ダニエルさん、2は横山竜之介さん。二人の映像を見比べたら、「高身長・柔和・女性経験少なめ」と兄弟みたいに似すぎていた。趣味が気持ち悪いくらいわかりやすいので、そういう意味では私はどうやらバチェロレッテには向いていなさそうだ。残念。オファーが来たら断ろうっと。