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そういえば2024年は『Gガンダム』30周年! みんなはどの国のモビルファイターが好きだった?

画像はイメージ

今年も残りあと僅か。2024年も色々あったが、実は今年は1994年に『機動武闘伝Gガンダム』が放送されてから30年という節目でもあった。作品公式サイトでも30周年の特設ページとか外伝コンテンツを出して盛り上げようとしていたようだ。

本作は、それまでの戦記モノの側面が強かったガンダムシリーズとは一線を画すスタイルで知られる。MS(モビルスーツ)ではなくMF(モビルファイター)が主に活躍する世界観は、旧来のファンを仰天させた。

世界中の国々が、その国屈指の格闘家を、搭乗者の動きと機体が完全に連動するモビルトレースシステムを搭載したMFに搭乗させ、国家間代理戦争的格闘大会の、ガンダムファイトに出場させる。

そういった世界観なので、劇中では実に多くの個性的な機体が登場し、主人公であるネオジャパン所属のドモン・カッシュと激闘を繰り広げた。

今日は30周年ということもあるんで、物凄く個人的な話になるけれど、僕がお気に入りのMFについて振り返ってまいりたい。(文:松本ミゾレ)

風車小屋に変形できるMFの奇策

まず振り返っていきたいのが、ネオオランダ代表のガンダムファイター、ルドガーが操るネーデルガンダムだ。その見た目はオランダの機体ということもあって風車小屋に酷似している。胴体には風車がついており、文字通り風車小屋に変形することも可能だ。

この性質をうまく利用し、ルドガーは世界中のMFが激突する“サバイバルイレブン”という激戦中に風車小屋に偽装してバトルフィールドに鎮座。見事に戦わずして勝ち残ることとなった。

しかし実際の性能は大したものではなく、ルドガーも劇中ではほとんど出番がない。最大の武器は、胴体部分の風車を最大回転させて繰り出す強風攻撃の「ネーデルタイフーン」。ドモンを一瞬苦戦させるほどの威力は有していたが、武装が貧弱なので結局かませ犬のような扱いになってしまった!

ところがネオオランダは、どう見ても性能的に欠点の多いはずの本機を大量に量産している。その狙いはどこにあったかは判然としないが、終盤の対デビルガンダム戦でこれらがネオオランダのコロニーから一斉に出撃しており、最終決戦に色を添えている。

ちなみにネオオランダのコロニーには、巨大なチューリップ状オブジェが建造されているのも印象的だ。

もはやMA。天剣絶刀の怪鳥ヘブンズソード!

続いてもお気に入り。本作第1話でドモンに敗れたネオイタリアのミケロが搭乗していたネロスガンダム。そのネロスガンダムに偽装する形で登場し、ドモンとの対決中に正体を現したMFが、ガンダムヘブンズソードである。

見た目は白い細身の鳥のような形状で、MA形態のハンブラビに似ているが、猛禽のような鋭いカギ爪とカラフルな羽根が特徴。既にイタリアモチーフの意匠は見受けられない。本作のラスボスにあたるデビルガンダムの力で誕生したMFで、高機動で戦闘力も高い。

必殺技は、元々ネロスガンダムが駆使していた「銀色の脚」をさらに強化した「ハイパー銀色の脚スペシャル」という蹴り技。格ゲーで言う多段ヒット型の技となっている。

序盤でドモンに敗れたミケロが悪魔に魂を売って再登場するというシナリオは、今までのガンダムではありえなかった。このMFは非常に見た目もかっこいいので、ガンプラ化を心待ちにしているが……。

ピエロ恐怖症のチボデーを苦しめたジェスターガンダム

ピエロが怖い、苦手だという人は世界中にいるという。学術的にも道化恐怖症と呼ばれる、立派な恐怖症の一つだ。そして、本作に登場するネオアメリカ代表のチボデーもまた、ピエロが怖いという設定。

そのチボデーの前に立ちはだかったのが、ネオポルトガル代表のガンダムファイター・ロマリオとMFジェスターガンダムだった。ピエロの顔にそっくりのボディーを有するジェスターガンダムは、ガンダムマックスターを駆るチボデーを恐怖させるに十分。しかもロマリオ自身がピエロメイクをしているので余計に分が悪い。

ロマリオの精神攻撃によってKO寸前に追い込まれたチボデーだったが、最終的には勇気を振り絞って立ち上がり、得意技のストレートパンチを駆使してロマリオを撃沈。精神攻撃こそ多彩だったものの、武装面が今一つ貧弱だったのが敗因かもしれない。

チボデー特効みたいなこのMFでは、仮に別の国のMFと当たっていたらどうなっていたのか。しかし彼もまたサバイバルイレブンを勝ち残ったメンバーではあるので、結構普通に強いのかもしれない。ちなみにこのMF、専用の一輪車に乗って綱渡りをすることもできる。

旧作ファンも「ここまでくればもう受け入れるしかない」と思わせた漆黒のガンダム!

最後に紹介したいのが、ネオホンコン代表にしてドモンの師匠でもある、東方不敗マスターアジアが操る、劇中でも最強クラスのMF、マスターガンダムである。全身が黒と濃い紫色に覆われており、背部のバインダーは赤、差し色に黄色という色使いもかっこいいガンダムだ。

頭からは一対の角が後方に延びており、カメラアイの真下には切れ込みが入った、まさしく強敵デザインの集大成。搭乗する人物がとにかく強い(生身でMFを撃破できる)ので、ガンダムファイトでもほぼ無敵だ。

このマスターガンダムとドモンの搭乗するシャイニングガンダム、後継機のゴッドガンダムが激戦を繰り広げ、本作の大きな見せ場となった。

マスターガンダムはヘブンズソードのようにデビルガンダムの影響下にある機体でもあり、デビルガンダム細胞の力でいくら損傷しても自己修復が可能となっている。また本来デビルガンダム細胞は、搭乗者の精神にまで作用する危険因子であり、ミケロなどもすっかりそれに飲み込まれてしまったが、マスターアジアの場合は精神力が超然としているので、その支配を完全に打ち断っていた。

必殺技も多数あり、中でも際立って強力なのが、ドモンの繰り出す「シャイニングフィンガー」や「爆熱ゴッドフィンガー」と対を成す「ダークネスフィンガー」である。ドモンにこの系統の技を伝授したのはほぼほぼマスターであるはずなので、これこそ流派東方不敗の本家本元必殺攻撃となる。

『Gガン』という作品はこれまでのガンダムシリーズとは全く傾向が異なるアニメであり、宇宙世紀モノでもないので当初はオールドファンからの抵抗もあったという。僕自身は当時小学生。BB戦士に代表されるSDガンダムの世界に触れて耐性があったので、意外と受け入れられたが、まあ、おおきなおともだちにはキツかったかもしれない。

ただし回を追うごとに『Gガン』にしかできない展開に夢中になるファンも増えていき、特にマスターアジアが第2クールで登場し、マスターガンダムが活躍する頃にはある程度受け入れられるようにもなっていた。

その人気はガンプラの商品化実績にも反映されており、マスターガンダムは放映当時に1/144、1/100でプラモ化。これは本作のレギュラーMFであるシャッフル同盟の機体でもなし得なかった快挙となる。……というかシャッフル同盟の機体は未だに1/100では全部出揃ってないんだっけ。

さらに後年には、まず1/100がリニューアル販売され、そこから数年後には1/144でもやはりリニューアルされる形となった。その後も商品化の機会には恵まれており、完成品アクションフィギュアも多数。搭乗者のマスターアジアのフィギュアも、何年も前に発売されている他、直近でも食玩で組み立て式可動トイとしてのマスターガンダムが発売されている。

まさにこのマスターガンダムこそ、『Gガン』の魅力を大きく押し上げた功労者といっていい。マスターアジアの濃いキャラクターと共に、本作を語る上で欠かせない存在になっている。

……他にもアシュラガンダムとか、スカルガンダムとか、名称不明のカニガンダムといった魅力的なMFは多数存在する。リアルタイムで視聴していたみなさんも、30年経過した今ではさすがにストーリー概要も忘れてしまっていることだろうから、DVDやBD。サブスクなんかでもう一度楽しんでみてはいかが?

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