好きを趣味にとどめず天職にした「さかなクン」 お母さんの子育てモットーは「みんな一緒ならロボットになっちゃいます」
タコ以外のいろんな魚がいることにも気付かせてくれて、さかなクンの「お魚ライフ」が始まりました。魚屋に行けば欲しい魚を丸ごと買ってくれ、綿密に観察し絵を描くと母が誉めてくれる。それがうれしくてまた絵を描き、魚は自分でさばいて料理したといいます。
小学校では、授業中にも絵を描いていて授業についていけず、担任に「勉強もしてください」と指導されます。ですが驚くことにお母さんは、こう言って突っぱねます。
「あの子は魚と絵が好きだから、それでいいんです」
「成績が優秀な子もそうでない子もいていい。みんな一緒ならロボットになっちゃいます」
これはなかなか多くの親が言える言葉ではありません。甘やかしと寛容さの線引きも難しく、「せめて普通くらいには」と勉強を優先し、好きなことは後回しにさせてしまいそうです。
絵を習わせては、という薦めにも「好きなように描いてほしい」と応じませんでした。息子の個性を大切にしたかったとのこと。お母さんの口癖は「命がとられるわけじゃないんだから」。さかなクンは、失敗しても大丈夫だと安心できたそうです。
ネットは称賛「こんなおかんが欲しかった」
この記事の切り抜きが「さかなクンのお母さん凄い…私には到底真似出来ない」というコメントと共にツイッターに流れると、多くの人の共感を呼び、2日で2万もの「いいね!」が付き、数は伸び続けています。
リプライには子育て中の母親や保育士から「感動しました」「気持ちが救われました」という賛辞が寄せられたほか、この子育てを称賛する投稿が相次いでいます。
「これはお母さんがえらい。『よくぞうまく育てた』としか言いようがない」
「(いい意味で)親の顔が見たい、と常々思ってたけど、私もこんなおかんが欲しかった。お母様自身の息子に対する観察眼とブレなさも、親子そっくりだなーというか」
「普通の親なら、学校の勉強がおろそかになった時点で趣味を制限してしまう…その結果は『普通の平凡な子供』にしかならないのかもしれない」
そんなさかなクンは、いまでは東京海洋大名誉博士・客員准教授を務め、2010年には絶滅種とされていたクニマスの生息確認に貢献しました。
今月公開のディズニー/ピクサー映画の最新作「ファインディング・ドリー」の海洋生物監修とマンボウの声優に抜擢され、「夢のようでギョざいます!」とコメント。好きなことは趣味にとどめておくべきという声もある中で、さかなクンは「好きを天職に」して、のびのびと生きているといっていいでしょう。(文:篠原みつき)
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