無痛分娩めぐる女性たちの声「楽して産んで愛情持てるの?」「痛みを耐えてこそ母親なんて根性論は完全に昔の話」
否定派からは
「楽して産んで子供に愛情持てるの?」
「苦しいことから逃げる人なんだねーという印象しかないですねw」
などというキツめの声もあった。いろんな考え方があるのだからどう思われても別にかまわないが、「お母さんだけズルして赤ちゃん可哀想」というのだけは「もう少し硬膜外麻酔分娩のことを知ってから言ってくれ」と思ってしまう。一方で「どんな出産にせよ命懸けなんだよ!妊婦自身が希望する産み方を尊重すべき!」というコメントを筆頭に
「産む痛みを耐えてこそ真の母親なんていう日本の変な美徳の根性論は完全に昔の話。自分が納得できるスタイルが一番です」
「妊娠中は出産の怖さもあるから無痛だとそのストレスも無くて穏やかに過ごせたし、私は自分と家族の理解があれば賛成」
などという肯定派の声も集まっている。
麻酔を使う以上リスクはゼロではないが、人によっては麻酔を使用するメリットがデメリットを上回るケースも多い。無痛分娩はまだ少数派とはいえ、個人的にはお産のスタイルが選べる時代になってきたことが本当に嬉しい。
「出産未経験者や男性に『無痛は甘い』など言われたらイラッとくるかも」
コメントの中で、強く共感したものがあった。無痛分娩経験者からの
「自然分娩や帝王切開の経産婦から嫌味を言われるのはまだ仕方ない時代かもですね。それはなんとか受け止められますが、出産経験してない人や、まして、男どもに『無痛は甘い』など否定的な意見は言われたらイラっとくるかも」
という声だ。これはもうその通りで、特に男性から「はァ?無痛?」みたいな反応をされると、それまでの縁も友情も信頼も一瞬で崩れるに違いない。
ちなみに「無痛分娩やめて、陣痛と出産の痛み全部を経験してみてもいいかも」と数日間迷うほど筆者に響いたのは、たくさん子どもを産んだ助産師さんの「もったいない!」(産む瞬間の快感と達成感は最高だと語ってくれた)と、出産経験のある妊婦専門鍼灸師さんの「ノロ(ウイルス)のほうが辛い」「(無痛分娩費用が)3万だったらやってたかもしれないけど10万だったからやらなかった」という言葉である。助産師さんの言葉からは純粋に「どんな感覚なんだろう?」と好奇心が湧いたし、鍼灸師さんの言葉からは「思っているほど痛くないのかも」と力が抜けたからだ。
ともかく、”その日”は迫っている。当日でも無痛分娩対応可能というレアな産院のため、実際やるかやらないかはその時になるまで自分でもわからない部分もあるが、出産に対し、「不安より楽しみが大きい」と思えている時点で、すでに無痛分娩の恩恵は受けているのかもしれない。