世帯年収900万~1000万円の嘆き「一番損するゾーン」「生活は質素」「スーパーでも値下げ品ばかり買ってる」
国税局が公表している2016年の1世帯当たりの平均年収は、560万2千円。中央値は442万円なので、「年収1000万円」と聞けば、当然「お金持ち」の部類に入ると思ってしまう。ところが、当事者の中には「そんな甘いもんじゃない」と不満を抱える人が多いらしい。
先日のガールズちゃんねるに、「世帯年収900万円~1000万円で語りたい」とトピックを立てた女性もその一人。世帯年収が「900万円ギリギリ越えるくらい」だが、様々な恩恵が無くなり体感的には700万円と大差ないという。「子供も2人いるので日々節約を意識していないと一気にお金が無くなります」として、「あるあるなど語っていきましょう!」と呼び掛けた。(文:okei)
「なぜ税金を多く払っているのに色々減らされないといけないのか」
これに対して、さっそく「一番損するゾーンなんです。 学校関係の補助金も出ないし」など、不満の声が相次いだ。コメントは1200を超え、注目度の高さがうかがえる。
「税金が収入に対して多すぎやしませんか」
「市民税がバカ高いのに、市で助成される医療費の対象外……なんだかな~」
「子ども手当の減額・小児医療は対象外。優遇しろとは言わないが、何故多く税金払っているのに色々減らされないといけないのか不思議」
生活状況として「首都圏住みで子ども2人、マイホームと車のローンで生活はカツカツ」といった内容も多かった。つまり、結婚して都会で家と車と子どもを持つには、世帯年収900~1000万円は必要、というある種の現実も見える。それで1000万円前後ではキツイと感じている人は多く、「全然ラクじゃない」「生活は質素」「スーパーでも値下げ商品ばかり買ってる」といった声が散見された。
実際、日本の税制では年収が増えるごとに所得税の控除額は減り、年収1000万円超えでも社会保険料を引くと手取りは700万円台になってしまう。自治体によって異なるが、子ども医療費の助成に親の所得制限を設けている地域も多い。頑張って働いた結果なのに助け船なしとはあまりの仕打ち……と恨めしい気持ちになるのもわかる気がする。
「世帯年収1000万円なんてごく一般的だよ」という感覚
なお、スレッドには年収1000万円を「富裕層」と見るコメントもあったが、当事者たちはそれを「全然富裕層じゃないよ」と一蹴する。
「世帯年収1000万なんてごく一般的だよ」
「むしろ正社員共働きなら少ない方に入る可能性すらないかい?夫650万、私非常勤350万 普通の生活だよ」
といった声もあった。
確かに、もし女性が男性並みに稼げるのであれば、世帯年収1000万円もありえない話ではない。お金はあればあるなりの生活になるし、周囲も同じような環境にいる人は、世帯年収1000万円前後なら「ごくごく普通」という感覚になるだろう。
だが、実際は女性の平均年収は287万円(国税局:民間給与実態統計調査より)と低いため、ハードルは高い。世帯年収500万円程度の人たちからすれば、1000万円が羨ましいのは当然だ。
比べてしまえば上には上かいる。税務署に勤める筆者の知人によれば、老夫婦の2人暮らしでも「生活費が月70万円では足りない」と言う人がいるそうだ。最近何かと話題のZOZO前澤社長など、独身者だが「年収35億だと全然足りない」とも言っている。本当に、こういう人たちから見れば「世帯年収1000万円」なんて、みみっちい世界なのだろう。