虐待死を防ぐため「189を活用して」フィフィが呼びかけ「救える命が多い」
警察庁は2月7日、去年1年間で児童虐待の疑いで児童相談所に通告した子供は8万104人と、10年前の約13倍にも上っていることを発表した。先日も、小学4年の栗原心愛(みあ)さんが自宅で亡くなり、両親が傷害容疑で逮捕された事件があったばかり。児童虐待に関する報道が続き、歯がゆい思いを抱えている人も多いのではないだろうか。
国は、虐待が疑われる状況に遭遇した時、すぐ児童相談所に通告・相談できる全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」を2015年から始めている。しかし、2月8日の『モーニングCROSS』(TOKYO MX系)でタレントのフィフィさんは、189がまだ浸透していないと感じているようで、
「周りが『おかしいな』って気づいて通報することが、(児童虐待を)発覚して危険な状態から(子供を)助けられる」
と、さらなる普及に向けて思いを語った。(文:石川祐介)
虐待されている子どもには「他人に不自然に甘える」「表情が乏しい」などの特徴
189は、虐待が疑われた時にかける番号であると同時に、子育てに悩んだ親が、自分の状況を相談できる番号でもある。また、匿名であるため、近所の人が疑わしいと思ったらどんどん通報したほうが良いとフィフィさんは語る。
「なかったらなかったで良いじゃないですか。通報する勇気を持ってほしい」
フィフィさんは、虐待されている子どもには特徴があると解説する。例えば身体に注目すると「全身ところどころ古い傷と新しい傷が混ざっている」、「服装が汚いとか不自然、季節外れのものを着ていたりサイズ感が合っていないとか」などが挙げられる。
「爪があんまり切られていないとか、歯が磨かれていないとか。あと、表情が乏しい。大人に怯えた様子がある。他人に不自然に甘える、しつこくまとわりついてくるとか。お腹を空かせている状態が多い。標準と比べて体重や身長が極めて小さいとか」
見た目だけでなく、大人の前での振る舞い方や行動にサインが表れることもあるようだ。こうした知識があれば、虐待の可能性を早く察知することが出来る。
また、虐待家庭では、
「近所付き合いが少ない。子供や周囲の人間に対して高圧的に振る舞う。自分の子供の病気や行動を把握していない。あと、子供の不在を聞くとアタフタして怒ったりする」
などの特徴があるという。「救える命が多いので、ぜひ勇気を持って189を活用してください」と、189を躊躇わず利用するよう訴えた。