独特な日本語センスで話題のタレント・滝沢カレンさん(27)の“唐揚げのレシピ”が話題になっている。レシピは11月21日にインスタグラムに投稿されたもので、
「やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉をいれてあげます」
「あとは自分が二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに刺激します」
「ここは贅沢御免でオリーブオイルを170度くらい熱々にします。(飛び跳ね、指を入れるなど命かけてしないでください)」
など独特な表現が頻出している。ツイッターでは、「間違いなく、5秒に一回は爆笑するからお願い読んでみて」「これが天才なのだな」と文章を評価する声が多く寄せられている。ただ味に関する書き込みは多くない。キャリコネニュースはレシピを参照しながら作ってみた。
「自分が二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに最終刺激」
滝沢さんはこの唐揚げについて「ヘルシーに見えてそうじゃない、高カロリーに見えてそうでもない、どちらも決めるのは胃袋ですってことにします」と記している。若槻千夏さんも高カロリーなメロンパンを「これはたった3キロカロリー」と思い込むダイエットをしていたというので、その類いの理論だと思われる。
唐揚げは「油物がほんとは大好きで、でも油物はカロリーがやら太るやらと可哀想な扱いされがち」といい、食べる場合は極力自炊しているという。自炊するとカロリー計算もしやすいためだろう(「たまにはご飯屋さんでもそりゃ食べる」とのことだ)。
ちなみに味については、「私は味濃いのが好きなので今から話すことは味濃いと思いながら聴いてください」とのことだ。量は、「唐揚げは一度全て揚げてしもうと保存不便ですから、300gくらい買って半分は生のまま冷凍や冷蔵しますから、5~6個を用意します」と作り置きはせず、1食分のみ作るようだ。
「まず、透明度まではいかないがスーパーでよく見かけるしもらうしなの、ビニール袋を二重にします。(豪快な方はジップロックなど)そこに冷たい何も知らない鶏肉をいれてあげます」
スーパーのサッカー台に置いてあるロール状の薄手のビニール袋のことなのだろう。筆者は豪快ではないためジップロックではなくこの”しな”を使った。
「そこに冷たい何も知らない鶏肉をいれてあげます。やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉に上からいくつかかけ流していきます」
たしかにこの鶏肉自身は、これからどのように調理されるかわかっていない。ここに「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「お酒も同じく全員気付く量」「乾燥しきった粒にみえる鶏ガラスープの素をこんな量で味するか?との程度に、ふります」とのことだ。
鶏ガラスープは「いれすぎても、いれなさすぎても、あまり変わるわけではないので気にしすぎもよくないです!」という。そして、
「ニンニクすりおろしかチューブ、生姜すりおろしか、チューブを鶏肉ひとつにアクセサリーをつけるくらいの気持ちでつけてあげて下さい。あとはごま油をご褒美あげるくらいにします」
アクセサリーは小ぶりなものもあれば大ぶりなものもある。ご褒美もどのようなレベルなのか個人差がある。わからないので、大ぶりアクセと盛大なご褒美が好きなのでそんな感じで入れた。
「あとは自分が二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに最終刺激します。男のみなさんは自分の力を見せない程度にしてあげてください」
二の腕を気にして触る力は、結構弱めではないだろうか。ひんやりした鶏肉は夏場の二の腕を彷彿させる。そして冷蔵庫で寝かせるのだが、時間は、「うわっこりゃすごい色だ!と濃さや匂いに驚かれてる方は、15分位」「わぁもういい匂いだお腹すいた!と笑顔になる方は、そのまま30~60分」のお好みでいいという。
「油へ…すぐさまなんかしらの反応見せたら、あ、楽しくやってるな、と見過ごして」
この間、「それぞれの時間を過ごしてる場合じゃなくこの間にお味噌汁、お米、副菜をお願いします」と、滝沢さんは炊き込みご飯、味噌汁、副菜2品を作っている。炊き込みご飯で余った油揚げや、えのきの梅あえで使ったえのきを味噌汁にいれるなど食材を使い切るようしっかり工夫している。
炊き込みご飯については、「ご飯はたけのこと油揚げの炊き込みご飯にしましたが、理由はとくにありません。炊き込みご飯の作り方をもしかしたら再確認したかったのかもしれません」と綴っている。そっか。
料理をしたり、余った鶏肉に下味を付けて冷凍庫に放り込んだりしていると1時間経過していた。滝沢さん曰く、「面白いくらいにブったりした鶏肉があるはずです」とのことだ。袋を開けると、食欲を掻き立てるニンニクや生姜、ごま油のにおいがする。これを、
「好き好きな入れ物に片栗粉と少しの小麦粉を入れて潤い満タンの鶏肉を一気にパサパサ雪世界にしてあげます」
という。この時、「激熱い油」を用意する。滝沢さんはたまにしか唐揚げを作らないので「贅沢御免でオリーブオイル」を使用し、170度に熱する。
「170度にいきましたら、パサパサ鶏肉をおにぎりを一握りの気持ちで『いってこい』の後押して油へ…すぐさまなんかしらの反応見せたら、あ、楽しくやってるな、と見過ごしてあげてください。何の反応もしてくれなかったら一旦取り出してください、油がまだ170度ではありませんそれは」
油に菜箸を入れ、細かい泡が出てきたら170度程度だが、滝沢さんは”肉を入れてみてダメそうなら取り出して再度熱する”スタイルを取っているようだ。入れた肉が全体的に薄茶色になったら一旦取り出し、180~190度の油で「懲りずにまた唐揚げを油へ沈めて下さい」。
出来上がりのポイントは、
「だんたんとキャピキャピ音が高くなってきたら、ほんとに出してくれの合図です!しっかりここではコミュニケーションとってください。これ以上茶色な唐揚げみたくない!ってタイミングでもいいです」
とのこと。”キャピキャピ音”が一瞬よくわからなかったが、油で揚げたときのパチパチ音を滝沢さん風に言い表したのだろう。ただ、筆者はしっかりコミュニケーションが取れなかったので「これ以上茶色な唐揚げみたくない!」というタイミングで取り上げた。
唐揚げへのハードルが下がるレシピだった
滝沢さんが作ったものより茶色が濃くなってしまったが、味がしっかりついている。何より、最も美味しい唐揚げは、揚げたての唐揚げだろう。片栗粉多めの衣はサックリしており、肉の柔らかさとのコントラストが楽しい。冷めても衣はサックリしていて美味しかった。
滝沢さんのレシピは、普段気にしなかったことを気づかせてくれる。改めて見ると、漬けた鶏肉は「ブッタリ」しているし、唐揚げを揚げる時の音は「キャピキャピ」しているし、揚げる時は鶏肉と「しっかりコミュニケーション」を取らなければいけないのだ。
筆者は一人暮らしの20代で、唐揚げを作るのには時間もかかる、衣がべちょっとするのではないか、大量の油がもったいない、など唐揚げをつくるハードルが非常に高かった。
しかし、滝沢さんのレシピは肉や調味料は目分量でいいし、レシピ本にありがちな「ここで1時間漬け置いた鶏肉を……」ということもなく(手順1から作って言って突然こういうのが出ると「先に言えよ!」とキレたくなる)スムーズに作ることができる。
滝沢さんのレシピは唐揚げづくりのハードルを下げてくれるものだった。読み物としても秀逸だが、レシピとしても非常にわかりやすいため、今後も滝沢さんにはレシピ公開をしてほしい限りだ。