持ち家購入の理由として「資産として残せる」と考える人は多い。その延長線上に賃貸住宅のデメリットである「資産価値が望めない」を挙げる人もいる。しかし持ち家不要派のキャリコネニュース読者からは、
「賃貸は『家賃に払っても何も残らない』という考えもある。でも持ち家は固定資産税も加わり、災害のことも考えると、やはり手厚い保険に入りたいとも思う。そうなると費用はかさむし、20年で建物自体の価値はほぼゼロにもなる」(30代女性/山梨県)
といった声が寄せられている。今回は賃貸派の声を紹介する。(文:鹿賀大資)
「賃貸なら生活状況に合わせて柔軟に引っ越しができる」
女性は続けて、持ち家がフットワークを重くするとも指摘。子どもを抱える世帯では、例えば子どもが生まれたとき、または独り立ちをしたときの部屋数問題がある。子どもが学校に通いやすいために引っ越しをする家庭もあるが、持ち家だとそう簡単にできるものでもない。また、
「今、住宅を建てるとなると、分譲地に建てることが多いと思う。そうした家々が近い場所で、そこに一生住むということが、そもそもあまりいいと思わない。それにメンテナンスにも費用がかかるし」
とも語る女性だが「キャッシュで家を買える余裕があるなら良いと思うけど」という考えもあるようだ。
熊本県の40代女性は「賃貸なら生活状況に合わせて柔軟に引っ越しができる」と持ち家に対するデメリットを並べる。運悪くゴミ屋敷や迷惑住人に当たってしまった場合、持ち家だと対応に苦しむが、その点、賃貸住宅なら「逃げられる」という。
新築を建てても、「結局はローンが終わる頃にはボロ家。ローンが終わったら、今度は莫大な水回りの修繕費」という懸念材料を挙げた。これらを踏まえた上で女性は「持ち家に夢とか希望なんて全然ない。わざわざ手間かけて買う気が知れない」と持論を述べている。
「都市部だと古すぎる物件が多く、マンションは建て替え問題に直面しそう」
京都府の40代女性は現在、夫婦で賃貸住宅に暮らしている。今後は現在の家賃と同程度の中古物件を、15年ほどのローンで購入する考えもある。その際に色々とシミュレートした内容を明かす。
「都市部だと古すぎる物件が多く、マンションは建て替え問題に直面しそう。戸建ては部屋数が多すぎるので、2人暮らしには不向き。そしておそらく転売を迎えた時期には、再販価値もつかない」
また夫婦ともに、居住候補地から離れた場所の不動産を相続する予定があるため、「いつでもどうにでもできる賃貸暮らしのほうが気楽では」と綴る。
現在の住居については「賃貸とはいえ家賃や立地、設備、治安などに不満はない。現状の満足度が高いのも購入に踏み切れない理由のひとつ」という。ただ子どもがいて4人前後で暮らすのであれば、
「その間が20年ほどでも戸建てを買ったほうが将来的にも安くつくと思う」
とも綴っている。ちなみに老後は「介護施設に入ることを検討している」とのことだ。
ほかにも、
「人口減少に対して地価が高すぎる。また税金や維持費もかかりすぎる。増加する自然災害への負担なども考慮すれば、賃貸が1番だと思える」(30代男性/熊本県)
といった声が寄せられた。
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