「この街に住むと出世しない」といわれることがある。実際にその地域に住んでいる人からすれば「余計なお世話」だが、街の環境やイメージが潜在意識に影響を及ぼしているとしたら……。
鉄道事情にも詳しい恋愛コンサルタントの鈴木リュウ氏は「年収が上がる・下がる街には共通する特徴があります」と語る。
“お金をコントロールできない人たちが集まる街”は要注意
「住むと年収が下がる街」の特徴として鈴木氏は「カレー、牛丼、つけ麺など、すぐにお腹を満たしてくれて味の濃い食べ物を出す店が並んでいる街」と説明する。衝動買いをしてしまうソフトクリームや鯛焼き店が多い街もよろしくないという。
「個室ビデオ店が多い街もそうで、そういう街は派手な黄色や赤色の看板が多いです。”年収が下がる街”というのは、『人間の弱い意志』につけ込むような店舗が並ぶ街なんです。これらの店に行列が出来るようなら特にアウト。ターミナル駅など、仕事帰りに飲んで帰るような”サラリーマンが集まる街”をイメージしていただければいいと思います」
そういった街で飲んでいる人は「例えば『今100万円もらうのと、1年後に101万円もらえるならどちらを選ぶ?』と聞かれ、前者を選ぶ人でしょう」と説明する。
「これらの人は長期的な視座で時間やお金を使えない人です。つまり年収が上がらず、貯金もできない。仕事帰りにちょっと飲んでしまう、小腹が減るとついラーメンを食べてしまう、鯛やきを買ってしまうなど、短期的な欲望に流されてしまいます。そのため資産も貯めにくく、投資もできません」
つまり、簡単に欲を満たすことができる街は”お金をコントロールできない人たちが多い街”であり、周囲の空気に流されないよう気をつけなければいけない、ということのようだ。
これらの街に住むうちに「収入が上がらず、もちろん貯金もできない」「財布にポイントカードを溜めてお店の奴隷になる」「LINEから店舗やクーポンなどの通知がたくさん届く」ようになったら、行動パターンを変えたほうがいいという。
「クーポン情報などを登録しすぎている人って”自分が本当に何を買うべきか”の判断できなくなっているんです。こういう街でも年収が下がらないようにするためには、まず食事は家で摂ること。ゆで卵とブロッコリーと納豆、玄米だけを食べ続ける。コンビニは行かずスーパーに週一度通うのみにしてください」
また、欲の多い街に住む場合は「駅前を選び、すぐに家に入れるようにしてください。商店街沿いだと誘惑が目に入ってしまうので出費がかさみます」と話す。
逆に年収が上がるのは代々木上原、不動前、赤羽橋など
では、「住むと年収が上がる街」とは。鈴木氏は「”煩悩マーケティング”の店舗がない街です。具体的には広尾、代官山、乃木坂寄りの六本木、代々木上原、不動前、麻布十番、赤羽橋」という。
「これらの街にはサラダ専門店やカフェが多いです。休日はこれらの店で勉強できるので、独学や副業に向いていますね。歩いている人の背筋がピンとしているので、それに引きずられて振る舞いも変わります」
鈴木氏曰く、これらの街には「外に出るときに油断していない」「お金の使いみちを決めている」「その日に何を食べるか考えている」人が多いようだ。”何を食べるか”を計画する人も多いためデリバリーが盛んで、人気店が多いのも特徴だ。煩悩マーケティングで欲望に根ざした店を利用する人と真逆の性質だといえる
しかし、「年収が上がる街」に住みたいと思っても、家賃相場は大きく変わる。1Rだと広尾は12.51万円(ホームズ調べ)。年収の低い人が無理して住んで意味はあるのか。鈴木氏は、
「年収が低い人こそ住むべきです。『年収は住むところで決まる』(エンリコ・モレッティ著)という本にもあるように、住む場所によってカフェや飲み屋で出会う人の質も変わります」
と話す。そのため、思いがけない友人ができ、それをきっかけに意識が変わり、”金持ちの行動習慣”を学ぶことができる。「朱に交われば赤くなる」というように、よくも悪くも周りの環境で自身も変化するようだ。