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ショートスリーパーが元気に見えるのは睡眠不足で好戦的になっているから!? 本来は1日7~9時間の睡眠が必要な理由

寝ている女性

眠いよう……

なんで自分は、やる気のない性格に生まれてしまったのだろうか?と部屋でダラダラしながら考えたことってありませんか。でもあなただって、生まれたときからやる気がなかったわけではありません。やる気に乏しい人がエネルギッシュになるには、脳の「覚醒」のレベルを上げることが必要です。

「覚醒」とは寝ているときの反対で、目が覚めている状態のことです。覚醒レベルというのはどのくらい脳が冴えているかということです。脳は私たちが起きているあいだ、「覚醒」のアイドリングをするために、大量のエネルギーを使っています。火力発電所の火をゼロにできないのと同じで、突然昏睡状態に陥ったりしないように、「目覚めている」状態を保つ必要があるからです。

それは何らかの知的活動に使うエネルギーよりはるかに大きく、たとえば、人と会話するために使っているエネルギーより、会話をしているあいだ目覚めて起きていることに使うエネルギーの方がずっと大きいのです。(文:医師・脳科学者 加藤 俊徳)

※本記事は加藤俊徳氏の著書『ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳』(すばる舎)を再構成したものです。

脳の覚醒レベルを高く保つ4つの方法

書影

『ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳』

脳が良く働いている人は、この脳覚醒レベルのアイドリングを高く保っていることが多いです。逆に言うと、脳が発達していても、覚醒レベルが下がっていると活動的にはなりにくいのです。覚醒レベルを高く保つ代表的な方法は、次の4つです。

1. 適切な睡眠
2.早朝のウォーキング
3.自分の好きなことをする
4.次の予定を意識して今を過ごす

脳が正常に働かない人の問題点としては「寝不足であること」「運動不足であること」「悩みがあること」「情報不足であること」があり、この中でいちばん手っ取り早く修正できて、かつ覚醒レベルを上げることにつながる行動が「睡眠」です。ここからは睡眠を中心とした覚醒レベルの上げ方を紹介します。

1日に7~9時間の睡眠が必要

成人の場合、老若男女すべての人が、1日に7~9時間が必要で、これより多くても少なくても、身体には悪影響が出ることがわかっています。たとえば、昨日は7時間寝られたから調子が良かったけれど、今日は6時間しか寝ていないとなると、脳の覚醒レベルは下がってしまいます。自分では気づきにくいかもしれませんが、この1時間の差が大きいのです。朝まで飲み明かしてそのまま平気で出勤する人もいますが、たいていはカラ元気で、脳覚醒レベルは低いので生活の質はグッと下がってしまいます。

ショートスリーパーが元気な理由

普段睡眠時間が短い人は、7時間寝るだけで覚醒度がグッと上がります。若い人や働きざかりの人は「そんなに寝る時間がない」とか「寝ている時間がもったいない」と思うかもしれませんが、寝たほうが結果的に認知能力も高まります(ただし、9時間以上寝ている人は、うつ病になっている可能性が高くなります)。

なかには1日4時間程度の睡眠でも健康でいられるショートスリーパーと呼ばれる人たちもいます。彼らにはエネルギッシュなイメージがありますが、それはエキセントリックになっているせいで、睡眠不足によるストレスでアドレナリンがばんばん出るために、好戦的にならざるを得ないのです。アドレナリンがないとエネルギッシュになれないのですから、問題を抱えている状態と言えます。

眠りたいのに眠れない人

基本的に、二度寝する、眠りが浅い、入眠に20分以上かかる、朝早く目覚めてしまう、といったことはすべて睡眠障害です。

私たちは寝ているあいだ、レム睡眠という浅い眠りとノンレム睡眠という深い眠りを交互に繰り返してしまいます。中年期から老齢期になると、「すぐ目が覚めて7時間も眠れない」という人が増えていきます。年齢を重ねるほど、ノンレム睡眠(身体も脳も休んでいる状態)という深い眠りの時間が短くなっていくので、目が覚めやすいのです。

一方で、認知機能が下がってくると、今度はレム睡眠(体は休んでいても脳は覚醒している状態)が短くなる傾向があります。夢はレム睡眠のときに見ることが多いので、認知症になると夢を見なくなります。そうすると「眠れないから認知機能が下がる、認知機能が下がると眠れない」という悪循環になってきます。

どうしても7時間眠れない方は、アイマスクをするなどして、日の光などで起こされにくくして、起床時間までぐっすりと眠れるよう工夫してみましょう。

■書籍情報
『ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳』
著者:加藤 俊徳
出版社:すばる舎
価格:1400円+消費税

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