さて、原材料が高くなったら、小売価格も上がるのが当然。実際、ローソンのうなぎ2匹を使った「うな重特々上」は4514円(税込)、セブンイレブンの「炭火焼上うなぎ蒲焼重」は4298円(税込)もする。どちらも催事の予約商品だが、通常のコンビニ弁当ではあり得ない価格帯だ。
牛丼チェーンもこの時期になるとうなぎメニューを全面的に押し出してくるが、今年はなか卯の「うな丼豪快盛」1780円(税込)が目立っていた。うなぎ1匹分ということでボリュームはたっぷりあるが、牛丼チェーンでこの値段を支払うべきかは迷ってしまう。
続々登場する代用蒲焼き
さて、こうした近年のうなぎ価格高騰を受けて登場しているのが、代用蒲焼。うなぎの代わりに「何か」を使って一見、うなぎの蒲焼風の見た目・味付けにしたものだ。
2017年には、大手スーパー・イオンがナマズの蒲焼を発売して話題を呼んだ。現在では、サンマ、カラフトシシャモ、豚肉など様々な材料を用いた「蒲焼」が登場している。筆者はこうした代用蒲焼をいくつも実食したが、残念ながら満足できた試しがない。「ああ、お金を貯めておいて、ちゃんとした専門店に行くべきだった」と、食べるたびに後悔している。
ところで『中国新聞』は、2022年7月17日付の朝刊「ウっ、買えない… ウナギの代用丼いかが」という見出しで、「豚肉のサラダ丼」「イワシ缶とキュウリの丼」を紹介。もはや味も見た目も完全スルーしているのが潔かった。
まあ、もともと土用の丑の日はにうなぎを食べるのは「夏バテ防止」という話。いまとなってはうなぎにこだわらなくてもいいのかもしれない。